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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[99312]2020年3月29日
hmt

[99312] 2020年 3月 29日(日)17:57:36hmt さん
1854年 御台場を舞台としてペリー艦隊と戦ったら?
高輪ゲートウェイ駅が暫定開業(2020/3/14)したと思ったら、今度はコロナウイルス感染症対策で東京封鎖の動き。

慌ただしい動きを示す首都の「玄関口」ですが、170年近く前の「御台場築造」も、東海道封鎖を伴う大工事でした。

ことの起こりは、ペリーが率いて嘉永6年(1853)浦賀に来航した艦隊による アメリカからの開国要求でした。

江戸幕府は、どのように対処したのか?
とりあえずは、通商条約を拒否。
しかし、アヘン戦争の二の舞だけは回避しなければならない。そこで、日米和親条約を締結[91104]

「品川台場」[80264]を築造し、急拵えながらも、翌年には数を増して再来航し 江戸湾に入った米国艦隊に対し、辛くも日本の「海防体制」を示すことができました。
1854年の日米和親条約締結については [77711]に記しましたが、条約調印の場所に 江戸から少し離れた横浜が選ばれた背景には、品川台場の威嚇効果も多少は寄与していたのかもしれません。

最近 NHK 歴史探偵で「黒船来航」と題して、品川台場を舞台とする「黒船迎撃作戦シミュレーション」が放送されました。
もちろん、現実には 日米和親条約で妥結した外交交渉により、結果的には避けることができた決戦でした。
しかし、御台場からの集中砲火能力、アメリカ側のボート・ホイッツル砲の活用、ペリーの再訪が予定より早くて御台

場築造工事が間に合わず 3砲台では負けてしまうという結果、日本側が用意できる多数の小舟、武士の気概と戦闘能力、日米問題に留まらず ロシア・イギリスなど他国が動く可能性など、多方面の視点からの言及があり、なかなか興味深い番組でした。
…と、一応はシミュレーションを褒めておきます。

しかし、番組で取り上げていなかった重要な因子として、アメリカの国内事情があります。

ペリーは日本に対して通商を求める 第13代大統領フィルモアの国書を持参しました。
しかし、「これを日本に拒否された場合、直ちに開戦に直結させる権限」など与えられていません。
日米戦争に発展する可能性など、全くなかったのではないでしょうか。

これを言い出すと、番組の主軸である「黒船迎撃作戦」が成り立ちませんが、テレビの娯楽番組なんて こんなもの なのでしょうか。

参考までに、ペリーの持参した国書【翻訳文】を発行したフィルモア大統領の任期は、ペリー来航より前に切れて、第14代ピアース大統領に引き継がれています。第15代ブキャナン大統領を経て、第16代大統領がご存知・リンカーン大統領です。

通信技術が発達していなかった時代というだけでなく、南北戦争前で米国内の対立も存在した時代です。
そもそも、捕鯨船への物資補給を頼るために 日本開国を求めたアメリカ。
兵站のことだけを考えても、太平洋を隔てた遠い日本との戦争など、アメリカが考えるはずはなかったのでした。

1854年の騒ぎから4年後、ハリスとの交渉により通商条約も調印。もちろん、
阿片の輸入厳禁たり
という一文が、罰金額と共に第二則の末尾に記されていたのでした。出典

幸い実戦に使わずに済んだ御台場ですが、今回の記事を記すための調査により、江戸の守りは品川台場でというページを知り、参考になりました。


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