都道府県市区町村
落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

郡の数の変遷(2005年4月1日まで)

トップ > 落書き帳アーカイブズ > 郡の数の変遷(2005年4月1日まで)
記事数=9件/更新日:2005年4月4日/編集者:YSK

本格的な郡制の開始から、2005年4月1日までの郡の数の変遷が詳細にまとめられています。必見です。

… スポンサーリンク …

★推奨します★(元祖いいね) YSK BANDALGOM スピカ おがちゃん


[39306] 2005年 4月 3日(日)01:08:18【1】Issie さん
郡の数の変遷 (まえがき)
怒涛の合併も一段落を迎えましたが,この4月1日に全国で18郡が消滅しました。
3月1日以降だと33郡,今年に入ってからだと58郡,
昨年2004年の1年間で30郡,
2001~2003年に5郡が消滅していますから,
21世紀に入って,この4月1日までに都合93もの郡が消滅した計算になります。

そこで,北海道と沖縄県を除いた各都府県でどのように郡の数が減ってきたか,まとめてみました。
数を数えたポイントは,
・現行の「郡」の区分が確定した明治後期の「郡制」施行時点(法律「郡制」の公布は1890年5月1日。実際の施行状況は各府県によって違い,最も遅い岡山県で1900年4月1日)
・2000年10月1日
・2005年4月1日
の3点としました。

以下,
・各都府県名の後の( )内は,各府県での郡制施行年月日(ただし,郡制施行に際して郡の再編の行われなかった府県については,法律「郡制」の公布日)
・その後の数字は,上記3点における郡の数
・○のついた郡は,2005年4月1日現在で現存する郡
・×のついた郡は,2000年10月1日現在で,すでに消滅していた郡
・▲のついた郡は,2000年10月1日~2005年4月1日の間,すなわち「平成の大合併」に関連して消滅した郡
を意味します。
また,各郡の配列は,1920年10月1日実施の「第1回国勢調査報告」の配列によります。

(つづく)
[39307] 2005年 4月 3日(日)01:09:09Issie さん
郡の数の変遷 (東北・関東)
-------------------------------------------------------------------------------------
青森県 (1890.5.1) 8 → 8 → 8
○東津軽郡,○西津軽郡,○中津軽郡,○南津軽郡,○北津軽郡,○上北郡,○下北郡,
○三戸郡

岩手県 (1896.4.1) 13 → 12 → 12
○岩手郡,○紫波郡,○稗貫郡,○和賀郡,○胆沢郡,×江刺郡,○西磐井郡,○東磐井郡,
○気仙郡,○上閉伊郡,○下閉伊郡,○九戸郡,○二戸郡

宮城県 (1890.5.1) 16 → 15 → 12
○刈田郡,○柴田郡,○伊具郡,○亘理郡,×名取郡,○宮城郡,○黒川郡,○加美郡,
○志田郡,○玉造郡,○遠田郡,▲栗原郡,▲登米郡,▲桃生郡,○牡鹿郡,○本吉郡

秋田県 (1890.5.1) 9 → 9 → 8
○鹿角郡,○北秋田郡,○山本郡,○南秋田郡,▲河辺郡,○由利郡,○仙北郡,○平鹿郡,
○雄勝郡

山形県 (1890.5.1) 11 → 9 → 9
×南村山郡,○東村山郡,○西村山郡,○北村山郡,○最上郡,×南置賜郡,○東置賜郡,
○西置賜郡,○東田川郡,○西田川郡,○飽海郡

福島県 (1896.4.1) 17 → 15 → 14
×信夫郡,○伊達郡,○安達郡,○安積郡,○岩瀬郡,○南会津郡,▲北会津郡,○耶麻郡,
○河沼郡,○大沼郡,○東白川郡,○西白河郡,○石川郡,○田村郡,×石城郡,○双葉郡,
○相馬郡

茨城県 (1896.4.1) 14 → 14 → 13
○東茨城郡,○西茨城郡,○那珂郡,○久慈郡,▲多賀郡,○鹿島郡,○行方郡,○稲敷郡,
○新治郡,○筑波郡,○真壁郡,○結城郡,○猿島郡,○北相馬郡

栃木県 (1896.4.1) 8 → 7 → 6
○河内郡,○上都賀郡,○芳賀郡,○下都賀郡,○塩谷郡,○那須郡,▲安蘇郡,×足利郡

群馬県 (1896.4.1) 11 → 12 → 12
○勢多郡,○群馬郡,○多野郡,北甘楽郡(→○甘楽郡),○碓氷郡,○吾妻郡,○利根郡,
○佐波郡,○新田郡,○山田郡,○邑楽郡
・○北群馬郡:1949.10.1 群馬郡から分離

埼玉県 (1896.4.1) 9 → 9 → 9
○北足立郡,○入間郡,○比企郡,○秩父郡,○児玉郡,○大里郡,○北埼玉郡,○南埼玉郡,
○北葛飾郡

千葉県 (1896.4.1) 12 → 9 → 8
×千葉郡,×市原郡,○印旛郡,▲東葛飾郡,○長生郡,○山武郡,○海上郡,○匝瑳郡,
○香取郡,×君津郡,○夷隅郡,○安房郡

東京府→東京都 (1896.4.19) 8 → 1 → 1
×荏原郡,×豊多摩郡,×北豊島郡,×南足立郡,×南葛飾郡,○西多摩郡,×南多摩郡,
×北多摩郡
*島嶼部(伊豆諸島・小笠原諸島)には 郡 は設置されず

神奈川県 (1896.4.1) 11 → 7 → 7
×久良岐郡,×橘樹郡,×都筑郡,○三浦郡,×鎌倉郡,○高座郡,○中郡,○足柄上郡,
○足柄下郡,○愛甲郡,○津久井郡

◎東京府および神奈川県への郡制施行時(1896年4月1日)には,三多摩はすでに神奈川県から東京府へ移管されている。
--------------------------------------------------------------------------------------

(つづく)
[39308] 2005年 4月 3日(日)01:11:28Issie さん
郡の数の変遷 (中部)
--------------------------------------------------------------------------------------
新潟県 (1896.4.1) 16 → 16 → 11
○北蒲原郡,○中蒲原郡,○西蒲原郡,○南蒲原郡,○東蒲原郡,○三島郡,▲古志郡,
○北魚沼郡,○南魚沼郡,○中魚沼郡,○刈羽郡,▲東頸城郡,▲中頸城郡,▲西頸城郡,
○岩船郡,▲佐渡郡

富山県 (1896.4.1) 8 → 7 → 4
▲上新川郡,○中新川郡,○下新川郡,▲婦負郡,○射水郡,×氷見郡,▲東礪波郡,
○西礪波郡

石川県 (1890.5.1) 8 → 8 → 7
○江沼郡,○能美郡,○石川郡,○河北郡,○羽咋郡,○鹿島郡,▲鳳至郡,▲珠洲郡
・○鳳珠郡:2005.3.1 鳳至郡・珠洲郡を統合

福井県 (1890.5.1) 11 → 10 → 11
○足羽郡,○吉田郡,○坂井郡,○大野郡,○今立郡,○丹生郡,○南条郡,×敦賀郡,
○三方郡,○遠敷郡,○大飯郡
・○三方上中郡:2005.3.31 三方郡・遠敷郡の一部から新設

山梨県 (1890.5.1) 9 → 8 → 8
○東山梨郡,×西山梨郡,○東八代郡,○西八代郡,○南巨摩郡,○中巨摩郡,○北巨摩郡,
○南都留郡,○北都留郡

長野県 (1890.5.1) 16 → 16 → 15
○南佐久郡,○北佐久郡,○小県郡,○諏訪郡,○上伊那郡,○下伊那郡,
・西筑摩郡(→○木曽郡),○東筑摩郡,○南安曇郡,○北安曇郡,▲更級郡,○埴科郡,
○上高井郡,○下高井郡,○上水内郡,○下水内郡

岐阜県 (1897.4.1) 18 → 17 → 10
×稲葉郡,○羽島郡,▲海津郡,○養老郡,○不破郡,○安八郡,○揖斐郡,○本巣郡,
▲山県郡,▲武儀郡,▲郡上郡,○加茂郡,○可児郡,○土岐郡,▲恵那郡,▲益田郡,
○大野郡,▲吉城郡

静岡県 (1896.4.1) 13 → 12 → 11
○賀茂郡,○田方郡,○駿東郡,○富士郡,○庵原郡,×安倍郡,○志太郡,○榛原郡,
▲小笠郡,○磐田郡,○周智郡,○浜名郡,○引佐郡

愛知県 (1890.5.1) 19 → 16 → 13
○愛知郡,×東春日井郡,○西春日井郡,○丹羽郡,▲葉栗郡,▲中島郡,×海西郡,
×海東郡,○知多郡,×碧海郡,○幡豆郡,○額田郡,○西加茂郡,▲東加茂郡,○北設楽郡,
○南設楽郡,○宝飯郡,○渥美郡,×八名郡
・○海部郡:1913.4.4 海西郡・海東郡を統合
--------------------------------------------------------------------------------------

(つづく)
[39309] 2005年 4月 3日(日)01:13:08Issie さん
郡の数の変遷 (近畿)
--------------------------------------------------------------------------------------
三重県 (1896.4.1) 15 → 14 → 9
○桑名郡,○員弁郡,○三重郡,▲鈴鹿郡,×河芸郡,×安濃郡,○一志郡,▲飯南郡,
○多気郡,○度会郡,▲阿山郡,▲名賀郡,▲志摩郡,○北牟婁郡,○南牟婁郡
・○安芸郡:1956.9.30 河芸郡・安濃郡を統合

滋賀県 (1896.4.1) 12 → 12 → 8
○滋賀郡,▲栗太郡,▲野洲郡,▲甲賀郡,○蒲生郡,○神崎郡,○愛知郡,○犬上郡,
○坂田郡,○東浅井郡,○伊香郡,▲高島郡

京都府 (1890.5.1) 18 → 12 → 9
×愛宕郡,×葛野郡,○乙訓郡,×紀伊郡,×宇治郡,○久世郡,○綴喜郡,○相楽郡,
×南桑田郡,○北桑田郡,○船井郡,○天田郡,×何鹿郡,○加佐郡,○与謝郡,▲中郡,
▲竹野郡,▲熊野郡

大阪府 (1896.4.1) 9 → 5 → 5
×西成郡,×東成郡,○三島郡,○豊能郡,○泉北郡,○泉南郡,○南河内郡,×中河内郡,
×北河内郡

兵庫県 (1896.4.1) 25 → 19 → 13
×武庫郡,○川辺郡,×有馬郡,×明石郡,○美嚢郡,○加東郡,○多可郡,×加西郡,
○加古郡,×印南郡,○飾磨郡,○神崎郡,○揖保郡,○赤穂郡,○佐用郡,○宍粟郡,
▲城崎郡,▲出石郡,▲養父郡,▲朝来郡,○美方郡,▲氷上郡,×多紀郡,○津名郡,
▲三原郡

奈良県 (1896.5.1) 10 → 8 → 8
○添上郡,○生駒郡,○山辺郡,○磯城郡,○宇陀郡,×南葛城郡,○北葛城郡,○高市郡,
×宇智郡,○吉野郡

和歌山県 (1896.4.1) 7 → 7 → 7
○海草郡,○那賀郡,○伊都郡,○有田郡,○日高郡,○西牟婁郡,○東牟婁郡
--------------------------------------------------------------------------------------

(つづく)
[39310] 2005年 4月 3日(日)01:14:31【1】Issie さん
郡の数の変遷 (中国・四国)
--------------------------------------------------------------------------------------
鳥取県 (1896.4.1) 6 → 6 → 5
○岩美郡,○八頭郡,▲気高郡,○東伯郡,○西伯郡,○日野郡

島根県 (1896.4.1) 16 → 12 → 9
○八束郡,▲能義郡,○仁多郡,▲大原郡,○飯石郡,○簸川郡,×安濃郡,○邇摩郡,
○邑智郡,○那賀郡,▲美濃郡,○鹿足郡,×周吉郡,×穏地郡,×海士郡,×知夫郡
・○隠岐郡:1969.4.1 周吉郡・穏地郡・海士郡・知夫郡を統合

岡山県 (1900.4.1) 19 → 18 → 13
○御津郡,○赤磐郡,○和気郡,▲邑久郡,×上道郡,▲児島郡,○都窪郡,○浅口郡,
○小田郡,▲後月郡,○吉備郡,▲上房郡,▲川上郡,▲阿哲郡,○真庭郡,○苫田郡,
○勝田郡,○英田郡,○久米郡
・○加賀郡:2004.10.1:御津郡・上房郡の一部から新設

広島県 (1898.10.1) 16 → 15 → 7
○安芸郡,○佐伯郡,×安佐郡,○山県郡,▲高田郡,▲賀茂郡,○豊田郡,▲御調郡,
○世羅郡,▲沼隈郡,○深安郡,▲芦品郡,○神石郡,▲甲奴郡,▲双三郡,▲比婆郡

山口県 (1896.4.1) 11 → 11 → 7
○大島郡,○玖珂郡,○熊毛郡,▲都濃郡,○佐波郡,○吉敷郡,▲厚狭郡,▲豊浦郡,
○美禰郡,▲大津郡,○阿武郡

徳島県 (1890.5.1) 10 → 10 → 8
○名東郡,○勝浦郡,○那賀郡,○海部郡,○名西郡,○板野郡,▲阿波郡,▲麻植郡,
○美馬郡,○三好郡

香川県 (1899.4.1) 7 → 7 → 6
▲大川郡,○木田郡,○小豆郡,○香川郡,○綾歌郡,○仲多度郡,○三豊郡

愛媛県 (1897.4.1) 12 → 11 → 7
▲温泉郡,○越智郡,▲周桑郡,×新居郡,▲宇摩郡,○上浮穴郡,○伊予郡,○喜多郡,
○西宇和郡,▲東宇和郡,○北宇和郡,○南宇和郡

高知県 (1890.5.1) 7 → 7 → 7
○安芸郡,○香美郡,○長岡郡,○土佐郡,○吾川郡,○高岡郡,○幡多郡
-------------------------------------------------------------------------------------

(つづく)
[39311] 2005年 4月 3日(日)01:16:02【1】Issie さん
郡の数の変遷 (九州)
--------------------------------------------------------------------------------------
福岡県 (1896.4.1) 19 → 17 → 15
○糟屋郡,▲宗像郡,○遠賀郡,○鞍手郡,○嘉穂郡,○朝倉郡,○筑紫郡,×早良郡,
○糸島郡,▲浮羽郡,○三井郡,○三潴郡,○八女郡,○山門郡,○三池郡,×企救郡,
○田川郡,○京都郡,○築上郡

佐賀県 (1896.4.1) 8 → 8 → 7
○佐賀郡,○神埼郡,○三養基郡,▲小城郡,○東松浦郡,○西松浦郡,○杵島郡,○藤津郡

長崎県 (1896.4.1) 9 → 9 → 5
○西彼杵郡,○東彼杵郡,▲北高来郡,○南高来郡,○北松浦郡,○南松浦郡,▲壱岐郡,
▲上県郡,▲下県郡

熊本県 (1896.4.1) 12 → 11 → 10
×飽託郡,▲宇土郡,○玉名郡,○鹿本郡,○菊池郡,○阿蘇郡,○上益城郡,○下益城郡,
○八代郡,○葦北郡,○球磨郡,○天草郡

大分県 (1890.5.1) 12 → 12 → 5
○西国東郡,○東国東郡,○速見郡,○大分郡,▲北海部郡,▲南海部郡,▲大野郡,
▲直入郡,○玖珠郡,▲日田郡,▲下毛郡,▲宇佐郡

宮崎県 (1896.4.1) 8 → 8 → 8
○宮崎郡,○南那珂郡,○北諸県郡,○西諸県郡,○東諸県郡,○児湯郡,○東臼杵郡,
○西臼杵郡

鹿児島県 (1896.4.1) 12 → 12 → 12
○鹿児島郡,○揖宿郡,○川辺郡,○日置郡,○薩摩郡,○出水郡,○伊佐郡,○姶良郡,
・噌唹郡(→○曽於郡),○肝属郡,○熊毛郡,○大島郡
--------------------------------------------------------------------------------------

(データ終わり)
[39312] 2005年 4月 3日(日)01:33:55Issie さん
郡の数の変遷 (まとめ)
とりあえず気がつくこと。

*郡の数に増減がない: 青森県,埼玉県,和歌山県,高知県,宮崎県,鹿児島県
(福井県は,敦賀郡が消滅して一旦1郡減少したが,今回の「三方上中郡」の新設で元の数に戻った。)

*郡の数が増えた: 群馬県(1949年の「北群馬郡」新設による。)

*郡制施行時に対する減少率が高い府県
 東京府(都) 8 → 1 → 1
 三重県 15 → 14 → 9
 京都府 18 → 12 → 9
 大阪府 9 → 5 → 5
 兵庫県 25 → 19 → 13
 島根県 16 → 12 → 9
 広島県 16 → 15 → 7
 愛媛県 12 → 11 → 7
 長崎県 9 → 9 → 5
 大分県 12 → 12 → 5

このうちで,東京府(都)と大阪府は,今回の大合併には関係がありませんね。
兵庫県が着実に郡の数を減らしています。
そして,今回の大合併で劇的に郡の数を減らしたのが広島県と大分県で,以前の半分以下となっています。

こうして,劇的なまでに減少した「郡」という区画,もう現実にはほとんど意味のないものになっているのでしょうね。
今回,1郡まるごと,またはそれに近い数の町村が「市」となる例が続出しました。
もはや「市部」と「郡部」を分けて集計をすることには意味がないように思うのですが,
今年の国勢調査の報告でも,やはり「市部」「郡部」という集計をするのでしょうかねぇ…。
[39350] 2005年 4月 4日(月)00:28:22【3】太白 さん
郡の変遷・同名回避?
[39306] Issie さん
大作かつ、興味深いデータをありがとうございます。
もともと、郡の名前に、東西南北や上下といった語がつく場合、ペアをなしていたのが通例だったようですが、埼玉県北葛飾郡のように、昭和・平成の合併を経て、対をなす相手が消滅した例も多いことがよく分かります。
#「…葛飾郡」は「…足立郡」「…相馬郡」と並び、都県をまたがって郡が名称を共有する珍しい例。

 そんな中で、Issieさんが基準点とされている、明治後期の「郡制」施行時点以来、ペアになったことがない、比較的珍しい例をピックアップしてみました。(「郡上」「氷上」のように、そもそも対になる名称として挙げるのに適切でなさそうなものも混在していると思います。

・福島県東白川郡(明治11年、白川郡から改称)
・福島県西白河郡(明治11年、白河郡から改称)
・茨城県北相馬郡(明治初期に千葉県南相馬郡が存在)
・群馬県(旧)北甘楽郡(明治初期に南甘楽郡が存在)
・群馬県北群馬郡(群馬郡から分離したが、残りの部分は「南群馬郡」にならなかった)
・静岡県駿東郡
・岐阜県(旧)郡上郡
・三重県(旧)飯南郡
・滋賀県東浅井郡(明治初期に西浅井郡が存在したが、伊香郡に統合された)
・兵庫県(旧)印南郡
・兵庫県(旧)氷上郡
・岡山県(旧)上道郡(明治初期に下道郡が存在)
・岡山県(旧)上房郡
・愛媛県上浮穴郡(明治初期に下浮穴郡が存在)
・福岡県築上郡
・宮崎県南那珂郡(明治初期に北那珂郡が存在)

 明治初期の郡の名称についてはissieさんHPの「郡の変遷」を大いに参考にさせていただきました。

 興味深いと思ったポイントを挙げると、
・明治11年時点で、福島県にあった2つの「しらかわ」郡は、わざわざ「東」「西」を頭につけた。これは、読みが同じであることに伴う混乱を避けるための措置か?
・「駿東」という言葉は聞くが「駿西」は聞かない。
・三重県飯南郡、兵庫県印南郡には、なぜ対応するペアがない?

【訂正】事実関係、てにをはの修正。南甘楽郡は明治初期に存在していたため、その旨修正。([39351]でIssieさんにフォローしていただいていますが)
[39351] 2005年 4月 4日(月)01:02:55Issie さん
Re:郡の変遷・同名回避?
[39350] 太白 さん

・群馬県(旧)北甘楽郡(南甘楽郡は存在しなかった。現甘楽郡

「南甘楽郡」は,ありました。
明治初期までの「甘楽郡」には神流川の上流部も含まれていました。旧万場町以西の区域が相当します。
1878年に鏑川水系との分水界を境に南北に分割され,「南甘楽郡」は郡制施行の際に同じ神流川水系の 多胡郡・緑野(みどの)郡 と統合されて「多野郡」となりました。
残った「北甘楽郡」は,1950年になって「甘楽郡」と改称されています。

・福岡県築上郡

これは豊前国の「築城(ついき)郡」と「上毛(こうげ)郡」が郡制施行に際して統合されてできた合成郡名です。
「上毛郡」には「下毛郡」というペアーがありました,…ね。

・「駿東」という言葉は聞くが「駿西」は聞かない。

「駿東郡」というのは近世以降の呼称で,古代には「駿河郡」という呼称であったようです。
本来はこちらの「駿河」から「駿河国」という国名が起こったのであって,安倍川の下流域(安倍郡・旧有渡郡)に「駿河区」という地名ができたのは,「(北)足立郡」に「さいたま市」ができたようなものかもしれません。

・三重県飯南郡、兵庫県印南郡には、なぜ対応するペアがない?

「印南郡」は平安時代には「いなみ」と読まれていたようです。“南”という文字自体には意味のない,当て字であると思われます。

とても不思議なのは「飯南郡」で,郡制施行に際する郡の再編で「飯野郡」と「飯高郡」が統合されたものですが,ここで突然“南”が出てきたのがなぜなのか,私もわからないのです。

この特集記事はあなたのお気に召しましたか。よろしければ推奨してください。→ ★推奨します★(元祖いいね)
推奨するためには、メンバー登録が必要です。→ メンバー登録のご案内

… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

パソコン表示スマホ表示