[74234]山野さん
どちらが真実なのだろうか。
「法定協議会」という表現は、合併ウォッチャーにとっては紛らわしいものですが、法定協議会とは、「法律の規定に基づく協議会」なので、何も合併協議会に限ったことではないのです。
2月16日付の記事をよく読んでもらえれば分かりますが、ここには合併のがの字も入っていませんし、最後の段落には「広範囲の行政の分野について連絡調整機能の強化を狙った法定協の設立」という記述もあります。
また、これまでの「任意団体」(任意合併協議会ではない)も1962年度に発足し、
2市1町で図書館の広域利用などを推進。2008年度からは連携強化へ、各首長が定期的に懇談し、電気自動車普及やレジ袋削減などの「湘南エコウエーブ」プロジェクトに取り組んできた。
とあるので、合併を目的に、「何時の間にか任意協を設置」したものではないというわけです。
さらに、
法定協への衣替えにより、国や県からの権限移譲も受けられる。パスポートセンターの開設計画はその一つ。
とありますが、合併協議会がパスポートセンターを開設するはずがなく、合併協議会が国や県から権限移譲を受けるということもありません。
ただ、こうした市町村の共同の取り組みは、合併の前段階ではないかと考えても不思議ではないわけですが、
2月26日付の記事は、茅ケ崎市が「合併を視野に入れて事務事業を統合するための調整を行おうとしているものではない」との見解を示したものです。
というわけで、両方の記事とも「真実」ということになります。
私も似たような誤解をしたことがあります。
今月23日に「姶良市」が誕生する一方、地域性が似通ったところで、2度にわたる合併協議が破談となった大河原・柴田・村田3町の合併構想は、私が合併ウォッチャーになるきっかけとなった、1992年の朝日新聞の記事(
[17863]般若堂そんぴんさん)に掲載されていたものですが、当時、3町では病院運営などを目的とした「共同推進協議会」が設立されました。
合併構想について、柴田町に問い合わせた時、担当者がこのことを指して、「協議会のことですか」というので、合併協議会が設立されたものと思い、「協議会が設立されたんですか」と返したのです。
しかし、1年近く経って再度問い合わせた時、真相が分かったというわけです。
【1】加筆
【2】「カナロコ」「毎日新聞」を日付に修正