[91911] 伊豆之国さん
ただ、町村との兼ね合いから見ると、前に戻すのではなく、ここは「市名の誕生日」をメインとし、必要ならば「同一名称で新設合併」した期日を記載したほうが「素人」にもわかりやすいのではないかと思いますが。あくまで「法律上の(再)施行日」をメインにするのであれば、「最初の施行日」あるいは「市名誕生日」を併記すべきでしょう。
市区町村プロフィールの施行日欄に記載する「施行日」の議論ですが、このページは当サイトのもっとも初期のページのひとつであり、当初から施行日という欄を設けていました。しかしながら、新設合併による市制施行日にリセットという問題が提起され、落書き帳の初期の頃から何度も議論となりました。アーカイブ
市制施行日に明確な定義はあるか?などにその経緯がまとめられています。
過去の議論の中で私が結論付けたのは、実質的に市が生まれた日を統一的に定義するのは非常に難しいと言う点でした。一番分かりやすいのは富士市の例で、吉原市と旧富士市が新設合併した時点を市が生まれた日とするか、その前の吉原市が市制施行した日とするか、これは判断が分かれるところです。日光というブランド優先で旧日光市と今市市が新設合併して日光市が生まれたように、富士というブランドが優先されたと想像するのは難しくないです。こちらもアーカイブ
富士市の市制施行日はいつ? ~富士市の変遷史~に議論がまとめられています。
このような議論を経て、
[43070]で書いたように、施行日については、
市制施行日・市の誕生日・市名誕生日の3つの定義に区分することにしました。市区町村プロフィールの施行日については、3つの定義を明確にした後もあいまいなまま放置していましたが、
[90588]などに書いたように町村の施行日を記載するタイミングで「市制・町制・村制施行日」に統一した次第です。今後、市区町村プロフィールについても、3つの定義を生かせるような一覧表の作り方に変更していきたいと考えていますが、当面は現状の表記のままとしますのでご了承ください。
ところで、試作段階の市区町村の変遷ページ(
[90631]参照)では、市区町村施行日、市区町村の誕生日、市区町村名誕生日に加え、4つ目の定義として、名前誕生日を加えています。例えば、旭川市の名前誕生日は旭川町ができた1902年4月1日になります。
町村の場合は市よりももう少し複雑な例もあり、市と同じような3つ(4つ)の定義にきちんと収まるかどうかの見極めが必要と考えています。気になっているところとして、駒ヶ根市にいったん編入され再び分立した長野県の宮田村があります。村の誕生日は最初の宮田村発足時なのか分立時なのか、このような例は市にはありませんので改めて判断する必要があります。また、真狩別村として旧真狩村から分立し、その後、真狩村に改称した現在の真狩村の村名誕生日は分立時でよいと思いますが、名前誕生日は分立時か旧真狩村誕生時なのか、など悩ましい事例がいろいろ出てきそうです(旧真狩村はその後、留寿都村に改称)。
市区町村名誕生日と名前誕生日で問題になってきそうなのが、旧字の扱いです。蓮田市の改称については、敢えて、市名誕生日のリセットとはしていませんが、町村まで拡大すると旧字から新字への切り替えがあいまいなケースが多々あり、その辺りの扱いに悩まされそうです。市区町村の変遷ページでの扱いをまずは整理する必要があると考えています。
町村の場合は、やはり「その町村名の誕生日」にそろえ、名称を継承した旧町村が現在の町村の中心でないことが明白で、役場の所在地でもない場合(例:箱根町)などの特殊なケースは個別に対応を考慮すべきでしょうか。
ここまで考えるのは市町村の歴史を語る上で重要とは思いますが、データ的な捉え方からは困難であり、3つ(4つ)の定義を軸に整理して行きたいと考えています。