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落書き帳

十番勝負の問五を考えていて、ふと思ったこと…

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[103873]2022年1月19日
あきごん
[103874]2022年1月19日
白桃
[103875]2022年1月19日
あきごん
[103878]2022年1月20日
千本桜
[103880]2022年1月21日
あきごん
[103884]2022年1月21日
[103886]2022年1月22日
あきごん

[103873] 2022年 1月 19日(水)17:52:10あきごん さん
十番勝負の問五を考えていて、ふと思ったこと…
 そろそろ、皆さんの感想も落ち着いてきたように思いますので、十番勝負で問五の解答を考えていた時に感じたことを書きたいと思います。本当はその時に書き込みたかったのですが(下書きで書いてはいましたが)、さすがにネタバレになってしまいますので共通項発表を待って今に至ります。

 十番勝負の問五で問題市になっていた宇部市の事が話題となっておりました。もちろん宇部市も五年間で630世帯減少しており該当市として何も問題はないのですが、人口が比較的多いことにも起因して、減少率は-0.86%と該当市の中では最も減少割合が低いためか、住民基本台帳ベースのデータとの誤差により違和感が生じたのかも知れません。(いくら調査方法が違うとはいえ、誤差と言うには大きすぎる差ではあるのですが…。)

 さて本題は、今回、問五の解答を考えるに当たって、2020国勢調査の人口関係の統計と世帯数関係の統計を見比べた時に感じたことにあります。
 今回の問五に関連する2020国勢調査の世帯数関連の統計を元に、「5年間の世帯増減数」を昇順(減少の多い順)で並べると、上位は下表のようになります。上位市の顔ぶれを見ると、いわゆる重厚長大産業の衰退ともイメージが重なる結果となりました。また震災の影響と見られる市も見られ、大きな減少率となっており、両方に該当する釜石市は-12.66%と数・率ともに大きな減少となっています。

【2020年国勢調査 5年間の世帯減少数の大きい順】
順位市名  人口人口増減率人口増減数世帯数世帯増減率世帯増減数▼
1呉市214,592-6.10802-13,96094,483-3.00682-2,929
2小樽市111,29-8.714459-10,62552,817-4.77590-2,649
3函館市251,084-5.60007-14,895121,793-1.74022-2,157
4釜石市32,078-12.83626-4,72414,725-12.66311-2,135
5宮古市50,369-11.12817-6,30721,289-8.97080-2,098
6長崎市409,118-4.74729-20,390187,423-1.05375-1,996
7室蘭市82,383-6.97913-6,18141,766-4.24156-1,850
8釧路市165,077-8.40716-9,66531,873-8.77112-1,351
9天草市75,783-8.40716-6,95631,873-4.06634-1,351
10相馬市34,865-9.57309-3,69113,875-8.77112-1,334
54宇部市162,570-4.04830-6,85972,595-0.86036-630
 このデータだけを見ていれば、ある程度予想できる結果であり、特段思うこともなかったのかも知れませんでしたが、十番勝負の感想でも書いたように、先月、国勢調査の確定値が発表された時に、十番勝負対策も兼ねて人口や人口密度の増減については事前に調べておりました。その中で、特にマークしていたのが5年間の人口減少数で今回の落書き帳五千万字達成記念の「五千」という数字とも合致する「人口減少数5000人以上」でした。(該当市数87)

 人口減少数ということで、下表のように、人口の多い北九州市や新潟市、横須賀、堺市などが上位に名を連ねていて、あまり人口減少のイメージには直接結びつかないなと感じていました。ただし、事前準備では国勢調査の世帯数関係は作業のためにエクセルの列を非表示にしていたくらいで全く見ておらず、下表の右3列の数字は問五の解答を考える時に改めて追加し、初めて併せて見た項目です。

【2020年国勢調査 5年間の人口減少数の大きい順】
順位市名人口人口増減率人口増減数▼   世帯数世帯増減率世帯増減数
1北九州市939,029-2.31534-22,257436,2452.326869,920
2新潟市789,029-2.57753-20,882331,2723.035989,761
3長崎市409,118-4.74729-20,390187,423-1.05375-1,996
4横須賀市388,078-4.55205-18,508165,473-0.16471-273
5いわき市332,931-4.94123-17,306141,4110.24243342
6函館市251,084-5.60007-14,895121,793-1.74022-2,157
7呉市214,592-6.10802-13,96094,483-3.00682-2,929
8下関市255,051-5.01495-13,466115,817-0.41359-481
9堺市826,161-1.56664-13,149366,0794.5041315,778
10青森市275,192-4.33029-12,456118,4830.21060249
87村上市57,418-8.04587-5,02421,549-2.66058-589
 この表で見ると、人口減少数トップ10の中でも人口の多い北九州市や新潟市、堺市などは世帯増減率はプラスになっています。人口は大きく減っているのに世帯数は結構増えているという、ある意味不思議な現象が起きています。
 この表にはありませんが、奈良県内の12市を見ても人口が減少している10市のうち6市は世帯数は増加していました。国勢調査の人口データが発表されてデータを見た時は、 [103261] でも書いたように奈良県内の多くの市が軒並み3000人程度(5%~10%)も人口が減っている事にショックを受けましたが、世帯数の増減も合わせてみた時、実は世帯数は必ずしも減っていないということになります。そして、これは一体何を意味しているのかを考えた時、少し先恐ろしくなりました。

 上記二つの表「世帯数の減少」と「人口の減少」とでは上位市の顔ぶれが変わってきています。最初の表で見た「世帯減少数」は「人口の社会減」と相関していると考えられます(一番の相関は「率」だとは思いますが)。表の上位にリストアップされる市は地域の基礎産業の衰退や震災の影響など、ある意味何らかの理由が考えられます。それに対して、下の表「人口減少数」では、リストアップされる市が人口減少とはあまり直接的なイメージが結びつきませんでした。

 「世帯数が増えているのに人口が減っている」のはなぜか。つまり人口の「自然減」が「社会増」を上回っている、そういう都市が増えてきているということになります。奈良県北部もこれまでは大阪のベットタウンとして社会増で人口が増えてきました。少子化が叫ばれて久しいですが、周辺では社会増の影響なのか人口は増えていた事もあり、私自身あまり気にしていなかったところがあります。そんな中、5%もの人口減少とそれが社会増をも飲み込むほどの自然減となると、今後、ますます減少に拍車がかかるのは間違いないでしょう。これから高齢者になって行く身としては、何とも不安になる結果でした。

 そんなわけで若者チームの皆さん、早めに結婚してたくさん子供を作ってください。(笑)


※表の数字がなぜか右寄せにならず見にくくて申し訳ありません。(-)符号が入っているからでしょうか??
 もし、お分かりの方がおられたら、ご教示ください。
[103874] 2022年 1月 19日(水)18:52:18白桃 さん
Re:十番勝負の問五を考えていて、ふと思ったこと…
[103873]あきごん さん
「世帯数が増えているのに人口が減っている」のはなぜか。つまり人口の「自然減」が「社会増」を上回っている、そういう都市が増えてきているということになります。
「世帯数が増えているのに人口が減っている」のは、そういうことだけではなく、一世帯当たりの人数が減っている場合は同じ現象が生じます。
話を単純化しましょう。
白桃村は5年前に100世帯あり、すべての世帯が5人家族であった、とします。白桃村は健康な人ばかりで、5年間に亡くなった方はゼロ、ですが、赤ちゃんも生まれていません。つまり、自然増減はありません。また、この5年間に他の自治体から転入した人もいません。しかし、100世帯のうち、90世帯から一人ずつ他の自治体へ転出しました。よって90人の社会減となります。そして、残りの10世帯は親と一緒に住みたくない等の理由で子供たちが村内に別の家を造った結果、10世帯が20世帯に成りました。
この結果、5年前と比べてみると「10世帯増加、90人減少」となります。  おわり
[103875] 2022年 1月 19日(水)23:55:32あきごん さん
世帯数増と人口減
[103873]白桃さん
「世帯数が増えているのに人口が減っている」のは、そういうことだけではなく、一世帯当たりの人数が減っている場合は同じ現象が生じます。

 確かに、その通りですね、子供が独立したら世帯が増えるわけですから。
 そう考えると、独立した子供が同一市町村内にいそうな大都会で世帯数が増えているのも納得です。
 なんとなく少し安心しました。でも、人口が減っていることに変わりはないのですが…。
[103878] 2022年 1月 20日(木)15:17:36千本桜 さん
世帯分離による世帯数の増加
同じ敷地または同じ屋根の下で暮らしながら、介護費用軽減その他の目的で世帯を分離する家庭が増えています。我が家の近隣およそ130数戸のうち、約10%は2世帯同居で、中には3世帯同居の家庭もあります。そのような訳で、目視で数えた戸数は130数戸なのに住民基本台帳の世帯数は150世帯ほどになります。世帯分離しても人は移動しませんから人口増減はありません。ただ世帯数が増えるだけです。
[103880] 2022年 1月 21日(金)18:10:00【1】訂正年月日
【1】2022年 1月 22日(土)10:29:02
あきごん さん
宇部市のげんしょう(現象&減少)
 どうも、気になり出したらアレやコレやらが手に付かなくなる性分が発症してしまいました。国勢調査の世帯数の宇部市の件です。

 世帯増と人口減の件は、[103874] 白桃さんや [103878] 千本桜さん のお話から、世帯数の増減は必ずしも社会的要因の増減とは限らないと分かりましたので、人口減少については今まで通り普通に憂う事で落ち着きましたが、データを色々いじくり回していて、新たな疑問が出てきてしまいました。

【宇部市の人口減少と世帯数減少の割合】
市名人口人口増減数世帯数世帯増減数  1世帯当たり人口 (人口増減数/世帯増減数)
宇部市162,570-6,85972,595-6302.23910.887
(参考)呉市 214,592-13,96094,483-2,9292.2714.766

 この表は、世帯の減少に伴わない人口の減少がどの程度あるのかを知りたくて、「人口増減数/世帯増減数」を計算させた結果です。
 宇部市は「10.887」と1世帯当たり人口の5倍の数字となっていました。(1世帯あたりの人口は、市によって差はあるものの大体2.0~2.5人/世帯です。)
 「10.887」は随分と大きな数字なので他の市と見比べてみましたが、やはり世帯数減少の多い市の中では、かなり大きな数字でした。(参考に記載した呉市の「4.766」がこの近辺での標準的な数値です。)※ご指摘により表現を修正しております。
 これは、世帯ごと減っているのではなく世帯人員が減っているのが人口減少の主原因なのかと思い、どういうケースがあるのか考えてみました。大学生や新社会人が進学、就職を機に市外に転居、家族の中の高齢者が市外の介護施設等に入所…などが考えつきましたが、それにしても世帯減の5倍は大きな数字です。子供の市内での独立や世帯分離での世帯数増も合わさった結果なのでしょうか。
 色々と考えましたが、頭の整理が付かずにいます。

 それと、もう一つ。国勢調査データと住民基本台帳データの誤差と言うにはあまりに大きな差がある問題…。

[103847] EMMさん
何をどうやっても立ち塞がるのが「宇部市」。
なぜかというと、人口推計のデータでは「宇部市は2015年から2021年まで右肩上がりで世帯数が増えている」から。

というお話、「住基データベースでは世帯数は増加し続け、国勢調査では減少している」という謎も解決できません。

 総務省のHPを漁っていたら 国勢調査と住民基本台帳等について という資料を見つけて、国勢調査と住基データとの「人口」の差異は、高校・大学生や高齢者が住民票を置いたまま、学校のある市町村に住んだり病院や介護施設に入所することが大きな原因である事が分かりました。奇しくも 人口減/世帯減 で考えた「大学生」「高齢者」というキーワードが出てきましたが、世帯の差異の説明はありません。大規模災害や更生施設(刑務所等)なども人口の差異に影響を及ぼすとのことですが、宇部市の世帯数とは関係しそうにありません。
 世帯数の増は、やはり [103874] 白桃さんや [103878] 千本桜さん の仰られている様なことの影響かとも思いましたが、データのプラスマイナスが逆転するほど大きな影響があるようにも思えないし…。

 ということで頭の中で思考がループしてフリーズしかけです。 ぷすぷす、しゅー

 是非、詳しい方の見解をお伺いしたいなと考えております。
[103884] 2022年 1月 21日(金)20:27:25【2】訂正年月日
【1】2022年 1月 21日(金)20:28:27
【2】2022年 1月 21日(金)20:31:39
N さん
宇部市の件
[103880]あきごんさん
自分も宇部市の件は少し気になっていました。
この分野は門外漢なので何故?っていうのは全然わからないのですが、そもそも宇部市は特殊例なの?ってところを少し調べてみました。

「2020年国勢調査世帯数-2015年国勢調査世帯数」…①と、国勢調査の時期に近い住民基本台帳…②の世帯数の差分(「2021年1月1日住民基本台帳世帯数-2016年1月1日住民基本台帳の世帯数」)を比較してみました。

まず宇部市について。
①は630世帯の減少なのはご存じの通り。
②は2021年は79,744世帯、2016年は78,926世帯で818世帯の増加です。
②-①を計算すると1,448世帯差となります。

日本全国の市町村で同様の計算をすると、②-①の差分の絶対値上位は以下の通りになります。
(23区も大体上位に来ますがノイズになりそうだったので省いてます)
#市町村②-①国調差分①住基差分②
1横浜市-21,242+107,463+86,221
2大阪市-9,447+114,925+105,478
3神戸市-9,328+29,461+20,079
4柏市+6,138+12,331+18,469
5越谷市+6,074+6314+12,388
6浜松市+5,642+11,522+17,164
7町田市+4,779+5,303+10,082
8大分市+4,526+6,024+10,500
9札幌市+4,468+47,324+51,792
10船橋市+4,255+17,484+21,739
71相模原市-1,471+21,583+20,112
72あま市+1,461+851+2,312
73宇部市+1,448-630+818
74新座市-1,437+6,436+4,999
75相馬市+1,423-1,334+89

これを見ると、宇部市の差分+1,448世帯は全体で上位ではありますが、極端におかしい値というわけでもないようです。
差分自体は自治体人口が半分のあま市や同規模の新座市と同じぐらいです。

宇部市と人口規模の近い市も見てみると、
②-①
帯広市+663+2,468+3,131
高岡市+457+1,772+2,229
新座市-1,437+6,436+4,999
釧路市+998-1,729-731
宇部市+1,448-630+818
秦野市+2,040+700+2,740
都城市+328+1,127+1,455
松阪市+382+1,533+1,915
大垣市+1,149+2,192+3,341
となり若干多めですが、先述の新座市と絶対値は近く、秦野市よりも差分は小さいです。
これらから、住民基本台帳と国勢調査の世帯数に1500世帯程度の差がでるのは全国的には珍しい現象ではない、ということはわかります。

増加と減少が逆転しているのがおかしいのか、というところですが、宇部市と同様プラスマイナスが逆転しているところは200市町村ほどあります。差分が大きいところを列挙すると、
#市町村②-①
1福島市+2,920-350+2,570
2横須賀市+2,258-273+1,985
3寝屋川市+2,080-11+2,069
4宇部市+1,448-630+818
5相馬市+1,423-1,334+89
6石巻市+1,366-51+1,315
7会津若松市+1,341-409+932
8北見市+1,283-1,014+269
9弘前市+1,165-130+1,035
10舞鶴市-1,066+479-587
となります。確かに宇部市は上位ですが外れ値というほどでもありません。
ある程度の人口規模がある自治体で世帯の増減数が小さい場合だとプラスマイナスが逆転することもあるようですが…
これらの市の共通点を探せば答えが見えてくるのでしょうか…?

ところで、
この表は、世帯の減少に伴わない人口の減少がどの程度あるのかを知りたくて、「人口増減数/世帯増減数」を計算させた結果です。
宇部市は「10.887」と1世帯当たり人口の5倍の数字となっていました。(1世帯あたりの人口は、市によって差はあるものの大体2.0~2.5人/世帯です。)
「10.887」は随分と大きな数字なので他の市と見比べてみましたが、やはり、かなり飛び出た数字でした。(参考に記載した呉市の「4.766」が標準的な数値です。)
って本当ですか…?
三次市が世帯増減数+1、人口増減数-2,934ですので、-2,934になりますが…(世帯増減0の双葉町、大淀町、日之影町を除いた全市町村トップ)
増減の向きを合わせても寝屋川市が-11世帯、-7,785人で707になりますね。
宇部市の10は普通の値(400位程度)かと。
[103886] 2022年 1月 22日(土)10:23:55【1】訂正年月日
【1】2022年 1月 22日(土)10:34:42
あきごん さん
Re:宇部市の件
[103884] Nさん
「10.887」は随分と大きな数字なので他の市と見比べてみましたが、やはり、かなり飛び出た数字でした。(参考に記載した呉市の「4.766」が標準的な数値です。)
って本当ですか…?
三次市が世帯増減数+1、人口増減数-2,934ですので、-2,934になりますが…(世帯増減0の双葉町、大淀町、日之影町を除いた全市町村トップ)
増減の向きを合わせても寝屋川市が-11世帯、-7,785人で707になりますね。
宇部市の10は普通の値(400位程度)かと。

 ご指摘ありがとうございます。
 もう一度、自分の文章を読み返しましたが「飛び出した数字」というのは誤解を与える、かなり不適切な表現だったと思います。「世帯数減少の多い市の中では、かなり大きな数字」に訂正させていただきたいと思います。

 飛び出したと感じた主因は、世帯数減少順に並べ替えてある状態のまま、人口減/世帯数減 の計算をさせた表の上位部分を見ていたからだと思います。世帯数減上位市100くらいまで見ていると、4~5前後が多い中に20市に一つくらい、いきなり10を超える市が出てくるという状態であったので、飛び出したという表現を使ったんだと思います。(他には長崎市、佐世保市、一関市、日立市などが飛び出したと見えた市)並べ替えをして順位をみたら89位(プラス側のみ)でした。上位は上位ですが、全然、飛び出してはいませんね。失礼しました。

 あと、この指数?は分母である世帯数増減の数字が小さくなると数字の振れ幅がすごく大きくなるので、あまり意味がないものでした。ご指摘の三次市は、世帯増減数が1でしかもプラスなので、-2,934と、とてつもない数字になります。世帯数の増減は色々な要素が重なって起こっているので、偶々ゼロ付近に来てしまった市の数字が飛びぬけて大きくなるのでは、指数としては全然意味がありませんね…。思い付きで計算させた結果でお騒がせしまして、大変失礼いたしました。


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