[41137]じゃごたろさん
ところでがんす横丁ままさんの「がんす」が気になります
「がんす」は、広島を代表する広島弁、ということになっていますが、どちらかというと老人ことば、です。広島市のことばあそびにこんな話が伝わっています。
「可部(かべ)の願専坊(がんせんぼう)にゃあ、聴聞(ちょうもん)が、がんすか、がんせんか、がんしゃあ、がんすように話ががんひょうが、がんせんけえ、がんせんので、がんひょうてえ。」
(可部(地名)の願専坊(お寺の名)では、聴聞(お説教)があるのか、ないのか、あれば、あるように話がありましょうが、ないから、ないのでしょうよ)「広島県の民話」
「がんす横丁」というのは、戦前の広島市旧市内界隈をエッセイに書いた薄田太郎氏の書名からいただいています。広島県を東西に二分して西部が安芸弁、東部が備後弁で、明らかな差異があります。「がんす」は、安芸弁で、備後弁では使われません。
我が家は、旧市内で生まれ育った明治生まれの夫の亡母と、ほとんど広島市内で育った夫が使う安芸弁の範疇で、私も広島弁をマスターしています。広島市の八丁堀(街の真中)で生まれ育った夫の母は、はじめ「がんす」は、田舎(可部など北部)ことばだといっていたのに、いつのまにか、使っていました。「そうでがんすのう」(そうですねえ)「行くんでがんひょうてえ」(行くのでしょうよ)などと使います。
東北の「おばんでがんす」は、やはり、(おばんでございます)と「おばんです」より丁寧な言い方ですよね。そしたら、広島の「がんす」と同じ使い方です。同じ東北でも、山形県米沢市では使っていないように思いますが。(私が聞かなかっただけ?)
さて、私はまだ「老人」ではない!ので、使ったことがありません。そのうち、使えるようになるかなと期待しています。以上、「がんす」談義でした。