この辺は一応私の専門分野(?)なので……。
[71770]hmtさん
その中に、洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟県)、島原半島(長崎県)が日本国内で初めて入っています。
この3ヶ所は、昨年日本ジオパーク委員会が設立され、世界ジオパークネットワークに加盟できる体制がようやく整ったことからその日本第1号として申請されており、このたび晴れて認定されたというわけですね。日本は全地球的に見てきわめて特徴的な地質構造を持った地域で、地質学的に重要なフィールドが多数あるため、今後その数は増えていくものと思われます。
しかし、ジオパークの定義として、単に学術的に貴重かどうかだけではなく、組織立てて運営や保護管理を徹底したり、教育・普及活動を行う場所ともするなどの社会的条件も課されており、日本においてはこれまで地質学が社会的に大きく認められるような地位を占めていたとは言えず、そのためには今後一般市民に対して地質学をより身近なものとしてとらえてもらう取り組みも必要と考えられます。
近年ではそのような取り組みの1つとして
日本の地質百選の選定が挙げられます(百選と言いつつ120箇所もありますが……)。この地質百選には地震や火山活動に起因するものも多く含まれ、日本は地震・火山大国であることを改めて認識させられます。
[71774]笠津前浜さん
地質は遺産ではなかろうに、と思うのです。
日本地質学会webサイトの
ジオパークについての解説文そのものに「地質遺産」という用語が堂々と使われています。おそらく「世界自然遺産」のようなイメージで使っているんでしょうね。そもそも現世の露頭に現れている地質構造(堆積構造や断層・褶曲など)は過去の地球が当時の活動の「遺産」として残していったものですから、私はこの表現に特に違和感は覚えませんでした。