今回の第64回十番勝負では誤答数が10と近年では飛び抜けて少ない回となりました。私自身も開催中から感じてはいましたが、ここまで少なくなるとは驚きました。私自身も今回は誤答をしなかったのですが、これは最近の開催回では解答を焦ったりして誤答を出していたので、今回は焦らずに共通項がキチンと特定できてから解答する事を心掛けたからだと思います。
誤答が少ないことは
[108595] デスクトップ鉄 さんが第64回十番勝負難易度分析の中で
今回の誤答は問四6、問五2の計8個。第58回から63回まで回別誤答率は12%前後で推移していましたが、今回は一挙に1/5の2.4%と過去最低になりました。
とハッキリとした数字で示されているわけですが、これほど大きな変化が生じた理由がどこにあるのかを少し考察してみました。すでに
[108598] メークイン さんが「十番勝負の傾向の変化」ということで、要因を考察されていますが(出遅れちゃいました)、私なりの視点で過去の誤答の要因に注目して調べてみました。
[108578] グリグリさんは
想定解数に余裕があったのが一因でしょうか。加えて共通項の特徴(境界線が明確とか納得性とか)、問題市・非該当市の特徴など、別要因もあるのかなとは思いますが。
と仰っておられ、そういう要因はあるのかなと思います。一方で、
[108595]デスクトップ鉄さんの仰るとおり「想定解数に余裕があったのは、第58回から第62回も同じ」なので、想定解数以外の要素が大きいように思います。
そこで第58回から第62回までの5回について、自分の出した誤答も含めて、各回の誤答の要因を振り返ってみました。
第58回(2021.9月) 誤答数 45 正答率 0.898 参加者 43名
私自身の誤答は2問で、共通項を詰め切れないままの解答でした。参加3回目ということで、初心者にありがちな誤答をしていたように思います。すこし少なめの想定解数に焦った面もありました。この回の誤答の特長としては売り切れが2問あったこともあり、新規参加者の終了間際での誤答が目立ったように思います。誤答が多かった参加者は6問誤答と4問誤答が1名ずつでした。
第59回(2022.1月) 誤答数 77 正答率 0.853 参加者 49名
この回から誤答数が一気に多くなった印象がありますが、新規参加者も急増していた時期でもあります。9問誤答が1名、5問誤答が3名、4問誤答4名と特定の参加者での誤答が全体数を押し上げた印象です。これらがなければ誤答数は41と前回並でした。私自身は誤答をしないという目標を持って想定解をしっかり確定させてから解答したので誤答なしだったのですが、別解との判断が難しい問が3つ程あったので、メダル狙いでの誤答が発生していたように見受けられます。副題リンクやヒントの解釈間違いという要因もありそうです。
第60回(2022.5月) 誤答数 87 正答率 0.851 参加者 51名
誤答数は前回よりも更に増えて87になりましたが、今回も新規参加者での誤答が目立ち、20問誤答1名、6問誤答2名、4問誤答1名と参加回数の少ない参加者で多数の誤答が発生していました。また、初日に別解との誤解による誤答がいくつかの問で連鎖的に発生しました。私自身も問二で、メダルの可能性で勝負をしにいって勇み足となり、後続の回答者の連鎖誤答発生の一因を作ってしまいました。
第61回(2022.9月) 誤答数 69 正答率 0.854 参加者 44名
新規参加のピークは過ぎて参加者数も落ち着いてきましたが、特定の新しい参加者による誤答の発生は引き続き多く見られます。14問誤答1名、9問1名、8問1名、4問3名と、誤答69のうち43が集中していました。売り切れが1問あったので、そのことも影響はしているとは思いますが、やはり新しい参加者のチャレンジが誤答を生んだ印象があります。これは仕方のない事だと思います。私も別解との誤解で1問誤答しましたが、全体としては紛れの少ない問題が多かったように思います。
第62回(2023.1月) 誤答数 58 正答率 0.870 参加者 41名
新規参加は落ち着き、継続して参加する者は経験値も上がって誤答は減ってきました。特定の誤答者は8問誤答1名、5問誤答1名、4問誤答2名ですが、4問誤答にはベテランも混じっていることから、この回についてはそれ以外の要因があると考えられます。特に問五と問六は別解との誤解による誤答が初日に大量発生しており、それらが誤答数を押し上げた言えます。問五は中央構造線を連想させられた問題、問六は高速道路や新幹線をイメージさせられた問題で、初回採点前に誤答が連鎖的に発生したものです。私もこの2問では、他の方の解答が次々出るので乗っかった結果、誤答をしてしまいました。想定解数は十分あったので慌てる必要はなかったのですが。
以上のように第58回~62回で見ると誤答の変動要素として一番大きいのは新規参加者の増加だと考えられます。特に市盗りを意識せずに純粋に完投を目指してチャレンジした新規参加者が大量の誤答を出しており、特に新規参加を増やす事を考えていた時期でもありますので、その影響が出た結果ともいえます。第62回の頃には、それも落ち着いて徐々に通常レベルに戻ってきています。
それらの要因をノイズとして考えれば、誤答が多く発生している問題は、同じような問題市から連想できる別解が存在し、それらとの判別が難しい状態で発生している事が多いといえます。これらの要因は、特に第1回の採点前に多く発生していることからも勝負をしにいった結果と考えられ、参加回数の多い古参のメンバーに多く見られます。ある意味、これは出題者の策にはまった誤答といえると思います。
逆に想定解数の少ない問題では、残り解数が少なくなってからの経験の浅い参加者の誤答が目立ちました。売り切れ目前となって、完答を目指して勝負せざるを得なかったからと思われる誤答が多く見られました。これらについては、想定解数に余裕があれば減りますが、新規参加者にとっては残り解数に関係なく残りの日数が少なくなると焦りからか誤答が増える傾向があります。まあ、これは仕方がないと思います。
それらを踏まえて今回は問題をみた時に、一番大きかったのは別解との判別がつきにくい問題が少なかったからではないかと思われます。そのためメダル争いでの誤答が少なく、早々にメダルが売れてしまった(であろう)事から無理な勝負は避けて確実に解答する者が多かったのではないかと推測します。逆に問五については、色々な要因から難易度が高くなり、紛らわしい別解もなかったことから、まったく解答が出てこず、その事により解答者がより慎重になったのではないかと思われます。
また、新たな新規参加者が減り、残られている方も要領がわかって誤答が激減したのも一因と思われます。ただ、これだけ誤答が少ないのは、問題や新規参加だけの要因ではなく、参加者全体の意識の問題があると思います。私自身、そこまでランキングは意識していませんが、ほとんど誤答が出ていないので、間違えられないような雰囲気は感じなから解答はしておりました。元々、市盗りでのダメージを避けるために極力誤答はしないように注意していますが、今回はいつも以上に誤答ができないようなプレッシャーを感じておりました。他の参加者の皆さんはどうだったんでしょうか。私はいつもより慎重に解答していたように思います。
ところで、誤答が少なかったのが今回の大きな特徴ではありますが、このことは良い事なのでしょうか悪い事なのでしょうか。解答者側から見ると、明らかによいことなのですが、全体としてみたらどうなのでしょうか。当てずっぽうのような解答がなかったのは良い事だと言えると思いますが、問題が単純だったのであれば、それは良い事とは言えなくなります。ただ、私の個人的な感想でいえば(問五を別にすれば)想定解はすべて納得できるものであり、わかったときにスッキリする良問だったと感じていますし、問題自体が易しかった訳ではないので、誤答が少なかったのはどちらかといえば良いことではないかと思います。
また、一時は急増した新規参加者も落ち着いて、残る人は残り去る人は去れば適度な新陳代謝が起こって、それで良いのかなと思います。今回調べた5回の参加者や誤答数の増減を見るにつけ、無理に新規を増やさなくても自然体でいいように感じました。興味があって自然と集まってきた新規参加者の人が、次からも続けて参加しようと思えるような工夫があれば良いのではないかと思います。二極分化するのはある程度は仕方ないと思いますので、グリグリさんには、これからも上級者と初級者の両方が興味が削がれないような問題作りを続けていっていただければありがいたいな感じました。