[27890] なお さん
※ところで自治体の設置に関する憲法or条例の改正はあったほうがよいと考えていますか?
ある程度の改正なら地方自治法の改正で対応できると思いますので、極端に政府の権限を委譲するのでなければ憲法に手を付けなくても構わないと思います。外国の中にはイタリアの憲法のように細かく地方自治についての記載がある場合がありますが、日本国憲法は詳細を法律や条令で其の時の事情で変更できるので良いと思います。
余談ですが旧憲法の「大日本帝国憲法」の条文76条(英訳による憲法では世界一短いといわれている日本国憲法より短いですね)で定められている政治組織は、天皇、帝国議会(貴族院と衆議院)、国務大臣、枢密顧問だけで、当時の時代背景では不思議ではありませんが、行政単位(自治体)に関する規定は一切ありませんでした。また日本国憲法制定に際しては、旧憲法第73条に則して行われたそうです。
[27893]Issie さん
第95条:特定の地方公共団体のみを対象とする法律制定の際の住民投票
行われた事が殆どない空文なので、この条文がある事を忘れてしまいますね。前例が結構あったように思いまして調べたところ、この条文による住民投票が行われたのが、1949年から1951年までに18例あったそうです。そのうち2つを結果とともに紹介すると
「広島平和記念都市建設法」昭和24年8月6日法律第219号
衆・参両院において満場一致で成立したのは1949年5月11日ですが、住民投票による賛同が必要とされた為の住民投票は1949年7月7日に行われ、投票率は65パーセントで
賛成 71852票
反対 6340票
と90パーセントを越える賛同を得たため8月6日の原爆記念日に公布されました。またこの法律は恒久平和の象徴として広島市が都市整備を行う際に、国からの補助率の引き上げや国有財産の譲与を認めるというものですが、その後一部が改正されたとはいえ現在でも有効で、最近でもこの法律を根拠に、2000年に被爆建物である旧日本銀行広島支店が広島市へ無償譲与されたそうです。
「長崎国際文化都市建設法」昭和24年8月9日法律第220号
これも内容は先の法律と同様な内容で、同じような経過をたどったのですが、長崎市の住民投票は同じく1949年7月7日で投票率は74パーセントで
賛成 72990票
反対 8654票
と、賛成多数で公布されました。
この2つの法律は核兵器による著しい破壊からの復興事業でネックになっていた国有財産処理法に対して特別処置が取れるように制定されたそうです。
ただ、その後は「小笠原諸島振興開発特別措置法」や「成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律」など、どう考えても特定の地方公共団体のみを対象とする法律であっても、憲法違反にならないように自治体を介さずに政府が行う事で違憲にならないように回避しているようです。今後、もしも道州制を導入するためにこの条文を利用して住民投票が行われる可能性があるかもしれませんが、現状ではかなり低いように思われます。
また、かつては戦時中に強制合併された市町村の分離も1948年から2年間だけ住民投票で決着できる法律があったそうで、実際に全国で33件が実施され、そのうち28件の分離が住民投票で決定になったようです。(個々のリストも欲しいところですが、どなたかアップして下さい。お願いします)
※私は,とりあえず第96条の「改正」に反対です。
最後になりましたが、私も同意見です。
*一部訂正