[97623] 白桃さん
ともかく、今年の白石川堤一目千本桜の観桜は、花見酒プラス雪見酒になってしまい、大反省の白桃です。
先週末金曜日から日曜日まで所用で岩手へ行きました。行く途中、はじめて一目千本桜を堪能させていただきました。船岡城址公園からの眺望、白石川堤防沿いの重厚な桜並木、ちょうど満開で天気も良く、素晴らしいの一言です。柴田町の千桜橋周辺は良く整備されていて気持ちが良かったです。また、大河原町の韮神堰から眺める雪化粧の蔵王連峰は、川面の逆さ蔵王と千本桜が絶妙でした。もっとメジャーな観光地になってもいいのにと思いましたが、帰りの駐車場で、地元の方と思われる若い男性が、私の車のナンバーを見て「おっ、千葉!、千葉でも有名なのかな?」と思わずつぶやいていたのが印象的でした。
翌日、松川浦を案内して頂いた、とある方は、震災がもたらした景観の変化、いや、破壊に驚かれていました。そう言えば松川浦の惨状については、グリグリさんも何度か言及されていましたね。
岩手からの帰り、昨日、松川浦を再々訪しました。震災前の2010年8月に初めて訪問し(
[77886] )、2016年6月に再訪(
[90559])。今回が3回目です。前回はまだ松川浦大橋が通行止めでしたが、今回は松川浦大橋から松川浦の海岸線の道路が全て綺麗に整備されていました。
最新のGoogleMapでよくわかります。漁港周辺も広々と綺麗になり、2010年に訪れた際に犬と一緒にボディボードを楽しむ女性がいた砂浜も以前と同じように復活していました。とても綺麗に美しくなったのですが、漁港の漁船にしても、周辺の雰囲気にしても、どことなく寂しげな感じがしたのは気のせいでもなさそうです。
松川浦の中州には仮橋(?)が架けられ、中州とその周辺には、砂防林用と思われる膨大な数の幼松が、竹の柵に囲われて育成されていました。常磐道に戻る途中で立ち寄ったビストロの店主は、津波に家を流されたとのことで、まだ、4回しか流された跡を見に行っていないと言われていました。思い出したくない、見たくないという想いが未だにどうしても拭えない様子でした。それでも、いろんな方が被災地に来てくれる、気にかけてくれるのはとても嬉しいと言われていました(カウンターに嵐の相葉くんと一緒に撮った店主夫妻の写真が飾ってありました)。
土曜日にははじめて気仙沼を訪問しました。大島とのあいだに気仙沼大橋が架かり(4月7日開通)、大島との行き来が格段に改善されました(国道45号との取り付け部分はまだ工事中)。大島は観光地としてもとても良いところでした。南端の龍舞崎と亀山展望台に登りましたが、どちらも絶景で、とくに亀山展望台からの360度の眺望はどちらを向いても素晴らしいの一言です。遠く、雄鹿半島と金華山を見渡し、気仙沼の街並みの背後にそびえる室根山の優雅(?)な姿を眺め、気仙沼大橋をくぐり抜け大島と唐桑半島に囲まれた水道を航跡を引きながら白い漁船が進んでいく様は、一編の詩のようでなんとも言えず風情がありました。ただ、津波とそれに続く大規模火災の影響で、松を中心として数多くの樹木が枯れたり倒れたりしており、そこには災害の爪痕がくっきりと残っています。
行き帰りに通った常磐道には、放射能汚染地区に入ると放射能濃度の表示板がありますが、最も高いところでは2.6μシーベルトが計測されていました。第一原発の現状は遅々として進んでいませんし、将来展望も未知数の部分が数多く残っています。道路周辺には、黒いシートで包まれ積み上げられた汚染土の集積地が数多く見られます。桜は満開になっていても、住民の姿は全く見られません。当サイトの人口データで0人と表示される7町村の復興はまだ始まってもいないという印象です。
もう一つ、芸能人著名人の地道な復興支援活動は報道でもたびたび取り上げられるところですが、今回、気仙沼で渡辺謙さんが「何かしなければ」とクリエイターの小山薫堂さんらの仲間と立ち上げた
K-portカフェに立ち寄りました。なんとそこでご本人にお会いしました。たまたまイベントで当日いらっしゃっていたようです。仲間と打ち合わせをしたり、お客さんに水のサービスをしたり、厨房で皿洗いをしたりと1日中働いていらっしゃいましたが、誠実そうな人柄が伺えました。映画などで拝見する雰囲気そのままでしたが、気さくにお話しもさせていただきました(私の本名をネタに)。料理や飲み物もとても美味しくて、気仙沼に行かれる際は、立ち寄り先として間違いなくお奨めします。