[82001] オーナー グリグリさん
国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替ページにリストアップした2005年から2010年の人口異動を伴う境界変更の一覧は、差引異動人口から割り出していますので、差引0の人口異動を伴う境界変更が隠れている可能性があります。[81921]に書いたように平成26年6月に刊行予定の平成22年国勢調査最終報告書を見れば正確なところが明らかになります。
[81966]にて
一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。
と書きましたが、先ほど改めて『平成22年 国勢調査報告 第二巻 人口等基本集計結果 その2 都道府県・市区町村編』の方を閲覧したところ、市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)が載っておりました。人口異動を伴う境界変更は以下の通りですが、市区町村変遷情報掲載の日時と異なる日時が一部挙げられていました(【追記】仙台市泉区ではなくて仙台市宮城野区です【←と思ったら、『境界変更一覧』の方では多賀城市の一部(28人)を仙台市泉区に編入となっていますね・・・2010年と2005年の国勢調査人口を比較すると、2005年の宮城野区の人口で組み換えによる増加があるようなので、下の表では宮城野区の方を採用していますが、これも再チェックが必要かも知れません】)。
年月日 | 異動地域 | 異動人口 | コード | 市町村名 | 平成17年人口 | 組替人口 | 異動人口 |
2006.7.1 | 02201 to 02361 | 122 | 02201 | 青森市 | 311,508 | 311,386 | -122 |
| | | 02361 | 南津軽郡藤崎町 | 16,495 | 16,617 | 122 |
2009.4.1. | 04209 to 04102 | 28 | 04209 | 多賀城市 | 62,745 | 62,717 | -28 |
| | | 04102 | 仙台市宮城野区 | 182,678 | 182,706 | 28 |
2010.3.1 | 10205 to 11218 | 139 | 10205 | 太田市 | 213,299 | 213,160 | -139 |
| | | 11218+11405+11406+11407 | 深谷市 | 146,461 | 146,600 | 139 |
2007.12.1 | 14209 to 13209 | 10 | 14209+14421+14422+14423+14424 | 相模原市 | 701,630 | 701,620 | -10 |
| | | 13209 | 町田市 | 405,534 | 405,544 | 10 |
2006.4.1 | 24461 to 24203 | 57 | 24461 | 度会郡玉城町 | 14,888 | 14,831 | -57 |
| | | 24203+24462+24463+24468 | 伊勢市 | 134,973 | 135,030 | 57 |
2007.1.1 | 27208 to 27202 | 174 | 27208 | 貝塚市 | 90,314 | 90,267 | -47 |
2007.8.1 | 27202 to 27208 | 127 | 27202 | 岸和田市 | 201,000 | 201,047 | 47 |
2006.6.1 | 27231 to 27214 | 97 | 27231 | 大阪狭山市 | 58,208 | 58,111 | -97 |
| | | 27214 | 富田林市 | 123,837 | 123,934 | 97 |
上九一色村については「市区町村の変更情報」として別項目で扱われ、「分村:梯・古関」が甲府市に編入、「分村:富士ケ峰・本栖・精進」が南都留郡富士河口湖町に編入と記載されておりました。
以上より、
[81975]で入力した人口情報の内貝塚市・岸和田市については、相互の異動を考慮して計算する場合には再計算が必要となりますが、人口の異動の差だけで計算するか、相互の異動を考慮するかで平成12年以前の推計人口に最大で13人(昭和25年)の差が生じます。
なお
[81968]で
(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)
と書きましたが、よくよく見ると特別区部に関しては大正9年まで按分データが遡れていることに気付きました。1980年10月1日以降の特別区部内の人口の異動を伴う境域変更は、多分1982年11月5日付で境界未定地域(1980年に37人)が江東区4人(362,270→362,274)、港区33人(201,257→201,290)に分割されたくらいです。そうなってくると、1970年~1980年の特別区部内の境界未定地域の人口(1970年:38人、1975年:125人、1980年:37人)をどう扱うかさえコンセンサスが得られれば、特別区部に限り区の人口に分割することも可能となるでしょう。
政令指定都市では、京都市、大阪市、名古屋市、北九州市なども大正9年まで区のデータが揃っていますが、まあ他の政令都市は分割による区の増加などにより、区別の人口データが対応できていないようです。
【追記】上記1970年~1980年の東京特別区部内の境界未定地域の人口は、1980年10月1日現在の境界未定地域に関する人口のようです。実際の1970年国勢調査における境界未定地域の人口は763人、1975年国勢調査における境界未定地域の人口は332人です。1979年4月25日にこの332人分は全て品川区所属となりますが、1979年10月1日付で旧江東区の一部が新たに境界未定地域(125人: 335,382→335,257)となり、これが1980年国勢調査の37人分に相当する地域です。よって境界未定地域の人口を以下のように港区と江東区で分割すれば解決です。
区 | 昭45 | 昭50 | 昭55 |
境界未定地域(昭和55年10月1日境域) | 38 | 125 | 37 |
港区分 | 34 | 111 | 33 |
江東区分 | 4 | 14 | 4 |
港区(昭和55年10月1日境域) | 223,978 | 209,492 | 201,257 |
江東区(昭和55年10月1日境域) | 355,835 | 355,257 | 362,270 |
港区(按分後) | 224,012 | 209,603 | 201,290 |
江東区(按分後) | 355,839 | 355,271 | 362,274 |
【貝塚市と岸和田市の人口推計については稿を改めます】