なんの脈絡もなくて恐縮ですが、平成の大合併により生まれの市町村が廃止された方もかなり増えただろうということで、現在も存命の方に限るなら、どのくらいの規模&過去の消滅市町村出身の方までいらっしゃるのか気になりました。ちょっと不謹慎なような気もしますが、お許しください。
※以下、「現在」には2020国勢調査を使用しています。また、即日改称及び法人格は無視して、市町村名のみを考えています。
たとえば消滅した市で考えてみると、赤間関市で生まれてまだご存命の方は、日本最高齢から考えても、残念ながらもういらっしゃらないと思います。一方、その他の市についてはおそらくまだいらっしゃるのではないかと思っています。まず各年齢ごとの現在人口のうち、当時の総人口における割合を出してみます。
(閉じる)当時の総人口における割合
現在の年齢 | 出生年※ | 現在人口(A) | 当時の総人口(B) | 割合[%](A)/(B)*100 |
0歳 | 2020 | 831824 | 126146099 | 0.659 |
5歳 | 2015 | 998664 | 127094745 | 0.786 |
10歳 | 2010 | 1057736 | 128057352 | 0.826 |
15歳 | 2005 | 1070370 | 127767994 | 0.838 |
20歳 | 2000 | 1177049 | 126925843 | 0.927 |
25歳 | 1995 | 1210380 | 125570246 | 0.964 |
30歳 | 1990 | 1234225 | 123611167 | 0.998 |
35歳 | 1985 | 1407719 | 121048923 | 1.163 |
40歳 | 1980 | 1558309 | 117060396 | 1.331 |
45歳 | 1975 | 1852394 | 111939643 | 1.655 |
50歳 | 1970 | 1837431 | 104665171 | 1.756 |
55歳 | 1965 | 1689290 | 99209137 | 1.703 |
60歳 | 1960 | 1469672 | 94301623 | 1.558 |
65歳 | 1955 | 1516441 | 90076594 | 1.684 |
70歳 | 1950 | 1886160 | 84114574 | 2.242 |
75歳 | 1945 | 1234832 | 71998104 | 1.715 |
80歳 | 1940 | 1206058 | 73114308 | 1.65 |
85歳 | 1935 | 893754 | 69254148 | 1.291 |
90歳 | 1930 | 493824 | 64450005 | 0.766 |
95歳 | 1925 | 169988 | 59736822 | 0.285 |
100歳 | 1920 | 32032 | 55963053 | 0.057 |
※出生年は正確には前年10/1~9/30
1930年~2015年の生まれの年代は割合が0.75%を超えています。2015年以降で、2年以内に消滅した自治体はおそらくなかった(強いて言うなら丹波篠山が当時まだ1年半)と思いますので、そのあたりは2年連結で考えるとして、今度は何人いれば0.75%の人が存在するのか、確率的に調べてみました。
(閉じる)1人存在するのに必要な人数
日数 | | 0.75% | 1% | 1.25% | 1.5% | 1.75% | 2% |
365 | 1年 | 133 | 100 | 80 | 67 | 57 | 50 |
182 | 半年 | 267 | 201 | 160 | 134 | 115 | 100 |
92 | 3か月 | 529 | 397 | 317 | 264 | 227 | 198 |
61 | 2か月 | 798 | 598 | 479 | 399 | 342 | 299 |
31 | 1か月 | 1570 | 1177 | 942 | 785 | 673 | 589 |
15 | 半月 | 3244 | 2433 | 1947 | 1622 | 1390 | 1217 |
5 | 5日 | 9733 | 7300 | 5840 | 4867 | 4171 | 3650 |
4 | 4日 | 12167 | 9125 | 7300 | 6083 | 5214 | 4563 |
3 | 3日 | 16222 | 12167 | 9733 | 8111 | 6952 | 6083 |
2 | 2日 | 24333 | 18250 | 14600 | 12167 | 10429 | 9125 |
1 | 1日 | 48667 | 36500 | 29200 | 24333 | 20857 | 18250 |
※本来は切り上げが正解ですが、四捨五入になっています。
これを見ると、市においては赤間関市の次に古い伏見市(1931廃止)も含めて、古いほうの制限では大丈夫そうに見えます。また日数においても、不安なのは4日間の宇島市(1955改称)くらいですが、こちらも上の表の1.5%・4日を見ると6000人強いればおそらく1人はいらっしゃるので、大丈夫だと思います。
まとめて考えると、0.75%・半年の267人を下回る自治体はそうはないので、1930以降において1年以上存続した自治体出身の人は2020現在もいらっしゃるということになります(1年存続すれば必ずいずれかの年で半年存続していたことになるため)。それ以前の自治体については、規模にもよりますしなんとも言い難いのですが、1920~ならまだあり得ますし、1910~とかでも大きい自治体ならもしかしたら可能性はあるかもといったところです。
最後に短命の町
[105229]についても見ていきます。町については0.75%・1か月の1570人以下といことは考えづらいので、1か月存続しなかった5町と、1年以内で1930以前の2町を合わせた計7町について考えてみます。
(閉じる)7町の推定現在人口
存続日数 | 都道府県 | 消滅時の郡&町名 | 町名誕生日 | 町名消滅日 | 当時の人口[人] | 領域 | 割合[%] | 推定現在人口[人] |
1 | 宮城県 | 栗原郡藤里町 | 19510401 | 19510402 | 約7500人 | 旧瀬峰町 | 2.102 | 0.43 |
9 | 新潟県 | 東蒲原郡鹿実谷町 | 19560101 | 19560110 | 約11000人 | 旧鹿瀬町 | 1.637 | 4.44 |
12 | 岡山県 | 和気郡英保町 | 19481020 | 19481101 | 約3400人 | 旧々吉永町 | 2.44 | 2.73 |
21 | 福島県 | 東白川郡塙笹原町 | 19550310 | 19550331 | 約12000人 | 塙町と笹原村 | 1.684 | 11.63 |
28 | 栃木県 | 下都賀郡国分寺小金井町 | 19540401 | 19540429 | 約10000人 | 旧国分寺町 | 1.679 | 12.88 |
122 | 宮崎県 | 児湯郡下穂北町 | 19240401 | 19240801 | 約9000人 | 旧妻町 | 0.206 | 6.2 |
251 | 福岡県 | 嘉穂郡熊田町 | 19240901 | 19250510 | 約16000人 | 旧山田市 | 0.285 | 31.36 |
当時の人口はYTさんのエクセルデータからの推定です。割合については計算方法は省きますが、そこまで正確には出していません。だいたい最初の表の近似です。推定現在人口は当時の人口*割合/100です。
これを見るに、人口の少ない村であっても、よほど前に消滅したもしくは日数が短い自治体でなければ1人くらいはいそうに思えます。藤里町については、存命かどうかというより、そもそもその日に生まれた方がいるかどうかが重要そうです。いずれにせよ生まれが上の7町の方はかなりレアだと思うので、ぜひ会ってみたいものです。