[83016] グリグリさん
どちらかというと上記の大字や字を省略したバージョンに統一したいなと考えます。
とある公的機関に勤務する方から名刺を頂きました。その方の勤務先の住所は大河原町金ヶ瀬字町◯◯番地と書くのが正式であり、普通の人はそのように書きます。ところが、名刺には「字(あざ)」と「番地」の字句を省略して、大河原町金ヶ瀬町◯◯と書いてありました。「番地」と言う字句を省略するのは慣れっこですから気にしませんが、「字」と言う字句まで省略してあることに違和感を覚えました。
私の住んでいる地方には「町」と言う名の字(あざ)が多数あります。宿駅だったエリアが字町として伝承されているのではないかと考えます。角田市、村田町、大河原町の字町を例に、私の考えを述べたいと思います。
角田市角田字町◯◯番地
村田町大字村田字町◯◯番地
大河原町字町◯◯番地
以上が現在の正しい表記です。本来なら角田市大字角田字町になるはずですが、昭和の合併時に「大字」の2文字を外しました。現在、角田市は23の大字で成り立っていますが、全ての大字から「大字」の2文字を外しています。そこには平等と均衡が感じられます。また、大河原町も大河原町大字大河原字町になるはずですが、「大字」の字句だけでなく「大字大河原」そのものを昭和の合併時に廃止しました。7つある大字のうち大字大河原だけを廃止し、他の大字を存続させているのですから不平等、不均衡です。大河原町には「町」と言う名の小字が2つあって、金ヶ瀬地区の「町」はちゃんと大字名を付して金ヶ瀬字町◯◯番地と書きなさい。でも、大河原地区の字町は大字名を書かずに字町◯◯番地だけで良いですよ、簡単で便利でしょう。と、言う訳です。近世村の大河原村が単独で現在の大河原町になったのならそれでも良いのですが、他の村々と合併して成り立っているのに、それはあまりに身勝手と言うものです。かわいそうに現在、大河原町の人は大河原町の中に大河原と言う特定の区域があること(あったこと)を知りません。知らないと言うことは恐ろしいことで、大字大河原の存在や大字界に無頓着な人は、他の大字に属する土地を指して、そこも(大字)大河原にしてしまおうと言うのです。住所行政に携わる人までその調子だと、地域の歴史破壊になります。これ以上書くと涙が出て来るので止めます。
話が脇道に逸れましたが、グリグリさんが言われるように大字や字を省略すると、角田市、村田町、大河原町の字町はどうなるのかを下に書きます。
角田市角田字町◯◯番地→角田市角田町◯◯番地
村田町大字村田字町◯◯番地→村田町村田町◯◯番地
大河原町字町◯◯番地→大河原町町◯◯番地
「村田町村田町」と同じものが2回続くのは感覚的に変だと思いませんか。「大河原町町」はもっと変ですよね。でも、これは感覚的なものだから慣れれば苦にならないかも知れません。しかし、このようなことを実行すると、次に何が起きるのか。それを考えると恐くなります。村田町村田町◯◯番地なんて面倒だから村田町◯◯番地と書こう。大河原町町◯◯番地なんて変だから大河原町◯◯番地と書こう。そう言う人たちが出現して来るでしょう。同じ自治体に住みながら、自治体名+大字名+小字名+番地を書かなければならない人がいる一方で、自治体+番地で通用する人がいる。これは不均衡で不平等です。それだけでなく、地域の歴史破壊に繋がります。だから私は、大字や字の字句を安易に省略するのは避けたいと思います。