[82781] グリグリさん
私も竹崎島を色々調べてみたのですが、SHIMADASにも日本島図鑑にも竹崎島の記載がないのが不思議でした。
[82777]でご紹介いただいた『日本の島全図 Shima:zu』を入手し、さっそく有明海を見ました。
75万分の1 西九州拡大図(No.40)。対馬から五島・天草・屋久島まで、外側の海域には多数の島がありますが、有明海には極めて島が少ないことを認識しました。
有明海で何よりも目立ったのが 広大な干潟です。ウオッちずに描かれている干潟界と同じですが、このような小縮尺図で概観することができたのは、海をテーマにした地図ならでは。貴重な資料でした。
後回しになりましたが、有明海西岸に突き出た竹崎の姿も確認できました。省略描写では 島でなく「半島」に見え、もちろん掲載島名一覧にも入っていません。参考までに佐賀県の掲載は、東松浦半島周辺の有人8島を含む10島で、すべて壱岐水道側でした。
シマーズには、“本図の掲載島は、原則として『SHIMADAS』(現在改訂中)の収録基準に準拠”とありました。
日本の4大島+沖縄本島を「本土」とし、それを除く陸地を「島」とし、本土架橋陸地を含む。
掲載基準は先ず有人島。それ以外は日本を語る上で大切と思われる島。択捉島は後者です。
[82777]によると、合計1021島。
問題の竹崎は 有人という点では問題がなく、不採用の原因は、本土と極めて接近した地理的条件と思われます。
潮位の差が6mもある場所なので、撮影時の潮位が問題になるとは思いますが、
[82776]の末行でリンクされた航空写真から
最大限に拡大した付け根の部分。
本土側から伸びた柄の先端に 10mほどの橋が見えますが、橋の下には植物が生えているようで、水面は確認できず。
昔あった細い水路も堆積物から生えた草に覆われ、半島化しているのではないかと疑われます。
「竹崎島」という言葉を使ったページ は、太良町HPの中にも存在するのですが、概ね歴史的記述に関連するものであり、現在の竹崎地区を呼ぶ「公式地名」ではないようです。
従って、「竹崎島」は役場の作る 地名調書
[56419] に記載されることなく、地形図にも現れない。
現地が「島」扱いをしていないから、日本離島センターも「離島」として掲載せず。
このような理解でいかがでしょうか。
航空写真をよく眺めてみると、島の西側一帯の本土との間の海面の色が明らかに違っており、どうやら干拓地のようです。
Googleの航空写真でも田古里川の河口付近から竹崎島西端への間に堤防が見え、
ウオッちず を見ると堤防であることが一層明らかになります。しかし、太良町HP内を検索した結果、干拓工事は行なわれていないようでした。
竹崎に作られたものは、干拓の為の締切堤防ではなく、
道越漁港竹崎西側防波堤 であると思われます。
この付近での干拓工事というと、近年では諫早湾が有名ですが、佐賀県では有明海の奥、白石付近で大規模な干拓が、ずっと前から行なわれたようですね。九州農政局による
有明海の干拓 をリンクしておきます。