都道府県市区町村
落書き帳

スバールバル諸島

… スポンサーリンク …


記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[40317]2005年4月27日
hmt
[40324]2005年4月27日
ニジェガロージェッツ
[40347]2005年4月28日
hmt
[40497]2005年5月2日
ニジェガロージェッツ

[40317] 2005年 4月 27日(水)17:29:59hmt さん
ブーベ島・ツバル・スバールバル諸島
[40282]で、“ .bv および .sj ドメインは使われておりません”という Norid の告知を紹介しましたが、その背景を調べた結果です。

Norid によれば、“ノルウェー当局は自国のドメインを商業化することを望まない”ということですが、実際に「.bv」を使いたいという多数のオランダの会社からの申請を拒絶しているそうです。
でも、何故オランダなのかって?
オランダでは、「BV」は「有限責任会社」を意味しているのだそうです。英語の「Ltd.」に相当する言葉が、たまたま「ブーベ島」と衝突してしまったのですね。

ノルウェーと正反対に、「自国ドメインの商業化」を積極的に利用した国があります。

それが南太平洋の「ツバル」。
昔は日本の南洋諸島の一部だったマーシャル諸島の先にギルバート諸島があり、そのまた先をエリス諸島と言いました。ギルバート(現・キリバス)まではミクロネシア人ですが、エリスはポリネシア人のため、1974年にギルバートと分離し、その後「ツバル」として独立しました。
この国、世界有数のミニ国家です。面積26km2こそモナコより一桁上ですが、人口は1万人余(モナコは3万人余で、その他に通勤者や旅行者も多い)、経済規模は1200万ドル。近くにあるリン鉱石の島「ナウル」は、面積・人口ではツバルと同程度ですが、経済規模は6000万ドルありますから、ツバルこそは「実質的に世界最小規模の独立国」と言えるでしょう。

この「ツバル」の小さな経済をタナボタ的に潤したのが、なんとインターネットドメイン「.tv」の権利です。

CIAによると、ツバルは、この権利を5000万ドルでライセンスしたとのことです。
その結果、「The .tv Corporation」は、世界中に「.tv 」を売り込んでいます。

商売気のないノルウェー領に戻ります。
「.sj」は北極海の「スバールバル諸島」と、そのグリーンランド寄り北大西洋の「ヤン・マイエン島」(無人)。

スバールバル諸島は、これまで話題にした島々とは異なり、とても大きな島です。
最大のスピッツベルゲン(とんがり山)島は、九州よりも大きく、その次でも四国より少し小さいくらい。4番目でも沖縄島に匹敵。
北緯77~80度というから、南緯69度の昭和基地も真っ青の高緯度です。
科学観測基地や軍事基地は別として、産業活動を営む普通の居住地としては、人類で最も高緯度の土地でしょう。
とはいうものの、かつて盛んだった炭鉱がさびれて、総人口は3000人を切っています。
人が定住する地球最北の村はニー・オーレスン。
[40324] 2005年 4月 27日(水)23:45:55ニジェガロージェッツ さん
スピッツ・ベルゲン島のロシア人居留地
[40317] hmtさん
スバールバル諸島は、これまで話題にした島々とは異なり、とても大きな島です。
(中略)
とはいうものの、かつて盛んだった炭鉱がさびれて、総人口は3000人を切っています。

sjドメインから、スバールバル諸島についてのご紹介、興味深く拝読しました。
ドメインネタとの関連はありませんが、ここはノルウェー領にもかかわらず、ロシアとの一種の共同統治領と化しているところがあります。
スバールバル諸島の主島、スピッツ・ベルゲンにあるバレンツブルクという炭鉱の街ですが、ここの住民の多くはロシア人です。
このことは、随分前のことですが日本のテレビでも紹介されており、ご記憶の方も居られると察します。北方領土問題に触れて、仮に主権を日本に返還しても、バレンツブルクをモデルに、街ごとロシア人の自治を認めてみてはどうかというテーマでの取材でした。

1990~98年のスバールバル人口統計によれば、1990年には全人口3,544人のうち、実に2,407人がロシア(ソ連)人が占めていました。
それが、1998年にはロシア人人口は半減し1,149人にまで減少し、それが島全体の人口減少に繋がっているようです。
[40347] 2005年 4月 28日(木)19:26:11hmt さん
日本も スバールバル諸島で 炭鉱開発をすることができるらしい
[40324]ニジェガロージェッツ さん
スピッツ・ベルゲン島のロシア人居留地に関する記事を拝見しました。
1998年にはロシア人人口は半減し

この年に、最盛期には1000人規模のロシア人が居たピラミデンという炭鉱村が閉山したのですね。
朝日新聞2000/12/23にピラミデン訪問記が出ていました。閉山後2年、採炭権を維持するために23人の労働者がとどまり、メドのない再開を待っていたようです。

スバールバルの領有権は、1920年に結ばれたパリ条約で、ノルウェーが主張した「北極点と自国の両端を結ぶ扇形の中の陸地を領有」とする主張が、第1次大戦後の列強に認められた結果だそうです。
この条約では、スバールバル諸島に軍事基地を作らないこと、条約加盟国のすべてが平等に産業活動が出来ること等が定められました。ソ連は1935年に条約に加盟して本格的な炭鉱開発を始めたそうです。

日本も「列強」の一員として、条約に最初から加盟しているので、スバールバル諸島で炭鉱開発をする権利がある…と言っても、現実には無理。

冷戦時代には、東西両陣営に分かれたロシア・ノルウェー両国の炭鉱村が、交流なしに共存していたようです。自然という壁があるので、ベルリンように人工の壁を作る必要はなかったようです。
それでも、モスクワ時間を使っていたロシア側がノルウェーに合せるなど、ようやく遅い「雪解け」が進み始め、ノルウェー・ロシアの双方が協力して環境汚染防止対策などに取組み始めたことが紹介されていました。

そのノルウェーの炭鉱村 ロングヤービエンも赤字経営。「優遇策にもかかわらず、人口減少には歯止めがかからない。」とありました。
この極地の島は、気象環境だけでなく、経済的な環境も厳しいようです。

スバルバール (スピッツベルゲン) 旅行記によると、1961年にも1000人規模のロシア側の炭鉱Grumantbyen が放棄されたそうです。最盛期にはロシア人だけで、3000人も居住していたことになります。

上記ページ冒頭の地図には、ロングヤービエン、バレンツブルグ[40324]、ピラミデンと共に、地球最北の村 ニー・オーレスン[40317]も示されています。
[40497] 2005年 5月 2日(月)01:49:00ニジェガロージェッツ さん
スバールバル諸島
[40347] hmt さん
スバールバル諸島についての詳細レス有難うございます。本当に勉強になります。
また、スバルバール(スピッツベルゲン)旅行記のウエブサイトをお教え頂き感謝です。
拙稿[40324]にリンクした英文のページと同じウエブサイトでしたが、小生恥ずかしながら日本語がメインのサイトとは気付きませんでした。
作者はきちんと日の丸付で Japanese version と書いて下さっていたにも関わらずです。(滝汗)
ロシア語の検索サイトから辿り着いたので、日本発とは思いも寄りませんでした。話題になったドメイン国名コードからして[jp]にもかかわらず・・・です。

ところでこの旅行記にある、ロシア人居留地バレンツブルク訪問のコーナーに、1950~1990年にかけての現地説明パネルを紹介しておられるページがあるのですが、その中で「中央下部左の説明文」(港湾設備)にあるロシア文のみ邦訳されていませんが、こういうのを見ると訳したくなります。
以下に訳しておきます。

「鉱山は大陸との定期連絡航路を有しています。
航行は5月から10月(を含む)まで運行されています。1981年の航行の初めまでに貨物旅客用桟橋は改築されました。」

#本文で唯一不明なのが“С БОЛЬШОЙ ЗЕМЛЕЙ”の部分。一般に「СООБЩЕНИЕ С +名詞(地名)の造格形」で、「~との連絡」の意味になり、“БОЛЬШАЯ ЗЕМЛЯ”が文字どおり「ボリシャヤ ゼムリャ」という地名の可能性もありますが、小生個人の独断で「大陸」としましたことをお含み下さい。
また、本文には“ВКЛЮЧИТЕЛЬЮ”とありますが、これは“ВКЛЮЧИТЕЛЬНО”の間違いでしょう。
数や期間を示す語の後ろに置いて用いる副詞で、「~を含めて」という意味です。


… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳

パソコン表示スマホ表示