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[82202] 2012年 11月 17日(土)18:26:25【1】YT さん
昭和19年人口調査の結果摘要の問題点
日本で過去に実施されたセンサスである、国勢調査、臨時国勢調査、常住人口調査、人口調査のほとんどの市町村別人口をオンラインで閲覧可能であることが分かりましたが、唯一昭和19年の人口調査だけは官報にも掲載されず、オンラインで市町村別人口を閲覧することができません。現状では調査結果が印刷されている出版物は『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)と『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)だけのようですが、その内市町村別人口の掲載があるのは後者だけです。ただしその調査人口にかなりの問題があります。昭和19年人口調査では、補正後の市部・郡部人口は不明で、補正された人口は都道府県別・男女別・年齢別(五歳階級)人口のみが公表されているようです。『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口」の総数(1), 2))と市部・郡部(3)に付けられた脚注によると:
1) 北海道根室支庁管内色丹村,東京都八丈支庁管内三根村・樫立村・中之郷村・末吉村・大賀郷村,大島支庁,三宅支庁及び沖縄県を含む。
2) 特別調査区域を含む。
3) 「総数」欄の地域の範囲(注記1)に対応する市部・郡部別の人口が不詳であるので,前記表章地域に合致するよう第2表から市町村を抜すいして合算した人口を,参考までに「市部」・「郡部」別に掲載した。

具体的に昭和19年人口調査における補正後と補正前の人口の違いは以下の通りで、樺太を除く全ての都道府県で人口補正が行われています。

都道府県総数(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)
全国73,456,14173,063,53429,893,74443,169,790392,607
北海道3,256,1573,263,2691,030,1102,233,159-7,112
青森県1,009,1041,008,278229,020779,258826
岩手県1,104,0491,103,936166,370937,566113
宮城県1,275,8621,264,497328,332936,16511,365
秋田県1,048,7691,048,240137,336910,904529
山形県1,083,5691,083,535200,388883,14734
福島県1,599,3921,599,344181,2101,418,13448
茨城県1,656,6781,650,370191,0931,459,2776,308
栃木県1,203,6791,201,924210,763991,1611,755
群馬県1,319,5171,318,780273,7011,045,079737
埼玉県1,647,6251,643,892340,0381,303,8543,733
千葉県1,659,3451,652,007403,1451,248,8627,338
東京都7,271,0017,238,4696,856,473381,99632,532
神奈川県2,474,3542,409,7351,899,517510,21864,619
新潟県1,994,8171,994,001341,3271,652,674816
富山県819,614819,563273,355546,20851
石川県743,672742,933277,028465,905739
福井県621,933621,829130,021491,808104
山梨県634,897634,368105,001529,367529
長野県1,650,5111,649,550273,7861,375,764961
岐阜県1,266,0081,261,974296,761965,2134,034
静岡県2,027,8562,022,570605,0731,417,4975,286
愛知県3,280,2063,240,6611,817,0081,423,65339,545
三重県1,209,2661,200,917416,919783,9988,349
滋賀県691,972690,945144,880546,0651,027
京都府1,635,5281,616,0361,098,840517,19619,492
大阪府4,412,9534,396,6833,503,580893,10316,270
兵庫県3,224,3763,217,1591,672,7821,544,3777,217
奈良県606,789606,25960,215546,044530
和歌山県847,388847,033293,009554,024355
鳥取県476,284474,75292,443382,3091,532
島根県729,819729,307122,036607,271512
岡山県1,333,3001,331,817283,5901,048,2271,483
広島県1,962,9501,895,567778,0221,117,54567,383
山口県1,357,3681,337,984678,912659,07219,384
徳島県703,260702,580116,734585,846680
香川県713,134712,986163,354549,632148
愛媛県1,186,4911,185,771343,171842,600720
高知県693,053692,565136,699555,866488
福岡県3,066,4723,050,3951,494,3431,556,05216,077
佐賀県705,651705,35188,062617,289300
長崎県1,490,8901,444,546640,962803,58446,344
熊本県1,371,0051,369,749326,7381,043,0111,256
大分県973,707971,204257,663713,5412,503
宮崎県839,556838,612211,464627,148944
鹿児島県1,594,0091,589,502275,9921,313,5104,507
沖縄県590,480590,26484,327505,937216
樺太391,825391,82542,151349,6740

なぜか北海道だけ補正後人口が大幅に減っていますが、多分北海道の一部及び樺太の一部の地域では、それぞれ5月31日、6月30日の午前零時現在に人口調査が実施されたため、昭和19年2月22日零時現在の数字に揃えるための人口増加率に基づく補正が行われた結果、逆に推計人口が調査人口よりも減少したのだと思います。ただ樺太だけ補正前・補正後の人口が一致しているのは不自然で、おそらく樺太に関しては人口の補正作業を一切行っていないのでしょう。

それよりも一番の問題点は、昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では、一部の地域で当時実際には存在しなかった境域で人口集計が行われている点です。例えば昭和19年の東京都の人口は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第2表 都道府県、市町村及び郡別人口」によると、
総数
東京都7,238,469
市部6,856,473
郡部381,996
特別区6,558,161
千代田区150,748
中央区188,871
港区291,997
新宿区359,601
文京区270,993
台東区403,420
墨田区438,114
江東区396,337
品川区395,770
目黒区202,533
大田区564,784
世田谷区303,473
渋谷区239,499
中野区216,724
杉並区259,746
豊島区302,057
北区341,552
荒川区334,380
板橋区271,226
足立区250,553
葛飾区181,574
江戸川区194,209
八王子市77,478
立川市51,624
武蔵野市54,249
三鷹市36,943
青梅市26,927
府中市30,003
昭島市21,088
西多摩郡82,585
東多摩郡104,682
北多摩郡163,432
大島16,151
三宅島5,519
八丈島9,627

しかしながら、1944年2月22日当時は武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市は存在せず、また特別区部ではまだ22区(練馬区が直ぐに分離して23区)に統合されていません。1954年11月3日に成立した北多摩郡村山町の記述があり、1955年4月1日に市制が敷かれた調布市の項目がないことから、東京都に関しては1955年1月前後の境域によって1944年2月22日の人口が集計されてしまっている(但し分離した形の練馬区は例外)ことがわかります。

こうなってくると昭和19年人口調査結果の集計過程の非公式の冊子でも入手しない限り、当時の境域による東京都の市町村別人口を知るのは不可能です。国立公文書館のデジタルアーカイブで検索すると一般に公開されている

請求番号簿冊標題
分館-11-003-00・昭54総統00819100昭和19年・人口調査表・第1表~第6表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00820100昭和19年・人口調査表・第7表~第16表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00821100昭和19年・人口調査表・第17表~第19表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00822100昭和19年・人口調査表・第20表~第22表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00823100昭和19年・人口調査表・第23表~第25表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00824100昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)
分館-11-003-00・昭54総統00825100昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)
分館-11-003-00・昭54総統00826100昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)
分館-11-003-00・昭54総統00827100昭和19年・人口調査表・別表(香川県)

が該当するようですが、残念ながら画像化されていません。これらは都内の国立公文書館には所蔵されておらず、筑波の分館に所蔵されており、公開されているとはいえなかなか中身の確認が大変のようです。
[82196] 2012年 11月 17日(土)15:35:12【2】YT さん
昭和20年11月1日調人口調査における補正人口
ところで昭和22年10月1日付の臨時人口調査の前後に、銃後の産業・生活の把握や配給制度の実施のため、昭和19年2月22日、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日付で人口調査が、昭和23年8月1日付で常住人口調査が実施されています。国勢調査という看板を掲げていないこれら4回のセンサスの内、昭和20年の人口調査の情報については以前[76192]でむっくんさんにより国立公文書館のサイトが紹介されましたが、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日の人口調査、昭和23年8月1日の常住人口調査については官報で正式に調査結果の報告が告示されていることが分かりました。以下リンクをまとめます。

1.昭和20年人口調査の結果による昭和20年11月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1945年11月26日(郡市区別人口)
1946年01月12日
1946年01月17日
1946年01月21日
1946年01月22日
1946年01月23日
1946年01月24日
1946年02月06日
1946年02月08日
1946年02月09日
1946年02月13日

2.昭和21年人口調査の結果による昭和21年4月26日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1946年07月25日
1946年07月26日
1946年07月27日
1946年08月12日
1946年08月14日
1946年08月15日
1946年08月16日
1946年08月17日
1946年08月19日

3.昭和23年常住人口調査の結果による昭和23年8月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口

1948年11月25日
1948年12月07日
1948年12月18日

この内、昭和20年の人口調査に関しては、官報によると総数71,996,477人となっていますが、総務省統計局の『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)および『昭和20年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では総数71,998,104人となっており、1627人ほど増えています。『昭和20年人口調査 人口調査集計結果摘要』(1977年)によると、
・第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口
では総人口71,998,104人を採用していますが、
・第2表 都道府県別、市町村及び男女別人口
では官報のままの数字を採用し、
 第2表の次の府県の人口は,報告もれ等の人口を除く人口である。
 宮城県,秋田県,茨城県,埼玉県,千葉県,長野県,静岡県,
 愛知県,京都府,山口県,香川県,熊本県
とう備考が記されています。残念ながらこれだけではどの郡市区町村に補正が入ったのかが不明ですが、第1表の市部郡部別人口(補正後人口)と第2表の市部郡部別人口(官報の数字と同じ補正前人口)を比べると、市部と郡部にどの程度の補正が入ったのかは計算できます。

都道府県総数(補正後)市部(補正後)郡部(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)補正数(市部)補正数(郡部)
全国71,998,10420,022,33351,975,77171,996,47720,021,21651,975,2611,6271,117510
宮城県1,462,254308,8931,153,3611,461,316308,1151,153,201938778160
秋田県1,211,871143,4651,068,4061,211,962143,4651,068,497-910-91
茨城県1,944,344131,6851,812,6591,944,573131,6851,812,888-2290-229
埼玉県2,047,261372,8391,674,4222,047,090372,8391,674,2511710171
千葉県1,966,862406,8371,560,0251,966,873406,8371,560,036-110-11
長野県2,121,050312,5861,808,4642,120,950312,4861,808,4641001000
静岡県2,220,358492,5961,727,7622,220,358492,5961,727,762000
愛知県2,857,8511,034,1501,823,7012,857,3381,033,8621,823,476513288225
京都府1,603,796982,306621,4901,603,797982,306621,491-10-1
山口県1,356,491652,512703,9791,356,540652,561703,979-49-490
香川県863,700139,797723,903863,553139,797723,7561470147
熊本県1,556,490298,9441,257,5461,556,351298,9441,257,4071390139

備考の説明にも関わらず静岡県には補正前と補正後で数字の違いが認められません。もしかしたら市別・町村別人口レベルで合計の人口が差引ゼロとなるような集計の誤りがあったのかも知れません。
[82194] 2012年 11月 17日(土)15:19:37【1】YT さん
昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」の扱いについて
『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』では、昭和22年の臨時国勢調査人口における宮城県、栃木県、埼玉県の総人口は、「水害により調査を延期した地域における調査洩れの補正人口」を含み、市町村別人口の合計と一致しません。ところが改めて、昭和22年臨時国勢調査結果報告を読んだところ、水害によって調査を延期した地域には、東京都も含まれていました。

(註)水害によって調査を延期した地域は
1.東京都 足立区、葛飾区、江戸川区の三区
2.埼玉県 北葛飾郡の全域、南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村、北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村
3.栃木県 下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村、足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ町村
4.宮城県 玉造郡、栗原郡、登米郡、本吉郡の4郡全域
であって昭和22年12月中旬に、この地域に於ける100分の1の世帯を選び、此の世帯について調査洩れの抽出調査を行った結果3,109の調査洩れがあったことが推定せられた。この補正数を地域別に示せば次表の如くである。

都道府県郡区追加補正数補正後の人口
東京都足立区87233,217
東京都葛飾区407181,966
東京都江戸川区1,683173,422
東京都2,177588,605
埼玉県北埼玉郡5320,116
埼玉県南埼玉郡8431,894
埼玉県北葛飾郡321121,980
458173,990
栃木県下都賀郡6010,602
栃木県足利郡20736,227
26746,829
宮城県玉造郡2140,834
宮城県栗原郡71136,466
宮城県登米郡60116,045
宮城県本吉郡55106,359
207399,704
合計3,1091,209,128

なお南埼玉郡「8カ村」とありますが、文章中にはどうみても7カ村しか掲載されていません。ただ内訳が記されている地域の場合、上の表における「郡」の人口は該当する町村の人口の合計を示しているようです。実際に計算してみると、八幡村4278人に相当する人口が合計から不足しているので、残る一つは八幡村と思われます(【と思ったら、正誤表で訂正されており、確定です】)。また栃木県足利郡「小俣村」とありますが、昭和22年の時点では既に町になっています。内訳が示されている地域の人口を計算すると、以下の通りです。

埼玉県南埼玉郡桜井村2,978
埼玉県南埼玉郡新方村2,588
埼玉県南埼玉郡増林村4,837
埼玉県南埼玉郡八条村3,965
埼玉県南埼玉郡八幡村4,278
埼玉県南埼玉郡潮止村4,348
埼玉県南埼玉郡須賀村4,005
埼玉県南埼玉郡鷲宮村4,811
埼玉県南埼玉郡8村合計31,810
埼玉県南埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ84
埼玉県南埼玉郡8村合計(補正後)31,894
埼玉県南埼玉郡郡全域(補正後)200,729
埼玉県北埼玉郡利島村4,679
埼玉県北埼玉郡川辺村3,585
埼玉県北埼玉郡東村2,619
埼玉県北埼玉郡原道村2,803
埼玉県北埼玉郡元和村2,761
埼玉県北埼玉郡豊野村3,616
埼玉県北埼玉郡6村合計20,063
埼玉県北埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ53
埼玉県北埼玉郡6村合計(補正後)20,116
埼玉県北埼玉郡郡全域(補正後)202,003
栃木県下都賀郡生井村4,338
栃木県下都賀郡部屋村6,204
栃木県下都賀郡2村合計10,542
栃木県下都賀郡町村に配分し得ない調査洩れ60
栃木県下都賀郡2村合計(補正後)10,602
栃木県下都賀郡郡全域(補正後)247,744
栃木県足利郡毛野村10,072
栃木県足利郡山前村6,199
栃木県足利郡小俣町6,646
栃木県足利郡山辺町13,103
栃木県足利郡4町村合計36,020
栃木県足利郡町村に配分し得ない調査洩れ207
栃木県足利郡4町村合計(補正後)36,227
栃木県足利郡郡全域(補正後)98,348

なおこれら4都道府県の臨時国勢調査の結果は1948年3月24日付の官報にも掲載されていますが、
但し、右の調査洩れ人口は、地域町村は配分せず一括して郡末尾に「町村に配分し得ない調査洩れ」として掲げた。
との註があるにも関わらず、この段階で東京都足立区、葛飾区、江戸川区には調査洩れ人口が最初から区別に配分されています。実際の補正人口はそれぞれの地域におけるサンプリングの人口変動比から計算しているようなので、東京都を除く宮城県、栃木県、埼玉県のこれらの「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」も単純な按分処理により当時の境域における人口に割り振って問題ないようですが、

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか
●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

この辺の扱いについては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』に従った方がいいのかも知れませんが、昭和22年以降のこれら地域の境域変動を調べた上で、これらの人口を按分した推計人口を改めて試算してみようと思います。
[82021] 2012年 10月 29日(月)12:15:54【4】YT さん
相模原、町田市の人口の訂正
[82020]の説明について、改めて以前送付したエクセルファイルの中身をチェックしたところ、平成17年~22年の間の人口修正について、説明と違うことを行っていたので、修正します。

大正9年の人口で町田市の人口の計算過程を見ると、昭和55年の境域における大正9年の町田市の人口は23,585人。
(2)の修正により、23,585 + 7,170×6/167,935 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(4)の修正により、23,585×(360,525 - 3)/360,525 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(6)の修正により、23,585 + 27,016×42/605,561 ≒ 23,587 人
(8)の修正により、相模原市の人口が合併後境域に
(9)の修正により、23,587 + 10/701,630×58,101 ≒ 23,588 人

ところが改めて自分が送付したデータを確認したところ、(8) 相模原市の合併処理を、(9) 町田市と相模原市の間の境域変更の後に行っていました。すなわち

23,587 + 10/628,698×27,014 ≒ 23,587 人 (変化なし)

と、(9)の修正に際し、平成17年の国勢調査の境域による旧相模原市の人口で按分計算をしていました。よって[82006]で計算し直した貝塚市のケースに加え、このケースでも相模原市、町田市の人口を修正する必要があります。

送付した町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD'、E'の通りで、正しい処理をした町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD、Eの通りです。計算上は結局のところ±1人の差しか生じませんが。

番号ABCD'E'DED-D'
町田市相模原市相模原市町田市相模原市町田市相模原市人口差
備考平17境域平17境域合併直後境域誤修正誤修正正修正正修正
大正923,58727,01458,10123,58758,10123,58858,1001
大正1424,66928,17459,05424,66959,05424,67059,0531
昭和526,63130,04560,80426,63160,80426,63260,8031
昭和1027,60730,46260,99427,60760,99427,60860,9931
昭和1531,97537,87168,78431,97668,78331,97668,7830
昭和2250,31361,530100,24650,314100,24550,314100,2450
昭和2552,41468,893106,82252,415106,82152,416106,8201
昭和3058,26283,835120,81358,263120,81258,264120,8111
昭和3571,170101,649137,10871,172137,10671,172137,1060
昭和40115,757163,371200,758115,760200,755115,760200,7550
昭和45202,520278,309317,280202,524317,276202,525317,2751
昭和50255,334377,374421,967255,340421,961255,340421,9610
昭和55295,439439,272494,227295,446494,220295,446494,2200
昭和60321,218482,748546,487321,226546,479321,226546,4790
平成2349,084531,508602,402349,092602,394349,093602,3931
平成7360,562570,560646,476360,571646,467360,571646,4670
平成12377,536605,519681,108377,546681,098377,546681,0980
平成17405,534628,698701,630405,544701,620405,544701,6200
平成22426,987717,544426,987717,5440

ただ、実際の相模原市と町田市の境域変更は多分旧相模原市内が対象なので、先の計算結果も一概に誤りとは言えない気もしますが・・・

同じように合併と境域変更の順序を間違っているケースがないか、後でチェックし直します。

【追記】合併と境域変更が国勢調査の間の5年間で起こっているケースは、1980年10月2日~2010年10月1日の間で6例しかありません。

越谷市と春日部市のケースでは、境域変更後に合併の処理。
小県郡丸子町と小県郡東部町のケースでは境域変更後に合併の処理。
本巣郡穂積町と本巣郡穂積町のケースでは境域変更後に合併の処理。
伊勢市と度会郡玉城町のケースでは、合併後に境域変更として処理。

ということでこれらの処理には問題ありません。

太田市と深谷市のケースでは、合併後に境域変更が行われれたにも関わらず、境域変更が先にあったような処理をしていました。ただ合併したのは深谷市側であり、異動地域の推計人口は深谷市側へ人口異動が起こった太田市側の人口にのみ依存するので、結果としてこのケースでも計算間違いは生じませんでした。

よって現時点で修正が必要なのは、上の町田市と相模原市のケースと、[82005][82006]で二つの人口異動があることが判明した貝塚市と岸和田市のケースだけです。

[82006]のデータを作成した段階では1980年~2005年分についてはちゃんと合併と境域変更の順番をチェックしていましたが、2005年以降については境域変更日時の情報を整理していなかったため、こういう間違いをおかしてしまったようです。
[82020] 2012年 10月 28日(日)21:34:04【3】YT さん
境域変動と合併の計算について
[82019] オーナー グリグリさん

これはT年の国勢調査時の境域における補正と考えてよいですね。

[81974]の文章を書いた時、直前の国勢調査時の組替人口が生データと考えて文章を書いたのですが、[82014]に書かれているように、実際には境域変更前後で確認された人口異動と推計人口を元に、直前の国勢調査組替人口を計算するという作業があったりと、直前の国勢調査時の組替人口が生データではない可能性もあるのですね。

それはともかくとして、[81974]の文章を書いた時点では、t年というのは境域変更が行われる直前のT年の国勢調査を含め、境域変更以前の全ての国勢調査年を意味し、全部同じ補正を行うという意味で書きました。t = Tの時は、

A'(T) = A(T)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(T)*ΔB(T)/B(T) = A(T) - ΔA(T) + ΔB(T)

B'(T) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(T)*(B(T) - ΔB(T))/B(T) = B(T) - ΔB(T) + ΔA(T)

という当たり前の式になります。

境域補正前後の異動人口と推計人口が分かっていて、それをT年の人口とするとしても、t年はそのT年推計人口を含めた過去全ての国勢調査で成立し、全ての補正前人口に対して同じように修正作業をする必要があります。

T年以外の境域に関しては、T年の境域における補正を実施した人口に対して、合併による通常の人口組替を行う必要があると考えてよいですね。言い換えると、国勢調査年毎に5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、次の国勢調査年の境域での組替えを行った上で次の5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、これを繰り返す。間違っていないでしょうか。

一回の境域変更に対しては、同じ人口異動の計算を過去全ての国勢調査時の人口に対して行うことになります。わざわざA(t)やB(t)のことを国勢調査人口と呼ばずに、「補正前人口」と呼んだのは、境域変更の度に人口補正が行われているからで、今回の人口組替のほか、合併や分割などの人口異動はすべて、その度ごとに過去の人口を修正することとなります。今回の人口修正のデータの出発は『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですが、これは既に昭和55年以前の境域変更が行われていると仮定して、その詳細を検討していません。昭和55年以降に1回の境域変更が行われたケース(例えば貝塚市と岸和田市の[82006])であれば、その一回の境域変更により、境域変更前全てのデータの書き換えを行う作業を一回行うことになります。

もっと複雑な町田市、大和市、相模原市のケースですと、

(1) まず町田市、大和市、相模原市、城山町、津久井町、相模原町、藤野町に関して、昭和55年(1980年)10月1日の境域による昭和55年以前の13回分の国勢調査時の市町別人口を用意する。
(2) 1985年2月1日の境域変動に関する昭和55年国勢調査時異動人口(大和市から町田市に6人)を元に、昭和55年以前の大和市と町田市の人口を13回分全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の昭和55年の人口が昭和60年の国勢調査における昭和55年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する1度目の修正】
(3) 昭和60年~平成7年の各回国勢調査人口を各市町村の人口データとして(2)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成7年国勢調査時境域のものとして16回分揃う。
(4) 1999年12月1日の境域変動に関する平成7年国勢調査時異動人口(町田市から相模原市に3人)を元に、平成7年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成7年の人口が平成12年の国勢調査における平成7年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する2度目の修正】
(5) 平成12年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(4)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成12年国勢調査時境域のものとして17回分揃う。
(6) 2004年12月1日の境域変動に関する平成12年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に42人)を元に、平成12年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成12年の人口が平成17年の国勢調査における平成12年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する3度目の修正】
(7) 平成17年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(6)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成17年国勢調査時境域のものとして18回分揃う。
(8) 2006年8月20日と2007年3月11日の編入を反映させるため、平成17年以前の相模原市の人口に平成17年以前の城山・津久井・相模原・藤野町の人口を加算し、修正する。【合併に伴う修正】
(9) 2007年12月1日の境域変動に関する平成17年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に10人)を元に、平成17年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成17年の人口が平成22年の国勢調査における平成17年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する4度目の修正】
(10) 最後に平成22年国勢調査人口を(8),(9)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成22年国勢調査時境域のものとして19回分揃う。

ということで、町田市、大和市、相模原市に関して合併の影響をも考慮しながら2010年10月1日の境域に一致するように過去の人口を修正・推計することとなります。

もちろん[82007]で白桃さんが危惧されているように、境域変更部分についてもっと詳しい情報があれば、推計方法も違うものになります。

というわけで[82006]で送りましたデータは、大部分は合併のみを考慮すれば良く、まず境域異動を無視し、合併オンリーで修正データを作った後、境域変動があった地域については別個に合併の部分を含めて再計算を実施しています。

異動の計算に使った数字は国勢調査時の組替異動人口で、太田市や稲沢市のように境域変更前後の人口が公表されいるのであれば、その人口を修正に使った方がいいかも知れません(が、さすがにこの影響は±1人に留まるはずです)。ただ1980年10月2日以降の全ての境域変動時の人口異動の情報を集めるのはちょっと難しい気がしますし、計算の出発の時点で昭和55年以前の数字に既に施されいてる人口修正の中身のチェックに手をつけていないので、将来的に2010年10月2日以降の境域異動に伴う人口修正を行わない限り、国勢調査時の組替異動人口からの計算で充分だと思います。

【訂正】町田市、大和市、相模原市の人口修正の過程について、実際に修正を行った期間の説明に誤りがあったので、より詳しい説明を加えて訂正します。
【追記】以前送付したエクセルファイル中で行った平成17年~22年の間の人口修正について、上の説明と違うことを行っていたので、別途記事にします。
[82006] 2012年 10月 25日(木)20:43:49【5】YT さん
貝塚市と岸和田市の平成22年境域内推計人口を求める二通りの方法
貝塚市と岸和田市の過去の人口推計方法について稿を改めて説明します。

貝塚市、岸和田市の昭和55年10月1日の境域(平成17年10月1日の境域とも同じ)による国勢調査・推計人口、平成22年10月1日の境域による国勢調査・推計人口は以下の通りです。推計の起点となるのは平成17年の組替え人口で、貝塚市から岸和田市への実質的な人口異動の差である、47人のみを考慮するのか、それとも双方の人口異動(貝塚市から岸和田市へ174人、岸和田市から貝塚市へ127人)を考慮するのかによって、過去に遡っての平成22年境域人口の推計値に変化が生じます。

市名貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市
境域昭55昭55平22平22平22平22
人口異動貝塚市→岸和田市貝塚市→岸和田市貝塚市⇔岸和田市貝塚市⇔岸和田市
大924,76860,76124,75560,77424,75960,770+4
大1429,37568,64029,36068,65529,36268,653+2
昭531,32074,08031,30474,09631,30674,094+2
昭1040,50782,84840,48682,86940,48182,874-5
昭1542,79783,70442,77583,72642,76783,734-8
昭2247,12991,53147,10491,55647,09691,564-8
昭2553,58698,82153,55898,84953,54598,862-13
昭3056,166107,64056,137107,66956,126107,680-11
昭3561,067120,26561,035120,29761,025120,307-10
昭4069,365143,71069,329143,74669,322143,753-7
昭4573,366162,02273,328162,06073,327162,061-1
昭5079,506174,95279,465174,99379,463174,995-2
昭5581,162180,31781,120180,35981,120180,3590
昭6079,591185,73179,550185,77279,555185,767+5
平279,234188,56379,193188,60479,200188,597+7
平784,653194,81884,609194,86284,613194,858+4
平1288,523200,10488,477200,15088,479200,148+2
平1790,314201,00090,267201,04790,267201,047
平2290,519199,23490,519199,234

まず、【貝塚市→岸和田市】という、人口異動差のみを考慮した場合、貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 47)/90,314を乗じた値となり、一方の岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に47/90,314を乗じた値に、岸和田市の昭和55年領域人口を加えた値となります。

例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 47)/90,314 = 24,755.110... ≒ 24,755
岸和田市:60,761 + 24,768×47/90,314 = 60,773.889... ≒ 60,774

一方【貝塚市⇔岸和田市】の間の相互の人口異動を考慮した場合、貝塚市の昭和55年領域人口の内、(90,314 - 174)/90,314は貝塚市の平成22年境域人口分で174/90,314は岸和田市の平成22年境域人口分となります。一方岸和田市の昭和55年領域人口の内、(201,000-127)/201,000は岸和田市の平成22年境域人口分で127/201,000は貝塚市の平成22年境域人口分と考えるのです。

つまり貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 174)/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に127/201,000を乗じた値を足した数字となります。同様に岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に174/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に(201,000 - 127)/201,000を乗じた値を足した数字となります。


例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 174)/90,314 + 60,761×127/201,000 = 24,758.672... ≒ 24,759
岸和田市:24,768×174/90,314 + 60,761×(201,000 - 127)/201,000 = 60,770.327.. ≒ 60.770

というわけでこのケースの場合、両者の推計人口は最大で13人の差(昭和25年)が生じます。

私個人としては、統計局が採用している按分方法は後半の通りだと解釈していますが、どうでしょうか?
[82005] 2012年 10月 25日(木)16:46:18【7】YT さん
市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)
[82001] オーナー グリグリさん
国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替ページにリストアップした2005年から2010年の人口異動を伴う境界変更の一覧は、差引異動人口から割り出していますので、差引0の人口異動を伴う境界変更が隠れている可能性があります。[81921]に書いたように平成26年6月に刊行予定の平成22年国勢調査最終報告書を見れば正確なところが明らかになります。

[81966]にて
一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。
と書きましたが、先ほど改めて『平成22年 国勢調査報告 第二巻 人口等基本集計結果 その2 都道府県・市区町村編』の方を閲覧したところ、市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)が載っておりました。人口異動を伴う境界変更は以下の通りですが、市区町村変遷情報掲載の日時と異なる日時が一部挙げられていました(【追記】仙台市泉区ではなくて仙台市宮城野区です【←と思ったら、『境界変更一覧』の方では多賀城市の一部(28人)を仙台市泉区に編入となっていますね・・・2010年と2005年の国勢調査人口を比較すると、2005年の宮城野区の人口で組み換えによる増加があるようなので、下の表では宮城野区の方を採用していますが、これも再チェックが必要かも知れません】)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成17年人口組替人口異動人口
2006.7.102201 to 0236112202201青森市311,508311,386-122
02361南津軽郡藤崎町16,49516,617122
2009.4.1.04209 to 041022804209多賀城市62,74562,717-28
04102仙台市宮城野区182,678182,70628
2010.3.110205 to 1121813910205太田市213,299213,160-139
11218+11405+11406+11407深谷市146,461146,600139
2007.12.114209 to 132091014209+14421+14422+14423+14424相模原市701,630701,620-10
13209町田市405,534405,54410
2006.4.124461 to 242035724461度会郡玉城町14,88814,831-57
24203+24462+24463+24468伊勢市134,973135,03057
2007.1.127208 to 2720217427208貝塚市90,31490,267-47
2007.8.127202 to 2720812727202岸和田市201,000201,04747
2006.6.127231 to 272149727231大阪狭山市58,20858,111-97
27214富田林市123,837123,93497

上九一色村については「市区町村の変更情報」として別項目で扱われ、「分村:梯・古関」が甲府市に編入、「分村:富士ケ峰・本栖・精進」が南都留郡富士河口湖町に編入と記載されておりました。

以上より、[81975]で入力した人口情報の内貝塚市・岸和田市については、相互の異動を考慮して計算する場合には再計算が必要となりますが、人口の異動の差だけで計算するか、相互の異動を考慮するかで平成12年以前の推計人口に最大で13人(昭和25年)の差が生じます。

なお[81968]
(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)
と書きましたが、よくよく見ると特別区部に関しては大正9年まで按分データが遡れていることに気付きました。1980年10月1日以降の特別区部内の人口の異動を伴う境域変更は、多分1982年11月5日付で境界未定地域(1980年に37人)が江東区4人(362,270→362,274)、港区33人(201,257→201,290)に分割されたくらいです。そうなってくると、1970年~1980年の特別区部内の境界未定地域の人口(1970年:38人、1975年:125人、1980年:37人)をどう扱うかさえコンセンサスが得られれば、特別区部に限り区の人口に分割することも可能となるでしょう。

政令指定都市では、京都市、大阪市、名古屋市、北九州市なども大正9年まで区のデータが揃っていますが、まあ他の政令都市は分割による区の増加などにより、区別の人口データが対応できていないようです。

【追記】上記1970年~1980年の東京特別区部内の境界未定地域の人口は、1980年10月1日現在の境界未定地域に関する人口のようです。実際の1970年国勢調査における境界未定地域の人口は763人、1975年国勢調査における境界未定地域の人口は332人です。1979年4月25日にこの332人分は全て品川区所属となりますが、1979年10月1日付で旧江東区の一部が新たに境界未定地域(125人: 335,382→335,257)となり、これが1980年国勢調査の37人分に相当する地域です。よって境界未定地域の人口を以下のように港区と江東区で分割すれば解決です。
昭45昭50昭55
境界未定地域(昭和55年10月1日境域)3812537
港区分3411133
江東区分4144
港区(昭和55年10月1日境域)223,978209,492201,257
江東区(昭和55年10月1日境域)355,835355,257362,270
港区(按分後)224,012209,603201,290
江東区(按分後)355,839355,271362,274

【貝塚市と岸和田市の人口推計については稿を改めます】
[81998] 2012年 10月 24日(水)18:34:39【2】YT さん
九州の人口変遷情報の訂正
以前[80480]で投稿した明治31年以降の北海道、九州、沖縄県の市町村別人口の変遷をまとめたエクセルファイルですが、最近になって4箇所(全体では13箇所)人口が間違っていることに気付きました。

何れ情報を追加するであろう次回の改訂で修正しますが、以下の人口が間違っておりました。

調査日時地域修正前修正後
1935年10月1日福岡県2,755,8942,755,804-90
1935年10月1日福岡県市部1,153,4891,153,399-90
1935年10月1日福岡県戸畑市67,89067,800-90
1930年10月1日熊本県1,354,0001,354,993-7
1930年10月1日熊本県市部164,467164,460-7
1930年10月1日熊本市164,467164,460-7
1955年10月1日大分県1,277,2991,277,199-100
1955年10月1日大分県市部611,206611,106-100
1955年10月1日大分県豊後高田市30,70830,608-100
1947年10月1日宮崎県1,025,6691,025,689+20
1947年10月1日宮崎県郡部788,162788,182+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡119,977119,997+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡大束村8,0398,059+20

わざわざこの手の打ち間違いに気付くように、全体の人口集計、市別・郡別集計、郡別集計と、多重のチェックをしていた筈なのですが、どういうわけか差の数字の90人、7人、100人、20人をことごとく見落としていたようです。【と書き込んだ直後に大分県の数字の書き込み間違いを見つけたので、再修正】
[81975] 2012年 10月 18日(木)14:22:21【2】YT さん
2010年10月1日の境域による1920、1935、1950、1965、1980、1995、2010年の市町村別人口
とりあえず、1920年10月1日の人口10万人以上、2010年10月1日の人口45万人以上の諸都市、県庁所在地に関し、平成22年10月1日の境域による15年毎の市町村別人口と90年間の人口増加率をまとめると以下の通りです。

どちらかというと昭和・平成の大合併の影響の方で見慣れない都市が上位に来ています。

市町村順位1920年1935年1950年1965年1980年1995年2010年人口増加率(%)
特別区部13,358,5305,896,0085,385,0718,893,0948,351,8937,967,6148,945,695166.4
大阪市21,786,6333,022,4462,015,3503,156,2222,648,1802,602,4212,665,31449.2
神戸市3746,5341,058,033820,9561,216,6141,367,3901,423,7921,544,200106.8
京都市4736,4621,117,4391,130,1851,374,1591,480,3771,470,9021,474,015100.1
名古屋市5677,4521,182,8371,157,2631,935,4302,087,9022,152,1842,263,894234.2
横浜市6579,448796,579951,1861,788,9072,773,6743,307,1363,688,773536.6
北九州市7433,325669,392736,8951,042,6881,065,0781,019,598976,846125.4
新潟市8332,572402,102538,330603,733730,733796,456811,901144.1
浜松市9321,570418,865494,296598,076698,982766,832800,866149.0
広島市10305,773423,907447,174696,845992,7361,117,1171,173,843283.9
岡山市11288,599341,972382,969459,532590,242663,346709,584145.9
長崎市12286,980313,591375,222484,111502,799487,063443,76654.6
熊本市13266,842328,592412,745502,458619,236708,097734,474175.2
静岡市14263,098367,950467,752634,247727,260738,674716,197172.2
呉市15249,063335,202292,769301,955302,766270,179239,973-3.6
福岡市16239,957372,500487,891769,1891,088,6151,284,8361,463,743510.0
長岡市17224,411247,490282,136281,266289,234293,250282,67426.0
鹿児島市18216,682276,340325,919415,439547,756594,430605,846179.6
長野市19212,194239,526300,769310,399358,173387,359381,51179.8
いわき市20210,550234,717340,260333,881342,074360,598342,24962.5
姫路市21209,050244,556325,329412,507494,825527,854536,270156.5
金沢市22206,125231,125283,863335,830417,684453,975462,361124.3
富山市23203,824235,562303,168339,446391,554417,595421,953107.0
福山市24196,152218,253264,994301,376425,675453,791461,357135.2
上越市25196,144205,680243,519227,312216,139212,060203,8994.0
下関市26192,840237,248280,949317,146325,478310,717280,94745.7
仙台市27190,015278,824380,224520,071792,059971,3241,045,986450.5
和歌山市28189,977252,119243,520328,657400,802393,885370,36495.0
高松市29186,964222,546269,160307,550386,547412,626419,429124.3
佐世保市30183,863277,747313,259302,431288,231279,551261,10142.0
函館市31182,776260,665286,084314,135345,165318,308279,12752.7
松山市32181,496207,683265,678332,343442,147497,203517,231185.0
倉敷市33174,424202,991266,949308,908432,171453,618475,513172.6
津市34173,515188,487219,241230,315265,443286,519285,74664.7
堺市35161,721245,016283,708483,846839,428840,384841,966420.6
久留米市36160,055199,502230,858248,968280,291302,741302,40288.9
福井市37158,025185,873197,085223,949259,638272,970266,79668.8
前橋市38155,830192,096233,007254,595311,121338,845340,291118.4
高崎市39155,465183,593239,909260,106323,403353,879371,302138.8
横須賀市40154,249227,791250,533317,411421,107432,193418,325171.2
岐阜市41153,208211,035250,899366,975420,231418,574413,136169.7
大分市42147,979174,557222,336258,444385,635446,581474,094220.4
札幌市43144,651264,326393,770821,2721,401,7571,757,0251,913,5451,222.9
今治市44143,218159,392198,109188,814197,818185,435166,53216.3
唐津市45142,516123,016175,651148,741142,224137,436126,926-10.9
佐賀市46141,873154,272198,243207,774236,029246,674237,50667.4
尾道市47140,140142,500184,653181,038180,901159,890145,2023.6
宇都宮市48139,761173,704235,461287,947408,908477,215511,739266.2
徳島市49139,609166,824177,363213,328249,343268,706264,54889.5
松本市50134,336156,749185,663196,934223,637239,539243,03780.9
高知市51133,181162,079190,254241,676318,266339,864343,393157.8
豊橋市52131,909169,726185,984238,672304,273352,982376,665185.5
鳥取市53130,026139,158168,429168,067184,601197,959197,44951.9
福島市54128,941157,832199,334221,864270,487292,696292,590126.9
鶴岡市55126,228141,679172,467159,562153,330149,509136,6238.2
飯塚市56126,186144,952193,989141,445135,852140,463131,4924.2
小樽市57124,723174,358186,445196,716180,728157,022131,9285.8
山口市58124,410132,507169,296162,219173,590193,172196,62858.0
秋田市59124,229153,698200,525240,306304,823331,597323,600160.5
さいたま市60122,505175,843319,188530,733879,5101,078,5451,222,434897.9
天草市61122,203123,407169,391142,346121,574107,82389,065-27.1
大牟田市62121,133147,028191,978193,875163,000145,085123,6382.1
山形市63116,797145,018180,579193,737237,041254,488254,244117.7
青森市64115,186163,885197,605247,081309,647314,794299,520160.0
出雲市65112,767122,957149,542138,784142,451146,214143,79627.5
宮崎市66112,462148,389205,574236,674329,762384,415400,583256.2
上田市67112,012117,536143,882138,013151,801164,204159,59742.5
一宮市68111,645156,400187,699281,855335,465353,999378,566239.1
松江市69111,402127,961150,434159,580183,284195,353194,25874.4
松阪市70111,049121,436147,054139,148153,185163,131168,01751.3
四日市市71110,805139,679177,803230,786266,756296,623307,766177.8
郡山市72109,004145,420195,798223,236286,451326,833338,712210.7
高岡市73108,189122,048155,260166,207186,900186,827176,06162.7
佐渡市74107,351109,351125,597102,92584,94274,94962,727-41.6
宇和島市75106,993123,605145,233122,042110,920100,77684,210-21.3
旭川市76106,468139,373184,242271,930352,619360,568347,095226.0
一関市77106,295121,932154,323145,783136,031133,138118,57811.6
薩摩川内市78106,147116,855150,937119,063102,143106,73799,589-6.2
横手市79105,580122,485145,532130,597120,479112,60098,367-6.8
都城市80104,733132,880172,668166,237172,655174,054169,60261.9
岩国市81103,610115,487149,965162,015163,692156,347143,85738.8
石巻市82102,953131,937177,015176,363186,094178,923160,82656.2
岡崎市83101,376130,614167,008203,806271,243332,136372,357267.3
那覇市84100,127111,344108,673257,190295,778301,890315,954215.6
弘前市85100,119123,467159,409169,865192,291194,197183,47383.3
甲府市9094,950129,537146,873178,808205,070206,799198,992109.6
千葉市10188,767120,777185,546339,974746,430856,878961,749983.5
水戸市10387,934115,164141,143177,061239,747261,275268,750205.6
奈良市10685,992103,070131,259168,406305,614368,039366,591326.3
大津市10785,759120,567144,626166,764228,982295,574337,634293.7
川崎市10884,995191,702319,229854,8741,040,8021,202,8201,425,5121,577.2
盛岡市11083,797116,018155,575207,016272,814300,723298,348256.0
八王子市12078,668106,000131,408207,655387,178503,363580,053637.3
尼崎市12178,261173,051278,973500,472523,650488,586453,748479.8
西宮市19660,391130,436168,610337,391410,329390,389482,640699.2
相模原市21358,10160,994106,821200,755494,220646,467717,5441,135.0
東大阪市21856,762142,076228,691443,081521,558517,232509,533797.7
川口市30944,00474,015118,761249,112379,360448,854500,5981,037.6
船橋市40934,04854,380100,134223,989479,439540,817609,0401,688.8
市川市44331,67662,553120,595207,988364,244440,555473,9191,396.1
松戸市59323,92233,61759,813160,001400,863461,503484,4571,925.2

【追記】オーナーグリグリ さんへ
データの方は先ほどメールで送りました。確認をお願いします。

【追記】[81976] 白桃さんへ
後の記事を受けての修正となってしまいましたが、直しました。
[81974] 2012年 10月 18日(木)13:45:11YT さん
人口の按分方法
[81971] オーナー グリグリさん
2005年(平成12年)2月18日の宮崎県佐土原町と新富町の境界変更(佐土原町へ25人異動)が抜けているようです。

完全に見落としていました。

[81972] 白桃 さん

狭山市の昭和55年人口は124,029人です。

人口按分の過程で間違いに気付き、あとでこっそり修正しようと思ってました(笑)。


人口の按分の計算仕方ですが、人口異動を伴う境界変更が実施された直前のT年の国勢調査において、A町の補正前人口A(T)の内ΔA(T)がB町に異動し、B町の補正前人口B(T)の内ΔB(T)がA町に異動したとすると、過去t年におけるA町の補正前人口A(t)と補正人口A'(t)、B町の補正前人口B(t)と補正人口B'(t)は、それぞれ以下のように表現できます。

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(t)*ΔB(T)/B(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)*(B(T) - ΔB(T))/B(T)

B町からA町への人口異動が無かった場合はΔB(T) = 0なので、

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)

ただこの式も三ヶ所の地域を同時に巻き込んだ場合の人口異動には対応していないので、一言目には

「異動前の地域人口に占める異動した人口の割合が過去において一定であると仮定することで、過去の人口を推計する」

だけで充分かも知れません。そして四捨五入による丸め誤差を防ぐため

「人口異動毎に人口を過去に遡って補正し、合計人口が変わらないように小数点以下を処理する」

ということになると思います。


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