[40282]で、“ .bv および .sj ドメインは使われておりません”という Norid の告知を紹介しましたが、その背景を調べた結果です。
Norid によれば、“ノルウェー当局は自国のドメインを商業化することを望まない”ということですが、実際に「.bv」を使いたいという多数のオランダの会社からの申請を拒絶しているそうです。
でも、何故オランダなのかって?
オランダでは、「BV」は「有限責任会社」を意味しているのだそうです。英語の「Ltd.」に相当する言葉が、たまたま「ブーベ島」と衝突してしまったのですね。
ノルウェーと正反対に、「自国ドメインの商業化」を積極的に利用した国があります。
それが南太平洋の「ツバル」。
昔は日本の南洋諸島の一部だったマーシャル諸島の先にギルバート諸島があり、そのまた先をエリス諸島と言いました。ギルバート(現・キリバス)まではミクロネシア人ですが、エリスはポリネシア人のため、1974年にギルバートと分離し、その後「ツバル」として独立しました。
この国、世界有数のミニ国家です。面積26km2こそモナコより一桁上ですが、人口は1万人余(モナコは3万人余で、その他に通勤者や旅行者も多い)、経済規模は1200万ドル。近くにあるリン鉱石の島「ナウル」は、面積・人口ではツバルと同程度ですが、経済規模は6000万ドルありますから、ツバルこそは「実質的に世界最小規模の独立国」と言えるでしょう。
この「ツバル」の小さな経済をタナボタ的に潤したのが、なんとインターネットドメイン「.tv」の権利です。
CIAによると、ツバルは、この権利を5000万ドルでライセンスしたとのことです。
その結果、
「The .tv Corporation」は、世界中に「.tv 」を売り込んでいます。
商売気のないノルウェー領に戻ります。
「.sj」は北極海の「スバールバル諸島」と、そのグリーンランド寄り北大西洋の「ヤン・マイエン島」(無人)。
スバールバル諸島は、これまで話題にした島々とは異なり、とても大きな島です。
最大のスピッツベルゲン(とんがり山)島は、九州よりも大きく、その次でも四国より少し小さいくらい。4番目でも沖縄島に匹敵。
北緯77~80度というから、南緯69度の昭和基地も真っ青の高緯度です。
科学観測基地や軍事基地は別として、産業活動を営む普通の居住地としては、人類で最も高緯度の土地でしょう。
とはいうものの、かつて盛んだった炭鉱がさびれて、総人口は3000人を切っています。
人が定住する地球最北の村はニー・オーレスン。