[39306] Issie さん
大作かつ、興味深いデータをありがとうございます。
もともと、郡の名前に、東西南北や上下といった語がつく場合、ペアをなしていたのが通例だったようですが、埼玉県北葛飾郡のように、昭和・平成の合併を経て、対をなす相手が消滅した例も多いことがよく分かります。
#「…葛飾郡」は「…足立郡」「…相馬郡」と並び、都県をまたがって郡が名称を共有する珍しい例。
そんな中で、Issieさんが基準点とされている、明治後期の「郡制」施行時点以来、ペアになったことがない、比較的珍しい例をピックアップしてみました。(「郡上」「氷上」のように、そもそも対になる名称として挙げるのに適切でなさそうなものも混在していると思います。
・福島県東白川郡(明治11年、白川郡から改称)
・福島県西白河郡(明治11年、白河郡から改称)
・茨城県北相馬郡(明治初期に千葉県南相馬郡が存在)
・群馬県(旧)北甘楽郡(明治初期に南甘楽郡が存在)
・群馬県北群馬郡(群馬郡から分離したが、残りの部分は「南群馬郡」にならなかった)
・静岡県駿東郡
・岐阜県(旧)郡上郡
・三重県(旧)飯南郡
・滋賀県東浅井郡(明治初期に西浅井郡が存在したが、伊香郡に統合された)
・兵庫県(旧)印南郡
・兵庫県(旧)氷上郡
・岡山県(旧)上道郡(明治初期に下道郡が存在)
・岡山県(旧)上房郡
・愛媛県上浮穴郡(明治初期に下浮穴郡が存在)
・福岡県築上郡
・宮崎県南那珂郡(明治初期に北那珂郡が存在)
明治初期の郡の名称についてはissieさんHPの「郡の変遷」を大いに参考にさせていただきました。
興味深いと思ったポイントを挙げると、
・明治11年時点で、福島県にあった2つの「しらかわ」郡は、わざわざ「東」「西」を頭につけた。これは、読みが同じであることに伴う混乱を避けるための措置か?
・「駿東」という言葉は聞くが「駿西」は聞かない。
・三重県飯南郡、兵庫県印南郡には、なぜ対応するペアがない?
【訂正】事実関係、てにをはの修正。南甘楽郡は明治初期に存在していたため、その旨修正。(
[39351]でIssieさんにフォローしていただいていますが)