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[92746] 2017年 3月 19日(日)17:39:52【2】hmt さん
国立公園(3)国立公園・国定公園一覧表 1 南西諸島と九州
今朝のテレビで沖縄 慶良間の海が放送されていました。2014/3/5 国立公園指定。3月5日は 珊瑚(サンゴ)の日です。番組は 翌2015年制作で、その再放送でした。
新規の国立公園が指定されたのは 1987年の釧路湿原以来 27年ぶりのことでした。
その後、昨年の やんばる[90614]、今年の奄美群島[92739]と 立て続けに南西諸島で国立公園が誕生。

そこで[92742]で言及した一覧表を、南西諸島と九州から始めたいと思います。

どのような一覧表になるか、構想の固まらないうちに走り出したのですが、ここのサイトに出入りするうちに習性になった「変遷情報」への関心から、年代順という選択肢もありました。
しかし、メインとなる筋は やはり地域別で、拡張・改称・分立などを主とする変遷情報は、同一地域内で二次的な形で記載するのが適切でしょう。

環境省の 国立公園一覧を見ると、日本地図上の北から南へ国立公園33【奄美群島未収録】の番号が付けられています。地域別の配列は これを基礎にしたいと思いますが、琉球・奄美の話題から始まったことでもあり、南西→北東という逆順にします。

上記一覧からは地図によるリンクの他に、7地区【管轄地方環境事務所別】の国立公園にも移れます。
しかし、地図12番の上信越が地区順では中部になるなど、両者の順番は必ずしも一致していません。
実は [92742]で言及した一覧表作成の動機の一つに、この「国立公園一覧」から「一覧表」型式に行けないことがあったのですが、その後の調査で データ集の中に「国立公園の概要」という名の一覧表があることがわかりました。
pdf型式は H29/3/31現在で 34国立公園すべてが揃っていました。何故かword型式のデータは半年古く、33国立公園です。

順番という点で付言すると、12番目の上信越から分立した妙高戸隠連山は17番目に記されています。
やはり国立公園については、都道府県のような「正式の順番や番号」は存在しないようです。
南西から始めるのは 多くの日本地図帳が採用している順でもあり、必ずしも「逆順」とは言えないようです。

国立公園について、指定地域の拡張・それに伴うことが多い名称変更・分立などの変遷は、しばしば国定公園がらみの情報になります。
ということで、一覧表の対象には 国定公園も加える ことにしました。
国定公園を指定するのは環境省ですが、その管理は都道府県です。従って環境省のサイトには国定公園の情報が少ないように思われますが、先に挙げたデータ集には 国定公園の概要という一覧表もありました。
URLの中に「quasi」という単語が使われていますが、英語では「quasi national park」と言うのでした。

表の中など 文字数を節約する必要があるので、NP=国立公園 QP=国定公園という略記を多用します。
【1】[92749] みやこ♂ さん の助言に従い、略記を2文字に改めました。

上記「国定公園の概要」では、例えば蔵王QPの関係都道府県として「山形・宮城」と記されています。
都道府県を単純にコード順に並べたものでないことから、(面積順との記載はないが)重みを考慮した記載であると思われたので、今回の一覧表に採用しました。
なお、国立公園については都道府県別の面積データがあるので、三陸復興NP:宮城/岩手/青森 のように「/」で区切って最終的に宮城県が最大になっている現状[92742]を明示しました。

変遷情報の要になる国立公園の区域拡張に関しては、要領よくまとめた資料を発見することができずにいたのですが、自然公園の今後のあり方についての会議の参考資料の中から 適切な資料 を発見しました。これを利用します。

資料集めがらみで前置きが長くなりましたが、「NP・QP一覧表」の第一回として「南西諸島と九州」を示します。

表の説明
No.:南西から北東に進むための便宜的なもの。
現:NPは現存する国立公園、QPは現存する国定公園で、最新の変遷情報と日付、現在の面積、都道府県を記載
初:最初に国立公園又は国定公園として指定された情報と日付
【2】現在はNPである錦江湾(1955)、奄美群島(1974)の最初の QP指定も この欄に入力する。

変遷情報が少ない公園は、1行に「NP NP」or「QP QP」と並んで完結するが、変遷を記したNPでは、現在列のNPと初指定のNPとが別行になる。特に No.8 霧島の場合は 5行を使って編入や分立・改称を記載し、初指定もNPとQPの両方を示した。8.1行では、原生自然保全を目的とした指定地の一部削除も記載した。 
8~8.4行の日付で見るように、2012年の分立・改称から 1934年の初指定へと遡って変遷を記録する。

名称:国立公園はNP、国定公園はQPと略記。
変遷, 注釈など:【括弧内】は指定区域に入った地名など。
面積haと都道府県:現在のデータのみ。

No.名称---変遷, 注釈など日付面積ha都道府県
1NP西表石垣NP【石垣島】拡張改称2007/8/140653沖縄
1.1NP西表NP復帰時に移管1972/5/25
2NPNP慶良間諸島NP沖縄海岸QPの一部から分立2014/3/53520沖縄
3QPQP沖縄戦跡QP復帰時に移管1972/5/153127沖縄
4QP沖縄海岸QP2014慶良間NP分立2014/3/54872沖縄
4.1QP沖縄海岸QP【本島西海岸など】復帰移管1972/5/15
5NPNPやんばるNP(区域に沖縄海岸QPの一部)2016/9/1513622沖縄
6NP奄美群島NPQPから変更2017/3/742181鹿児島
6.1QP奄美群島QP→2017NP1974/2/15
7NPNP屋久島NP霧島屋久NPから分立2012/3/1624566鹿児島
8NP霧島錦江湾NP改称(屋久島N分立)2012/3/1636586鹿児島/宮崎
8.1霧島屋久NP屋久島一部削除(原生自然保全)1975/5月
8.2霧島屋久NP【屋久島と錦江湾QP】編入1964/3/16
8.3QP錦江湾QP→1964霧島NPに編入1955/9/1
8.4NP霧島NP1934/3/16
9QPQP甑島QP2015/3/165447鹿児島
10QPQP日南海岸QP1955/6/14542宮崎 鹿児島
11QPQP九州中央山地QP1982/5/1527096熊本 宮崎
12QPQP祖母傾QP(そぼかたむき)1965/3/2522000大分 宮崎
13QPQP日豊海岸QP1974/2/158518大分 宮崎
14NP阿蘇くじゅうNP改称1986/9/1072678熊本/長崎/鹿児島
14.1阿蘇NP【由布鶴見(高崎山)】拡張1953/9/1
14.2NP阿蘇NP【久住町等も最初から指定】1934/12/4
15NP雲仙天草NP天草五橋追加1967/12月28279熊本/長崎/鹿児島
15.1雲仙天草NP【天草】拡張改称1956/7/20
15.2NP雲仙NP1934/3/16
16NPNP西海NP1955/3/1624645長崎
17QPQP壱岐対馬QP1968/7/2211946長崎
18QPQP玄海QP1956/6/110152福岡 佐賀 長崎
19QPQP耶馬日田英彦山QP1950/7/2985024福岡 熊本 大分
20QPQP北九州QP【皿倉山, 平尾台】1972/10/168107福岡
[92745] 2017年 3月 14日(火)16:32:28【1】hmt さん
洛北の「大原村」 琵琶湖との分水嶺は 府県境からずれて大字境界
[92744] ペーロケさん
逆に、琵琶湖集水域が全て滋賀県とも限らないのですよね。このあたりは京都府ですが、琵琶湖集水域でもあります。

地形図 を見ると、京都府左京区の久多川は東の滋賀県に入って安曇(あど)川に合流し、比良山地の西にある朽木谷を北流し、高島市の大きな三角州から琵琶湖に注いでいます。

変遷情報 を見ると1949年(昭和24)に 愛宕郡八瀬村・大原村・鞍馬村など8村が京都市に編入されています。この内の7村は左京区であり、その末尾に久多村が見えます。

地形図をスクロールすると、約10km南に大原百井町があります。
ここも京都市ですが、百井川も久多川と同様に安曇川に合流します。
そして前記7村の内 「明治22年 大原村」の前身には 百井村の名がありました。

大原と言えば洛北の有名地ですが、その付近を流れる高野川の水系は鴨川>桂川を経て淀川に合流します。
「明治22年 大原村」の中で、分水嶺(百井峠)の北にあった一部【旧・百井村】だけの降水が 琵琶湖へと注いでいたようです。

大原地区にある分水嶺の両側の百井川と高野川。最終的には 共に淀川水系ですが、前者は安曇川>琵琶湖>宇治川経由、後者は鴨川>桂川経由であり、合流するのはずっと先です。分水嶺の地位は、京都府と滋賀県との境界と一致しないだけでなく、京都府愛宕郡大原村内の「大字境界」というレベルにまで下っていました。

裏付ける史実を調べたわけでもなく、単なる推測ですが、[92744]で示された関西の特徴
歴史が古いためか、為政者の経済力やら地位などで、「峠の向こうも領有」なんて事が多かった名残で、都道府県境が分水嶺と一致しない所が多いのかなと推察します。
これを示す実例かもしれないと思われたので、参考までにフォローしてみました。

【1】修正と共にタイトル変更
[92743] 2017年 3月 12日(日)18:10:35hmt さん
国立公園(2)国立公園の名称変更
[92742] で言及した一覧表の作成に着手しました。最初に気になったのが 国立公園名の変更 です。

国立公園の最初に改称例は 1955/3/15で、富士箱根国立公園の伊豆半島地域への拡張による「富士箱根伊豆国立公園」への変更でした。
国立公園の場合は この方式が前例として定着してしまったのですが、さすがに三連称名はいかにも長すぎ、しばらくの後続改称は二連称名でした。
1956/7/10 十和田八幡平国立公園、1956/7/20 雲仙天草国立公園、1963/4/10 大山隠岐国立公園、一つ飛んで 1986/9/10 阿蘇くじゅう国立公園、2007/8/1 西表石垣国立公園、そして 2013/5/24 三陸復興国立公園。

1964/3/16に 霧島国立公園が 屋久島地域と錦江湾国定公園とを編入しましたが、新名称は「霧島屋久国立公園」で、鹿児島県の地名三連称となる「霧島屋久錦江湾国立公園」は実現しませんでした。
錦江湾は島津家久の歌に由来する鹿児島湾の別名で、「鹿児島県民のほとんどは、錦江湾と呼んでいる。」そうです(Wikipedia)。

この愛着ある「錦江湾」が、思わぬ展開で復活したのは、48年後でした。
世界自然遺産に登録(1993)された屋久島が 独立した国立公園として分離することになり、いわば「名称の空席」ができたのです。このようにして 2012/3/16に三度目の名称である「霧島錦江湾国立公園」が実現し、同時に錦江湾北部・姶良カルデラ関係の国立公園拡張も行なわれました。

ついでに記すと、3月16日というのは 国立公園指定記念日です。遡れば 1934/3/16に瀬戸内海・雲仙・霧島の3ヶ所が最初に国立公園として指定された日だったのでした。[34551]地球人さん

ここまでは、国立公園の指定地域変更と名称とを合致させようとする動きとして理解することができます。
でも、[92742]で記したように、国立公園地域の一部が陸前に及んでも「陸中海岸」で済ませている例もありました。

名称が地域の全体をカバーしていない代表例は「秩父多摩国立公園」でした。
首都圏に近い関東山地にあるこの国立公園は、火山国の日本では珍しい 水成岩の岩塊 を主としており、埼玉県の「秩父」・東京都の「多摩」という地名により代表されていました。

国立公園面積の37%を占める山梨県(東京都28%,埼玉県27%,長野県8%)からは 1987年頃から働きかけがあったようですが、2000/8/10 三連称の「秩父多摩甲斐国立公園」への改称が実現しました。
東京湾に注ぐ秩父と多摩だけでなく、駿河湾に注ぐ川を持つ甲斐が、山地トリオの一角に加えられたのでした。
[92742] 2017年 3月 11日(土)14:57:16【1】hmt さん
国立公園(1)三陸復興国立公園
[92739] k-ace さん 奄美群島国立公園
[92740] Takashi さん
日本で5番目の 世界自然遺産登録(2018年夏) を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の推薦書は、2017/2/1に 日本政府からユネスコに提出、受理されました。朝日デジタル
今回の「奄美群島国立公園」誕生は、「やんばる国立公園」[90614]に続いて、この世界自然遺産登録を見据えたものなのでしょう。

但し、国立公園と世界遺産とは目的が違うため、両者が相容れない事例もあります。
[79238] hmt
1972年に小笠原国立公園が指定された時には、南硫黄島も入っていましたが、1975年に国立公園区域から除外。
なぜ? それは、自然公園法に基づく国立公園が「自然環境の保護」と同時に「利用増進を図ること」を目的としているからです。南硫黄島の「手つかずの自然」を保護するには、これでは不十分。

なお やんばる国立公園 は、ピーくん さんの記事の3ヶ月後、2016/9/15に指定されました。
ヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネで知られるヤンバルには 「山原」という字が使われており、沖縄本島北部、山が連なり森が広がる地域です。

それはさておき、今日は 大地震と津波のあった 2011/3/11 から6年を経過した記念日です。

国立公園と言えば、リアス式海岸で知られた 陸中海岸国立公園 があった…
と考えているうちに、「三陸復興国立公園」という名に変っていることに気がつきました。

落書き帳過去記事にも登場していない。これはまずい。…というわけで、少し書きます。
環境省の 国立公園一覧 の東北地区を開くと、次の記述。

戦後の1955年に指定された「陸中海岸国立公園」が、大地震津波の2年後 2013年に区域を拡張して「三陸復興国立公園」に改名。陸域面積 28537haで、青森・岩手・宮城の3県にまたがる。

なるほど、区域が拡張されて「陸中海岸」という名が不適当になったわけか。
Wikipediaにも同様の記載があるが、「面積は12,212 ha」とあり、大幅に違う。

そこで環境省のページに戻って、概要・計画書を見ると、陸域公園面積(ha)は 宮城県 14882、岩手県 11232、青森県 2423 合計 28537ha。

計画変更などの経緯という項目があり、昭和30年の公園指定から平成27年までの要点がわかりました。
昭和39年:陸中国南端の釜石市大根崎から南の宮城県気仙沼市(陸前国)まで公園区域が拡張されているが、まだ陸奥国に及んでいないので「三陸」を使わずに済ませていたようです。
平成25年:青森県蕪島など(陸奥国)の拡張あり、公園名称変更。

そして、面積への影響が大きかったのは平成27年の拡張でした。
平成27年:宮城県内牡鹿半島など区域拡張。これは南三陸金華山国定公園(139km2)を編入したもので、これにより三陸復興国立公園の面積は大きく広がり、宮城県区域が最大になりました。
Wikipediaに記されていたのは2012年(陸中海岸時代)の面積のまま未修正だったのでした。

国立公園の区域拡張による名称変更はずっと前からあります。
みやこ♂さんの記事がある 尾瀬のような国立公園分割事例 も見逃すことができません。

この記事は、とりあえず 三陸復興国立公園 についてのみ記しましたが、記事検索してみると、霧島錦江湾国立公園など近年名称変更された国立公園も登場していません。
今回の記事で概ね理解できた調査手法を用いて、全国の国立公園について、簡単な変遷履歴を含めた一覧表を作っておきたいと思っています。

ずっと昔のことになりますが、[23882] グリグリさん に記されている構想にも沿ったものであろうと思います。
こちらも構想がありまして、どちらかというと「都道府県プロフィール」のメニューにしようかと思っていました。日本三景、日本三名園、国立公園、国定公園、世界遺産、島、湖沼、など基本情報に加え、百名山、滝百選、など。えい、時間よ止まれ!

【1】シリーズ化に伴い、タイトル変更
[92736] 2017年 3月 7日(火)15:45:59hmt さん
高島市今津町天増川(あますがわ)
[92735] スナフキん さん
滋賀県全域が淀川水系とは限らない

このことは私も初めて知りました。具体的な地名を知るために平凡社の地図帳を開いて確認。
今津から小浜に通じる国道303号が県境を越える手前付近に「天増川」という集落が記されていました。

地理院地図をスクロールして 少し北(上流)に移動すると、河川名の「天増川」も確認できました。
南から合流する寒風川の谷と合わせて南北に長い谷ですが、滋賀県内で合流する3本の川【東の水坂峠からの流れもある】の何れが「北川」の本流であるかは判断できませんでした。

高島市で「北川」と言えば、琵琶湖に注ぐ安曇川(あどがわ)水系の川もあります。例えば 北川ダム
滋賀県内では、この北川の方が知られているのではないか? などと余計なことを考えてしまいました。

滋賀県の大部分は 琵琶湖→淀川水系。
しかし 北西部の北川水系だけでなく、東には木曽川水系もある とのこと[5119]
伊吹山南麓の米原市藤川付近で降った雨は、藤古川>牧田川>揖斐川を経て伊勢湾に注ぐようです。


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