[61157]スピカさん
千本桜さんの言っていた「消えた大字」沢山ありますね。
だいぶ前の書込みに反応して戴いて感謝しております。実は、この問題が今も頭の中で大きな比重を占めています。私は、大字名と その大字名で括られた領域の存亡に危機感をいだいているのです。「消えた大字」は私の身近なところにも幾つかあります。その消え方(消され方)を分類すると次のようになります。
【1・市町村名と大字名が同名のために昭和の合併時に当該大字だけが消されたケース】
例としては白石市の
大字白石本郷、大河原町の
大字大河原、丸森町の
大字丸森がありますが、同様例は全国各地に見られることでしょう。これは、本来なら大河原町大字大河原字下川原○○番地と書くべきところを、面倒だから大字を外して大河原町字下川原○○番地と書いていいよと言うことです。一見、合理的です。しかし、他の大字地区は大字を外さずに、大河原町大字大谷字下川原○○番地と書きなさいと言うのですから理不尽です。
【2・市町村が大字制を廃止したため、自治体内の大字が同時に全部消滅したケース】
例として七ヶ宿町があります。七ヶ宿町(当時の七ヶ宿村)は明治22年に五つの大字を設置して発足しました。
大字渡瀬、
大字関、
大字滑津、
大字峠田、
大字湯原です。以後、合併を経験しないで今日に至っています。ところが、私の知らないでいるうちに、いつの間にか全ての大字が廃止されていました。町役場に理由を聞こうかとも思いましたが、まだ問い合わせていません。推測ですが、大字制廃止は七ヶ宿ダム建設と絡んでいたのではないかと思います。大字渡瀬地区の集落がダム湖に沈んで住人がいなくなるからです。それを契機に大字廃止に走ったのではないかと考えます。ただし、湖底に沈んだ渡瀬を除く旧大字の関、滑津、峠田、湯原という地名は、それぞれの大字の中心的町並みに当たる小区域を指す小字として現在に引継がれています。
【3・大字の全域が住居表示区域に移行したため、大字が消滅したケース】
このような例は宮城県南部の自治体にはありませんが、都市化が進んだ大都市圏には多々あるのではないでしょうか。
消えた大字に関しては、消された理由が大事だと思うのです。それで上記の書き込みをした訳ですが、上記の例に当てはまらない別の理由(私からすれば全く理不尽な理由)で消されかかった大字があります。消されかかったと言うのは、町の合併が破綻したために字名変更が実施されないで終わったからです。しかし、いつか合併が現実になったとき、この理不尽な「大字名とその大字名が指し示す領域の変更」が、地域の履歴を無視して実施されはしないかと恐れているのです。このことに関しては何度も落書き帳に書かせていただきましたので更なる書き込みはしませんが、この
地名侵蝕を読んでいただけたら幸いです。この前、京都の甥(大学生)に地名侵蝕を読ませたのです。どうだった?と聞いたら、難しすぎて理解できなかったと言われました(笑)。ガクッときましたが、たぶんよその地域を理解するのは難しいのかもしれません。
大字を大字名に一箇所訂正しました。
中川原を下川原に訂正しました。