ひと月ばかり前ですが、北海道一級・二級町村制に関するむっくんさんの記事
[67022]に「五勝手」という江差町の旧地名がありました。それを読んで浮かんだというか、よだれが出かかったのが「五勝手屋羊羹」。
なんで「ようかん」は「羊羹」なのか辞書で調べたところ、歴史的に変遷のある伝統的な食べ物だったのが分かった訳ですが、この五勝手屋の羊羹、北海道人なら一度は食しているのではないかと思います。食べ方に面白さがあり
こんなのです。誰かがみやげ物として買ってきて、子供のころ何度か食べました。最近は久しく食べていませんが、懐かしい味というか、仕組みです。食べる時の作業と端っこの硬くて砂糖の乗ってる部分が子供にとって最高だったわけです。(北海道銘菓「三方六」もそうですが、菓子は端っこが良い、と思っています。)
羊羹で食べる時の作業といえば「まりも羊羹」。こちらは全国的に有名なのではないでしょうか。直径3、4センチほどの球状なゴムの中にマリモ色の羊羹が入っていて、楊枝などでプチッと刺しパクッと食べるあれです。なかには、桃色などの羊羹もあるようですが。
吉備の国では黍団子(吉備団子)ですが、北海道で「きびだんご」といえば
このだんごです。これは口の中でクチャクチャと長い間かけて味わうのですが、昨年、本場の吉備団子を初めて食しその柔らかさに驚きました。
さて、「文藝春秋SPECIAL」季刊秋号に、今尾恵介氏の「古語・方言を映す地名」という文が掲載されています。分量は2ページなので例は少ないですが、次のような地名が書かれています。得に鹿屋周辺地名と中国地方峠名の例がいくつかでており、身近な方は一読してみてはいかがでしょうか。
・鹿児島県の旧版地形図「鹿屋」の地名(旧称でカサンバイ、トイノス、ツツモチボイ他)
・福井県越前町の地名(大玉-いかだま)
・滋賀県長浜市の地名(口分田町-くもでちょう、相撲町-すまいちょう)
・沖縄の方言地名
・中国地方の方言峠名(峠-タオ・タワ・トウ、乢-タワ)
この季刊秋号には、「がんばれ!日本語」と題し丸谷才一氏と井上ひさし氏の対談がでており、文化の破壊(日本語の破壊)として地名改称(例として平仮名市名や「緑区」「中央」「西東京市」)について、ほんの少しですが、触れています。