大阪府では大阪市内を除く区域が「旧7郡」で区分されています。おおむね鉄道の勢力圏と重なることもあって、今でも府民の間で広く使われています。
ただし、堺市が和泉国からかなり河内国にはみ出してはいるのですが、政令指定都市になって「大阪府下」から離脱したこともあって扱いが曖昧になっているようです。
[83018]グリグリさん
ややこしいのは、市町村の制度が始まる前に郡名と同じ名前に改称された城下町が存在することです。
秋田と大分は、それぞれ江戸時代には久保田と府内という町でした。明治初期に藩の名前が城下町の名前と同じになるように決められた(その意味で加賀藩・長州藩などは正式名称ではない)ため、同名回避などのために多くの藩名=城下町の名称が変更されています。
廃藩置県はそれより後のことなので、秋田県と大分県は県庁所在地の都市名と郡名が同じであるものの、実質的には郡名が県名の由来であると言えるでしょう。
伊那市も悩ましいところです。前身の一つに伊那村が明治7年から存在するのですが、もっと前から伊那と俗称される集落があったことに由来するのか、それとも郡名から後付けで命名されたのかは何とも言えません。