都道府県市区町村
落書き帳

片岡正人氏「市町村合併で『地名』を殺すな」に関する記事集

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[43088]2005年7月17日
グリグリ
[58963]2007年6月10日
ふかみ

[43088] 2005年 7月 17日(日)04:21:07【1】オーナー グリグリ
地名本
[43061] で予告した最近の地名本の感想です。[42515]でkenさんが紹介されている2冊の本ともう1冊について。
#都道府県市区町村のトップページの参考文献にもリストアップ済みです。

1.「日本全10,000市町村うんちく話」(2005年3月20日) 八幡和郎 講談社+α文庫
2.「生まれる地名、消える地名」(2005年6月23日) 今尾恵介 実業之日本社
3.「市町村合併で「地名」を殺すな」(2005年6月28日) 片岡正人 洋泉社

1.についてはまだぱらぱらとめくっただけで読んでいませんが、kenさんが[42515]で言われているとおり、ちょっと読むのがしんどそうな本です。あくまでも全国の市町村を列挙した情報読み物として書かれており、地名の是非を問うている本ではないようです。

一方、発行日が近接している2.と3.ですが、内容は非常によく似ています。どちらも、市町村合併で新しく生まれる地名に対する批評(批判)が主題であり、お二人の主張も非常に近いものがあります(ほとんど同じと言ってもよいかも)。ただし、具体的な批評の表現については著者の性格が出ていると思われます。そのことはタイトルの付け方に如実に現れており、今尾さんの著作は、良く言えば優しい配慮のある批評、辛口で言えば批評が多少あいまいなところがあります。一方、片岡さんの著作は現役の新聞記者と言うこともあり、地名に対する批判が徹底しています。良く言えば歯切れがよく、辛口で言えば多少乱暴かなという感じです。新しくできる地名に対する批評という視点から言えば、片岡さんの著作の方が切れがあって読み応えがあると思いました(今尾さんには申し訳ありませんが)。

とくに、新しくできる自治体の命名基準をお二人とも具体的に示されていますが、ほとんど同じ考え方になっています。敢えて言えば、片岡さんの方がより具体的というかシステマチックな定義を提示されています。お二人の考え方には私もほとんど賛成なのですが、唯一異なる点は文字数の長い名称に対する考え方です。私は自治体名は1~3文字に統一するのがよいと思っているのですが(既存市名については4文字も容認)、お二人にはとくにそのような制約を設ける考えはないようです。とくに片岡さんは、山陽小野田市のような連称名称については積極的に支持されています。

この2冊の本、読み比べるのも面白いかと思います。

現在の市について、お二人のあるべき市名と私の考える市名を一覧にしたページを作るのも面白いかなと思ったりしますが、実際にすべての市について検討するのはかなり大変そうです。
[58963] 2007年 6月 10日(日)11:37:14ふかみ さん
郡名・広域地名等…
早速お返事ありがとうございます。

[58945]makiさん

あ、どうもすみません!思いきり間違ってますね…。

高速道路の看板(カントリーサイン)は僕も結構気にしています。
「新町」は「高崎市」に、「岡部町」は「深谷市」になりましたか!両方ともほんのちょっとの区間(しかも2度以上通る市)なので、外されてしまうかと思ったのですが…。

本来なら、小川町と旧川本町(深谷市)の間の「寄居町」、旧群馬町(高崎市)と吉岡町の間の「前橋市」の看板も設置してほしいところですが、関越道って基本的に2度以上通る市町村の看板はどちらかしか設置しないんですよね。その点、上信越道は律儀に2つ以上設置してます。
深谷市や高崎市が拡大し、何度も通るようになったことによって、最終的に看板がどう落ち着くのか、気になっています。
「ふじみ野市」となるべき下りの旧「大井町」の看板は、確か合併前からツタに覆われていてほとんど見えない状態であったと記憶しております。どうなるんでしょうね…。


[58947]TAMAさん

「稲敷」は古そうに見えて、明治期に河内郡と信太郡を統合した際に誕生した新郡らしいですね。もともとは郷名で、現・龍ケ崎市のあたりの地名と聞いたことがあります。
茨城県はいろいろ新しい市が誕生した中で、「稲敷」の名は趣があって好きです。


[58954]桜トンネルさん

「仁賀保」は、
・「鳥海山麓海岸部一帯を指す古称」(今尾『生まれる地名、消える地名』)
・「古くから仁賀保地方と呼ばれ」「仁賀保町も旧仁賀保領の中心」(片岡『市町村合併で「地名」を殺すな』)
…となっています。規模の大きく、知名度も比較的高い「象潟」を差し置いて「仁賀保(にかほ)」を採用しているあたり、全体を指す広域地名の意味合いが強いと判断したのですが…。

市町村名の選定に際して、公募はいい隠れ蓑にされてしまうみたいですね。必ず1位を採用するわけではないですが、「公募で多数を占めた」とか、「公募の中から最もふさわしい」と曖昧に選定理由を発表している例が多く、どういった類の地名(郡名なのか、広域称なのか、自然地名なのか…)を採用したか、判断に困る例が多いです。
那須塩原市の場合、駅名とも、「那須」と「塩原」の合成とも言えてしまうあたり、難しいんですよね…。
「うきは」等はやはり郡名ですか…。「合志」は合志郡自体が消滅(菊池郡に統合)してから時間が経っていますが、現地では今でもその名が生きているのかどうか…というのがわからないんですよね。
「浮羽」がひらがなになった理由については、読みのほか、旧浮羽町への吸収というイメージを避ける配慮もあるような気がします。ひらがな地名の多くは、旧町村の中に同名のものがあって、そこへの吸収というイメージを避ける目的の場合も多いみたいですし(表立ってそう説明はしていませんが)。


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