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切手カレンダーの消印探索は面白いと思います。(中略)消印の世界もいろいろネタがあります。鉄道郵便印とか。。。
ということでまずはこちらの
昭和43年10月のカレンダーをご覧ください。
10月2日の10円桜切手に押されている消印の局名欄をみてください。「大阪中央高等裁判所内」と書かれています。大阪中央局高等裁判所内分室という大阪中央郵便局の分室で押印されたもので、局名欄の文字数が10文字というのはなかなかお目にかかりません。
次に、10月11日の15円菊切手に押されている消印を見てください。丸い形の印を上から順番に拾って先に説明します。
門司鹿児島間 | 門司と鹿児島の間で運行されている鉄道郵便車両を示す | A欄 |
西回 | 鹿児島本線経由を表し「東回」の鹿児島本線・日豊本線経由と区別するため | D欄 |
43.10.11 | 昭和43年10月11日(通常の消印と同じ) | B欄 |
上?門熊 | 列車の上り下りと便数(?はおそらく"一")、郵便局員の乗務区間として門司熊本間を表す | C欄 |
この消印は鉄道郵便印(略して鉄郵印)というもので、1984年に廃止されるまで主に国鉄の鉄道郵便車両内で押されたものです。駅前や駅構内にあるポストに投函され鉄道郵便車両に持ちこまれるものが基本ですが、郵便が少しでも早く送達されるように大手の会社がDMなどを鉄道郵便車両にまとめて持ち込んだり、また、切手収集家が押印を希望して直接持ち込むこともあったようです。
上の表の右端にある"A欄"などの表示は、丸い形の消印の各区画を示すもので、この消印の場合"西回"が入ったD欄も使用していますが、通常はこの部分は使用せず、反対側(E欄)と同じように丸い櫛の模様が入ります。このような形の消印を櫛形印と呼びます。原型は
明治時代に始まり昭和61年頃まで長い間親しまれてきた消印になります。切手カレンダーで見られる消印も大半がこの櫛形印になります。
このような消印は切手カレンダーのところどころで散見できますので興味のある方は探してみてください。