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鳴子こけしさんの記事が1件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[93647]2017年9月2日
鳴子こけし

[93647] 2017年 9月 2日(土)00:59:26鳴子こけし さん
「ふた文字の1音地名」(仮称)
[93637]特急とりあたまさん
「ふた文字の1音地名」(仮称)
「国府」「由宇」等の発音上1音節の地名、果たしてそれらを「1音」と呼んでいいものか疑問です。
日本語に対して使われる「音(おん)」という単位は、俳句の五七五に見るように「拍(モーラ)」の数であると考えられます。これは既存の地名コレクション『一音地名』に「しょ」が集録されている所からも伺えますね。
拍(モーラ)を数える場合には原則1文字1モーラ、例外は拗音のみで長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)も1モーラとして扱われます。なので「こー」も「ゆー」も2音。
このような長音を直前の音と一体として考える場合、「音節(シラブル)」という考え方が出てきます。単体の母音か母音と子音1つずつの組み合わせ、或いは2つの子音に挟まれた1つの母音をひとまとまりとして数える考え方です。この場合「こー」も「ゆー」も1つの子音と1つの母音(長母音)として扱われ、めでたく「1音節」ということになります。尤も、音節を採用した場合、例えば沖縄県金武町といった「“ん”で終わる2モーラ」も子音+母音+子音で1音節に含まれることになりますが、まあ蒐集対象を広く取れるということで一つ。

“頴娃問題”は厄介です。前述の「国府」「由宇」は正しく仮名で書けば「こう」「ゆう」です。これは現代仮名遣いではオ列の長音は
「オ列の仮名に「う」を添える。」
ことになっている所に依るのですが、エ列の長音に関しては
「エ列の仮名に「え」を添える。」
となっているものの、付記に
「次のような語は,エ列の長音として発音されるか,エイ,ケイなどのように発音されるかにかかわらず,エ列の仮名に「い」を添えて書く。(後略)」
とあり、現実的にはエ列に「え」を添える単語は「姉さん」くらいなもので、付記に例として上がっている「とけい」「かせいで」「れい」等、長音でも「い」を添える場合の方が圧倒的多数。
そもそも普段我々が「エ列+い」となる文字列を発音する時にどう発音しているでしょうか。同じ単語であっても、長母音「えー」となるか二重母音「えい」となるかは様々な要因によっても変わってきます。二重母音を1音節として認めるのであればこれは含めるものとして一応の解決を見ますが、そうすると今度は「甲斐」や「八尾」等のノイズが混じってくることにもなります。というか、そもそもこれらは二重母音でなく単なる母音接続であるとする論もあり、この問題は掘り下げると根が深そうです。

最後に、類例の1つとして、現代仮名遣いの原則から外れた「曽於」(鹿児島県曽於市)を挙げておきます。


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