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[92867]2017年5月23日
菊人形

[92867] 2017年 5月 23日(火)23:46:06菊人形 さん
三江線
お久しぶりです。菊人形です。

役場巡りではないのですが、先日来年3月末で廃止になるJR三江線を乗りに行きました。過去に乗ったことが無く、恐らく「最初で最後」の乗車になります。
廃止までまだ10ヶ月以上あるのですが、日曜日ということもあって、乗客は多く賑やかな車中でした。
「18きっぷ」が使える時期ではないからでしょうか、私を含めて乗客の皆さんの年齢層は高めでした。

以下に、少し長いですが、前後を含めた乗車記を。この先乗車をされる方の参考になればうれしいです。

■三次まで
朝の便で羽田から広島空港へ飛びました。広島空港から三次までの行き方候補は三通りありました。

1.広島空港-(バス)-広島駅-(芸備線)- 三次駅
2.広島空港-(バス)-福山駅-(福塩線)- 三次駅
3.広島空港-(バス)- 三次駅 

3が一番安く乗り換え無しで楽そうですが、1日三往復の運行で次のバスまで3時間近く待つことになるのでボツとしました。

残る二案ののうち、1は広島駅近辺で昼食後に、先日開通した可部線の延長区間(可部=あき亀山)を往復してから芸備線に乗り換えても、明るいうちに三次に到着できます。2の福塩線利用は距離は長くなりますが、運行本数が少なくて乗りにくそうです。なので可部線も芸備線も未乗でしたが、福山経由の2にすることにしました。

広島空港から連絡バスで1時間で福山へ。福山駅の「みどりの窓口」で乗車券を購入します。翌日は出雲空港から帰京するので、空港連絡バスが近くを通過するJR山陰本線の直江駅までを一筆書きルートの通しで購入しました(\5,080円)。
窓口のお姉さんに「三次と江津経由で出雲市の次の直江まで」と伝えたのですが、すぐには解ってくれませんでした。時刻表の地図を見ながら苦戦していたので、「三次からは三江線だよ」と伝えると、やっと解っくてれました。
福山から出雲市(直江)に向かうなら、普通だと一旦倉敷へ向かって伯備線経由にするでしょうね。その方が安くて早く着きますし。

福山から14時08分発の府中行きの2両連結のオレンジ色電車に乗車。ご存知の通り、福塩線は府中までは電化されていて、沿線には住宅が多く運行本数もそれなりにあります。小さい駅に停車しながら、40分程走って府中駅に着きました。

次の三次行きは15時05分発で、乗換え時間は15分ほど。飲み物とつまみを買おうと思い、一旦改札を出てみたのですが、駅前には商店が見当たりませんでした。仕方ないので自販機でお茶を1本補充してから、改札を抜けて目の前に停まっているキハ120単行の三次行きに乗り込みます。12時台に臨時列車があるのですが、この日は運休日だったので、朝8時から約7時間振りの下り列車です。
車内は全てロングーシート。席はほぼ埋まっていましたが、最後部の優先席座席に何とか座れました。府中発車時点では、帰宅する高校生など立ち客が出るほど混んでいました。

府中を出てすぐに登り勾配となり、周囲の景色が一変して山中に入ります。25Kmの徐行区間が何か所かあり、線路脇の木の枝に当たりながらゆっくり走ります。長いトンネルを抜けると備後三川駅。やや開けて田んぼが広がりました。上下で府中からの高校生が多数下車し、ようやく車内が落ち着きました。そして、三次市に入った梶田駅で府中から乗った最後の高校生が下車しました。

車内は空席が目立つようになり、終点の三次駅まではこのままのんびりムードで過ごせるかと思っていたのですが、すぐの吉舎駅のホームには、溢れんばかりの学生が待ってました。小さいキハ120が悲鳴を上げそうな約50名の高校生を乗せて発車します。吉舎から三次までの約30分は、高校生に囲まれながら賑やかに過ごしました。

この日は初めての三次泊まりです。まだ明るかったので、ホテルにチェックインし、荷物を置いてから街に出ました。まずは新しくなった三次市役所を訪問。続けて馬洗側を渡った三次宿の石畳通りを歩きます。昔の建物が並び、想像以上に良い街並みでした。

■三江線に乗車 (三次~石見川本)
今回の主目的である「三江線乗車」ですが、真っ先に決めたのはどの列車に乗るかです。ただし日中の時間帯で全線を乗り通すのであれば選択肢は限られ、三次駅発10時02分の石見川本行きに乗り、石見川本で1時間半休憩してから14時54分に江津着の列車にしました。

10時発なので、ホテルをチェックアウトする前に自転車を借りて、昨日同様に三次宿へ。近くの三江線で三次から一駅目の尾関山駅にも立ち寄りました。周囲には民家やアパートが立ち並ぶ住宅地で住人も多そうなのですが、日に数本しかない尾関山駅を使う方は少ないでしょうね。

9時半にホテルをチェックアウトして三次駅へ。10時02分発の石見川本行きに乗ります。この列車は朝5時38分に江津を出た列車の折り返しです。新しい三次駅舎内にはコンビニがあるので、食料や飲み物を仕入れ可能ですが、小さい店なのでお買い物はお早めにどうぞ。

車両はキハ120の2両編成。内部は昨日のキハ120と違って、一部がボックスシートになっています。1両目はノーマル塗装車で2両目はラッピング車両「三江線神楽号」です。ノーマル塗装車の方が空いていたので、ロングシートの運転手後ろ席をキープしました。ワンマンカーなので、後方の2両目は三次駅を出ると終点の石見川本までドアが開かないとのこと。でもこの日は切符販売と車内案内をする補助員さん(?)が1名乗務していました。

芸備線からの乗り換え客を迎えて、定刻に三次駅を出発。皆さんがちょうど着席できるくらいの乗車率です。最初の停車駅の尾関山で何とおばさん3名が下車。日常的に使っているのかは不明ですが、下車する人がいてびっくり。尾関山をトンネルで抜けると、一気にローカルムードになります。福塩線同様に、徐行区間も多々あり、木の枝に当たりながらゆっくりと山中を走ります。

尾関山の次に下車客があったのが、1時間ほど走った口羽駅。おばさん一人が下車。ここからは三江線でも最後に開通した区間で、直線とトンネルが多くなります。この区間の最高速度は85kmで、直線区間で何度か85Kmをマークしました。このスピードでトンネルに入る瞬間は怖かったです。ただし、徐行区間もありましたけど。
次の伊賀和志駅のホーム上にたくさんの人が。「乗ってきたら混んで大変だな~」と思ったのですが、どうやらハイキング中だったようで、たまたま通ったこの列車を待っていたようです。

次は「地上から高いところにある駅」として有名な宇都井駅。ここのホーム上にもにも多くの人がいて、ここから二十名程が乗って来ました。皆さん立派なカメラを持ち、「クラブツーリズム」のバッチを付けていたので、ツアーのようです。このグループは石見川本駅まで1時間ほど乗車しました。後からWEBで確認すると、「ローカル線のある風景 三江線と鉄道遺構・広浜鉄道2日間』という東京発のツアーだったようです。石見川本駅で、ツアーのバスが待ってました。

浜原を出ると再び速度が落ちます。この列車は三次から石見川本まで列車交換が無く、各駅の停車時間は口羽と浜原駅の45秒を除いて全て30秒。なので、停車時間を利用してホームに降りて撮影することはできません。
列車は定刻に石見川本に到着。乗ってきた2両が1時間半後の江津行きとなるのですが、一旦全員下車してくださいとのこと。無人駅なので、運転手と補助員さんに切符の確認をしてもらって下車します。再びドアを開けるのは13時25分頃とのことでした。

■石見川本
駅舎をでるとすぐに鴨そばの販売。道路向かいに無料休憩所があったりして賑やかです。時間があったので、3年前に訪問済みでしたが近くの町役場に行って見ました。すると建物は残っているのですが、「庁舎は移転しました」の案内が。2016年1月から100mほど離れた元保健所を改修した庁舎に移転していました。この情報は知らなかったので、たまたま訪問できて良かったです。
石見川本駅周辺の飲食店は日曜で休業する所が多かったですが、私は旧庁舎近くのお好み焼き屋で昼食。近くにAコープ(スーパー)があるので、こちらで飲み物や弁当・お菓子など何でも調達可能です。
13時半頃に駅に戻ると、既に皆さんは座席確保済み。運転手後ろの席は取れず、2両目の「三江線神楽号」のロングシートを確保しました。発車を待つ間に川本町町長と観光案内所の方が乗ってきて、挨拶と沿線の見どころの紹介がありました。

■三江線に乗車 (石見川本~江津)
江津からのキハ120単行が到着してから発車。久しぶりに列車交換シーンが見られました。
13時45分に出発。ここからはAコープで仕入れた冷えた缶ビールを飲みながら車窓を楽しみました。
特に江津に近付くにつれて広くなる「江の川」はとても雄大でした。右側がお薦めです。

そう言えば途中で同じ軽自動車やバイクを何度も見掛けました。列車と同じ方向に走り、先回りして写真を撮っているようです。三江線が遅いので、何度も追い着かれました。この先も同じように撮影しながら列車と並走する方もいるでしょうが、くれぐれも事故には気を付けてください。
途中駅から地元のおじさん一人が乗車してきた以外は、石見川本発車時と同じメンバーで江津に着きます。江津本町駅付近で、先ほど見たクラブツーリズムのバスが停まっていて、ツアー客の皆さんが走行中のキハ120を撮影していました。
江津には定刻に到着。約100Kmを石見川本での休憩時間を含めて約5時間の旅は、ある意味贅沢な時間でした。
江津に着くと、この列車は折り返し15時15分発の三次行きになります。江津駅で下車しないで、再び三次まで4時間の旅をする方も結構いたようです。

■出雲空港へ
次に乗る特急までの時間に江津駅前に出たのですが、近くにお店がありません。駅に売店も無いので、江津から三江線に乗る場合は、江津では何も仕入れられない可能性があるので、江津に着く前に早めの調達をお薦めします。
私もアルコールの追加補充が出来ないままで、2両編成の「スーパーおき」で出雲市へ。三江線から乗り換えると、100Kmで走る特急がとても速く感じました。
出雲市で乗り換えてキハ40の普通列車で直江駅まで。直江は無人駅なので、女性運転手さんに「記念に切符が欲しい」と伝えると、丁寧に無効サインを書いて渡してくれました。
直江では、事前に調べておいたR9沿いの「餃子の王将」で締めの一人飲み。1時間ほどの過ごし、連絡バスで空港に向かいました。

■まとめ
まだ廃止まで10ヶ月ありますが、人出は多く賑わっていました。三江線は距離が長い上に本数が少なく乗車できる列車に限りがあるので、夏休みや冬休み期間中は相当混雑するのではないでしょうか。また北海道と違って、京阪神や九州から車で沿線に容易にアクセスできるので、「車」+「三江線乗車」という方もいるかと思います。「盛り上がって欲しい」というのもありますが、最後まで事故やトラブルが無いことを願うばかりです。


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