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[109336] 2023年 11月 30日(木)16:04:42【5】訂正年月日
【1】2023年 11月 30日(木)16:15:58
【2】2023年 11月 30日(木)16:44:44
【3】2023年 11月 30日(木)16:52:19
【4】2023年 11月 30日(木)18:25:40
【5】2023年 11月 30日(木)19:40:57
YT さん
重要な参考文献『新版 日本の島事典』、中海の大根島・江島の扱い、様々な追加修正点の存在について
[109326] オーナーグリグリさん

なお、現在のページ構成の改善点があればご提案ください。備考情報の具体化、人口年追加など、表の横幅の制限はありますが、注記のポップアップや項目の開閉などの機能も組み込めると思いますので、何かご要望があればおっしゃってみてください。

表の項目の内、現状では「地域名」の編集方針が定まっていないので、削除してしまっても構わないかも知れません。それよりも、市区町村の「※注」の方の内容をすべて後から検証できるように具体的な範囲が分かるよう拡充し(要するに[109252]の表の「市区町村(小地域区分)」の項目の内容で、入力作業は自分でもできます)、推計人口の算出や面積の出典等の情報に関しては、「島名」の項目(または「備考」という別項目を作って)に別の「※注」を放り込んだ方が良いかも知れません。


それはさておき、今になって長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)という重要な参考文献が存在することを見落としていたことに気付きました。本書を閲覧した結果、結構細かい追加修正が必要なことが分かりました。


まず、国土地理院が日本の島の数を14,125と数えて発表したのは、2023年2月28日14時00分のことで、かなり最近のことです。国土地理院の日本の島の数によると、滋賀県が0となっているので、琵琶湖の沖島は含まれていません。また長崎空港は島と見做されるが、横浜市の八景島は独立した島と見做されていません(本当はそれよりも左下に少し見えている「野島」がどいう扱いになっているのかが知りたいのですが・・・)。ただ、肝心の島のリストは公表されていないようです。まあまもなく始まる基盤地図情報(数値標高モデル)1mメッシュ(標高)の提供開始にわくわくしている人もいるかも知れませんが。その際に島区分みたいなのが公表されるのでしょうか?

そして今週になって自分が新たに存在することに気付いた重要な文献、長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)ですが、定価7万円とちょっとお高いので、図書館で閲覧しました。こちらの本は別の記事でも紹介されていますが、日本の島の数を15,528島とカウントしています。

答えは6852島(本州など5島を引いて6847島)。1987年、海上保安庁が最大縮尺海図と陸図(縮尺1 / 2.5万)を用いて満潮高水位1㍍・周囲100㍍以上を基準にカウントしたこの数字がこれまで、「日本の島の数」として公式発表されてきた。だが近年、EEZの基点としての離島の重要性が従来に増して高まるなか、島研究者からはこの数に関して疑問の声が上がっている。中国の強引な海洋進出などを受け、日本政府は2010年頃から国境無人離島の振興と保護・保全に積極的に動きはじめ、日本がそれらの島を領有していることを国際社会に明示するための第一歩として「名称付与」に乗り出した。そのなかで、これまで「岩」「瀬」「礁」などと呼ばれてきたものが数多く「島」とみなされることになったのだ。にもかかわらず、公式発表されている島数は依然として6852島のまま。もっとあるはずだ。調べてみると、満潮時にも水面上にある日本の「島」の数はナント1万5528島。まさに大小無数の島から成る島嶼国家、この新事実を見出したのは日本島嶼学会参与の長嶋俊介氏と屋久島(鹿児島県)生まれのジャーナリストである渡辺幸重氏、そして全国の島研究者たち。その成果が今年12月2日発行の『新版日本の島事典』(発行:三交社)に集大成されている。この出版を機に島嶼国家・日本の輪郭を明らかにしていくべきではないか。

ritokeiこと離島経済新聞でも2022年10月21年付けでこの本が紹介されていました。

おそらく国土地理院の2023年2月の島の集計のやり直しは、この本が2022年末に出版されたからだと思います。両者で微妙に数字が異なり、『新版 日本の島事典』の数字は決して公的機関の数字ではありあませんが、『新版 日本の島事典』は現時点で入手可能な最新の文献であり、SHIMADASよりもデータが更新されているであろう『新版 日本の島事典』の情報をもとに、改めて検証が必要と考えました。

で、閲覧した結果、こちらの本では本サイトで後から追加した島、例えば佐賀県藤津郡太良町の竹崎島([109321]参照)、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)などを自然島として扱っていました。残念ながら人口は2015年国勢調査ベースなので、結局国勢調査報告書に立ち返って人口を検証する必要があります。

また、自分にとって目から鱗であったのが、滋賀県琵琶湖の沖島のみならず、島根県中海の大根島、江島を島として扱っていなかったことです。そうです。国土地理院は中海を湖として扱ってリストアップしている以上、大根島、江島も国土地理院の定義では独立した島ではなく、本州の一部であるはずなのです。この辺、国土地理院公表の面積調でも沖島、大根島・江島の島面積がリストされている時点で色々矛盾・混乱がありますが、少なくとも沖島、大根島、江島の有人島としての人口の情報は残すとしても、本州の人口・面積の一部として含まれているという扱いにするのが正しいことになります(現行の表では沖島だけ含んでいる)。

ただそれ以外にも『新版 日本の島事典』の方で独立した自然島として扱っている有人島が色々見つかりました。例えば横浜市金沢区の野島は、SHIMADASによると、もともと本土と砂洲で繋がっていたが、水路を後から掘ったとの記述がありましたが、『新版 日本の島事典』では独立した島として扱かっています(2020年国勢調査人口2,446人)。また島根県浜田市の瀬戸ヶ島(2020年国勢調査人口198人)、広島県南区の宇品島(2020年国勢調査人口1,801人)などが有人島として追加で扱われていました。さらに陸繋島の情報を色々調べたところ、沖縄県名護市の奥武島(奥武島はほかにもありますが、これは屋我地島と沖縄本土を結ぶ島)が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口29人)であること、熊本県の天草上島と上天草市の桶島を結ぶ椚島が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口3人)であること、熊本県天草市の前島(御所浦島の陸繋島)が、SHIMADASによると2019年8月31日住基人口2人で有人であること(基本単位区では分離不能)、長崎県五島市の前小島(福江島の陸繋島)が、SHIMADASによると2015年2月10日住基人口8人で有人であること(基本単位区では分離不能)等々、色々要修正点が見つかりました。現時点で陸繋島のどこまでを島とみなすかは、結局のところ恣意的なものに感じます。将来的に国土地理院が「島」のリストを公表してくれれば、それに準拠するべきだと思いますが、現状ではSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、離島統計年報、ritokeiなどを参考文献に挙げ、その上で明白にコンクリート等で水路を埋め立ててしまっているケース(北海道檜山郡江差町の鴎島([109233]参照)など)を除き、独立した島として見做すぐらいに落とし込むしかないと思います。

以上のほか、2020年国勢調査人口として福岡園福岡市西区の能古島(661人)が間違っていました(誤って「合算地域あり」の2人多い数字を用いてしまった)。またritokeiの情報により長崎県西彼杵郡時津町の前島(2020年国勢調査人口5人)、長崎県諫早市の鹿島(2020年国勢調査人口7人)の人口が確定し、長崎県西海市の南串島(2020年9月30日住基人口87人)と竹ノ島(2020年9月30日住基人口3人)の推計人口やリ直しのための情報が揃いました。

というわけで10島を超える島について、追加・要修正点が見つかりましたが、まだ全国をチェックし終わっていないし、これを整理するのにも時間がかかりますので、しばらくお待ちください。
[109325] 2023年 11月 27日(月)00:32:31【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 27日(月)09:53:40
【2】2023年 11月 27日(月)11:46:20
【3】2023年 11月 28日(火)04:17:03
【4】2023年 11月 28日(火)04:20:51
YT さん
有人島の数の検証追記、徳島県の小勝島、静岡県の弁天島
[109322] オーナー グリグリさん

同意していただけるのであれば、編集システムの作成に取り掛かります。ご検討をよろしくお願いいたします。

おそらく今後も細かい修正があるかと思いますので、ご協力させていただきます。

[109323] オーナー グリグリさん

こちらの情報について日本の有人島一覧に追加更新しました。ご確認ください。よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

【有人島の数の検証の続き】

前回 [109321]で、

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます

と、不正確なことを書いてしました。正確には、ritokeiの有人離島一覧に掲載されていない島としては、広島県大竹市の猪子島、山口県周南市の黒髪島・仙島、徳島県鳴門市の高島、宮崎県宮崎市の青島、島尻郡渡嘉敷村のナガンヌ島が該当します。このほか沖縄県八重山郡竹富町の外離島は2015年以降無人しており([109309]参照)、逆に[109313] で削除しています。ナガンヌ島は国勢調査・住民基本台帳人口ともに2020年には無人化、猪子島は離島統計年報では阿多田島の陸繋島扱いしているので、残るは高島、青島、および[109321]の計算ではじめから除外していた黒髪島・仙島です(とはいえ22021離島統計年報の方では『〔附表〕法律指定外離島の概要』に、国勢調査人口では2020年に無人化している中ノ島、黒島、黄島と共に収録されている([109309] [19314]参照))。というわけで、青島と高島の2つの島が、余計に追加してしまった島ということになりますが、そうなると国土地理院の数字の方が逆に1島多くなってしまいます。

結局のところ根拠はないのですが、2020年の国勢調査上では無人化していることになっている中ノ島にはがっつりホテル従業員がいるはずであるので、これを島としてカウントしているのではないのでしょうか?

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。

今回[109321]で検証した天神島、竹崎島以外の2島(徳島県の小勝島、静岡県の弁天島)についての追加情報をまとめます。

【小勝島】

令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、該当する島は徳島県阿南市橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)であり、陸地側の人口・面積を含んでしまっているため、役にたちません。ただSHIMADAS(2019)によると、小勝島は「橘湾最大の無人島」で、こちらは有人島の可能性としては無視してよさそうです。小勝島は戦時中に日本海軍の特攻隊専用の飛行場が作られた歴史を持つ島で、戦後しばらくして無人化し、今では島内には火力発電所などの工場があります。よって昼間人口は無人ではないでしょうし、夜勤もありえるという意味では無人ではありませんが(国勢調査当初用いられた「現在人口」であれば有人)、道で外と繋がっているので従業員も島の外から車で容易に通えるので、そこに今なお人が居住している可能性はゼロです。

都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
島面積
(km2)
備考
徳島県阿南市
(橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)
1720240.57面積出典:SHIMADAS(2019)、なお左記の人口は四国本土側(袴傍示地区)の人口で、小勝島自体は常住人口0と推測される

【弁天島】

ここは戦国時代の大地震の津波の影響で、浜名湖が汽水湖になった際に出来た島といわれています。湖の中の島、というか中州です。また近世以降度重なる埋め立てにより人工島化しており、国土地理院の定義する島から逸脱するものですが、一応データをまとめます。

まず弁天島は単独の島ではありません。

弁天島(浜松市西区):JR弁天島駅が存在する、元来メインとなる島です。
日出島(西野島浦)(浜松市西区):弁天島の北西側にある島です。
蓬莱園(浜松市西区):弁天島の北東側に昭和7年に築かれた人工島で、日出島(西野島浦)とは水路を隔てています。
千鳥園(浜松市西区):日出島と蓬莱園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
渚園(浜松市西区):観月園のさらに北側に昭和22年に、当初は塩田として築かれた人工島です。
新弁天(湖西市):弁天島の西側の島です。
乙女園(浜松市西区):新弁天の北側に昭和7年に築かれた人工島です。なお新弁天と乙女園は元は分離していましたが、現在では両者は完全に埋め立てられて同一の島です、以下の表ではそれでもあえて分けて集計します。
観月園(浜松市西区):乙女園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
中ノ島(湖島)(浜松市西区):千鳥園、観月園をつなぐ小さな人工島ですが(ホテルなどが存在)、国勢調査の基本単位区としては、千鳥園の一部を組み込んでしまっていて分離できないので、以下の表では十鳥園とまとめて掲載します。

以下に弁天島の構成島の情報をまとめます(ただし新弁天と乙女園は現在では埋め立てられていて同一の島となっている)。なお面積の情報は、令和2年国勢調査基本単位区境界データによりますが、一部境界データは湖水面を含んでおり、実際の島の面積はこれよりもやや小さいものとなります。弁天島の総面積自体を色々調べましたが、SHIMADASにも載っていません。島の散歩では3 km2となっていますが、これも令和2年国勢調査基本単位区境界データと比べると過大な数字であるということになります。令和2年国勢調査基本単位区境界データだと弁天島の面積は1.50 km2ですが、これには各島同士の間の水路のほか、弁天島東側の水路の半分も含んでおり、目測ですが、おそらく実際の弁天島の陸地面積は合計で1.2 km2前後になると思います。【追記:浜松市の統計情報の町・字別面積(平成22年3月16日公表版)によると浜松市内の弁天島が0.8330 km2で、これに湖西市新弁天の令和2年国勢調査基本単位区境界データ(こちらは面積に湖面を含んでいない)の0.190774106 km2を合算すると合計1.02 km2となります。】また市区名、大字・町名、字・丁目名、基本単位区番号はあくまでも令和2年国勢調査で用いられているものです。

島名市区名大字・町名字・丁目名基本単位区番号人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
弁天島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05130~051704534394630.141633836
日出島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05050~051106155866300.195860712
蓬莱園浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05010~05040,
0370-05120
2192322690.147917282
千鳥園
(中ノ島を含む)
浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06060~061305415846430.160931594
渚園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-060500000.321147533
観月園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06010~060405375514920.102079301
乙女園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06140~061825345666100.239746578
新弁天湖西市新居町新居新弁天0410-16010~160301181091250.190774106
弁天島総計3,0173,0673,2321.500090942

というわけで、今回は特に人口等の修正はありません。
[109321] 2023年 11月 25日(土)12:47:22【2】訂正年月日
【1】2023年 11月 25日(土)12:52:52
【2】2023年 11月 25日(土)15:27:05
YT さん
有人島の数の検証、竹ケ島(徳島県)の人口の訂正、天神島(神奈川県)、竹崎島(佐賀県)の追加
[109317] オーナーグリグリさん

有人島一覧はこの辺りでひと段落ということにしましょうか。また、新しい情報が見つかれば更新します。では、今後ともよろしくお願いいたします。

すみません。早速ですが、追加情報と訂正情報があります。

まず、有人島の数の検証ですが、国土交通省の資料『日本の島嶼の構成』によると、

我が国は14,125の島嶼により構成され、本州、北海道、四国、九州、沖縄本島を除く14,120島が離島。このうち、離島振興法による離島振興対策実施地域に含まれる有人離島は256島。

とあり、図による解説が載っています。すなわち

階層島数
全島嶼14,125
A.本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島5
B.離島14,120
B.1 有人島※416
B.1.1 法対象305
B.1.1.1 離島振興法(昭和28年制定)256
B.1.1.2 他の法律49
B.1.1.2.1 沖縄振興特措法(平成14年制定)37
B.1.1.2.2 奄美群島振興開発特措法(昭和29年制定)8
B.1.1.2.3 小笠原諸島振興開発特措法(昭和44年制定)4
B.1.2 法対象外111
B.2 無人島13,705
※令和2年国勢調査結果に基づく有人離島の数を都道県に聞き取り、内水面離島である沖島(滋賀県)を含む。

すなわち、本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島を含め、令和2年国勢調査時には421の有人島が存在することになります。こちらとほぼ同じ内容が公益財団法人日本離島センターでも紹介されています。

現在本サイトの日本の有人島一覧の方では、2020年国勢調査時に1人以上の常住人口が存在する有人島は、熊本県上天草市の大矢野島と分離できなかった野牛島を含めて419島が登録されています。一方『2021離島統計年報』によると、[109309]で紹介したように、愛媛県今治市の比岐島、宮崎県日南市の大島、沖縄県島尻郡渡嘉敷村の前島の3島は、「令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした」とあるので、これら3つの島を有人島としてカウントすると、合計で422島が登録されていることになります。

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます。

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。そこで調べたところ、少なくとも宮崎県宮崎市の青島を有人島として登録する限りは、神奈川県横須賀市の天神島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島の2島についても、追加で有人島として登録するべきではないかと考えるに至りました。さらにその面積を検証する過程で、徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の人口に間違いがあった(四国本土側の人口を含んでいた)ことも判明しました。

以下要追加・要修正と現時点で考えている情報です。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**天神島神奈川県横須賀市
(佐島三丁目の一部(基本単位区0990-03070))
81080.05面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
(大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
1351521730.402020年・2015年・2010年の人口は海部郡海陽町宍喰地区の人口(2020年2,430人・2015年2,737人・2010年3,109人)と住基人口比により推定、住基人口(2020年9月30日140人、宍戸地区推定2,513人)、面積出典:徳島県統計書(H17)
**竹崎島佐賀県藤津郡太良町
(竹崎)
5085516800.56面積出典:SHIMADAS(2019)

上の修正・追加に伴い、本州、四国、九州の人口も変わります。

島名都道府県人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
***本州1都2府31県102,577,812102,978,562103,498,671227,939.72滋賀県近江八幡市の沖島を含む
***四国4県3,627,3623,769,0853,892,89718,297.37竹ヶ島(徳島県海部郡海陽町)・中ノ島・戸島(高知県須崎市)の人口推定処理の影響あり
***九州7県12,346,48312,546,12212,692,79236,782.38南串島・竹ノ島(長崎県西海市)・鹿島(長崎県諫早市)・前島(長崎県西彼杵郡時津町)の人口推定処理の影響あり

以下それぞれの島の追記事項です。

【竹崎島】佐賀県藤津郡太良町にあり、SHIMADAS(2019)によると、「対岸とほぼ接しているため、陸繋島と見なされることもある」そうですが、少なくとも砂洲でつながっているようには見えません。宮崎県の青島を独立した島とみなすのであれば、ここも独立した島とみなすべきでしょう。

【天神島】天神島は昭和40年に神奈川県の名勝・天然記念物指定を受けた島で、長さ5~6メートルの天神橋で本土と結ばれています。ここも自然島です。SHIMADAS(2019)によると周囲1kmですが、面積の情報はありません。島の散歩というサイトによると面積は0.01 km2ですが・・・周囲1キロの円であれば面積は0.08 km2 (≒π*(1/2π)^2)、正方形であれば面積は0.06 km2(≒1/16)になるはずであり、0.01 km2は狭すぎます。そこで今回は令和2年国勢調査基本単位区境界データのAREA(面積)の情報を引用しました。

実は横須賀市基本単位区0990-03070は、天神島のみならず笠島などを含みますが、この内笠島に関してはSHIMADASによると「上陸不可」とあるので、事実上天神島にのみ人口が住んでいます。令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、横須賀市基本単位区0990-03070に関しては天神島、笠島、笠島北西側の小さい岩礁の3つの閉じた境界データが含まれており、AREA(面積)の内容は、それぞれ50696.505 m2、24945,415 m2、1322.228 m2となっています。ここから天神島の面積を0.05 km2としました。

なお、国勢調査の基本単位区境界データの面積の情報があるのなら、他の面積不詳の島も同様の手法で情報が得られるのでは?と思われるかも知れませんが、天神島の場合は境域が島の輪郭に近く設定されていただけであり、笠島の場合は南に2割ほど海域を余計に含んでいるようにみえるなど、しばしば基本区境界データは海域などを境域に含んでいるため、簡単には使用できず、極力国勢調査基本単位区境界データを面積のソースとしての使用は避けたい事情があります。

そこで他の関連する島々の面積を令和2年国勢調査基本単位区境界データで算出してみると以下の通りでした。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
面積1
(km2)
面積1出典面積2
(km2)
面積2出典備考
**粭島山口県周南市
((大字粭島(基本単位区1020-00010~00040))
0.50山口県統計年鑑(H19)0.440070788令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.44 km2)を採用しても問題ないかも知れない。
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
((大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
0.40徳島県統計書(H17)1.573021489令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査基本単位区境界データの面積は本土側(金目地区、古目地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3程度(0.5 km2前後)か?
*中ノ島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.18高知県統計書(S61)0.452003404令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査
基本単位区境界データの面積は本土側(白浜地区、蜂ヶ尻地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3~1/4程度(0.11 km2前後)か?
*戸島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.37高知県統計書(S61)0.26333293令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.26 km2)を採用しても問題ないかも知れない。

粭島の面積は、閉鎖されたしまっぷ統合版(0.43 km2)とほぼ同じであり、もとも下一桁(0.5 km2)の数字しかなかった山口県統計年鑑よりも引用元として最適かも知れません。一方で、竹ケ島、中ノ島は、本土側の陸地を含んだ情報となっており、引用できません。中ノ島の面積の引用として高知県統計書を採用する限りは、戸島の面積の引用も高知県統計書を用いた方が良いでしょう。

【竹ケ島】さて、この面積の検証の過程でなんと徳島県海部郡海陽町の竹ヶ島の人口に問題があることが分かりました。海部郡海陽町の基本単位区0220-00260に字竹ケ島が与えられていたこと、SHIMADASなどでも字竹ケ島の人口が採用されていたこと(2015年214人)から、勝手に字竹ケ島=竹ケ島と判断しておりましたが、実際には四国本土側の金目地区、古目地区などにも集落がありました。

改めて国勢調査人口の変遷を見ると以下の通りです。ここに登場する字竹ケ島は、本土側を含んだ数字です。

地区人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
人口
(2005年)
人口
(2000年)
海部郡海陽町8,3589,28310,44611,50712,104
旧宍喰町2,4302,7373,1093,3763,553
字竹ケ島201214239271283

一方、ritokeiを見ると、2020年10月20日頃の記録では、平成22年国勢調査人口として240人を採用していましたが、その後、2021年1月以降は、正しい人口(ただし住民基本台帳人口)に修正しており、令和2年9月末の住民基本台帳人口は140人であるという情報が得られました。また2017年5月10日付の徳島新聞の記事「みこしの「浜入れ」中止 海陽・竹ケ島神社夏祭り」によると、

町住民人権課によると、4月末時点の竹ケ島の人口は148人。うち40歳未満は37人で島民の25%しかいない。島の人口は07年4月末の人口313人と比べると半分以下になっており、過疎化が進んでいる。

以上の新聞記事と、ritokeiで発掘できた情報を並べると以下の通りになります。なお上の新聞記事に登場する「07年4月末の人口313人」というのは、国勢調査における字竹ケ島の人口(2005年271人)すら大幅に上回っており、おそらく字竹ケ島全域の人口を間違えて持ってきてしまったのではないのか?という気もしますが、一応以下の表に載せておきます。

(開く)徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の住民基本台帳人口の変遷

一方、学校のあり方検討委員会資料集など、海陽町の資料などから海部郡海陽町や宍喰地区(旧宍喰町)の住民基本台帳人口の変遷を抽出すると、以下の通りとなります。


(開く)徳島県海部郡海陽町と宍喰地区の住民基本台帳人口の変遷


宍喰地区の2019年3月末と2020年3月末の住基人口から等比級数な人口減少を仮定して計算すると、2020年10月1日付の住民基本台帳人口は推定2513人。よって、2020年9月30日付の竹ヶ島の住民基本台帳人口140人との人口比から、2020年10月1日の竹ケ島の常住人口は135人と推定しました。

以上をまとめると:徳島県竹ケ島(と四国)の人口は修正する必要があります。神奈川県天神島、佐賀県竹崎島の人口も追加するかどうかは、宮崎県青島の扱い次第で、青島を追加した情報のまま残すのであれば、天神島、竹崎島も同様に有人島とみなすべきであり、青島を削除するのであれば、天神島、竹崎島、(ついでに[109261]で記載した鹿老渡島)と合わせて、国土地理院などが認めていない有人島として別表に参考としてまとめた方が良いと思います。

なお鹿老渡島ですが、[109261]の方で

地図で見る限り、倉橋島と鹿老渡島の間には明白に水路があり、両方の島が分けられております。にも拘わらず離島統計年報などで島として扱われていません。その理由はこの鹿老渡島が人工島の一種だからです。鹿老渡は歴瀬戸内の港として歴史的に発達した港町で、倉橋島との間の水路は、江戸時代に完成された人工的な堀であり、よって離島統計年報もSHIMADASも鹿老渡を独立した島と扱っていないのです。

などと解説文を書いて勝手に納得していましたが、あの後倉橋島との間の水路が人工的な堀であるとする文献を見つけることができていません。こちらの面積については、しまっぷ統合版(0.91 km2)を使わずに令和2年国勢調査基本単位区境界データを使ってみると、838,293.967 m2(すなわち0.84 km2)となります。[109261]から面積出典を変更した場合は以下通りとなります。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**鹿老渡島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-20010~20030))
1211341700.84面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
[109314] 2023年 11月 21日(火)13:48:57【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)13:49:27
【2】2023年 11月 21日(火)13:52:50
【3】2023年 11月 21日(火)13:55:42
YT さん
山口県周南市の黒髪島・仙島
[109313] オーナー グリグリさん

ところで、
なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。
とのことですが、[109215]の「日本の有人島の人口、面積一覧」の備考欄には「大字大津島字黒髪島・大字富田の一部(基本単位区1330-21010)、平成27年の国調では0だが住民登録では有人」とあります。どちらが正しいのでしょうか。ご確認をお願いいたします。

すみません。[109309]の該当部分は私の間違いで、[109215]の方が正しい情報です。

2021離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』を読み返しましたが、山口県周南市仙島の脚注は

「国調では0だが住民登録では有人(1人)、面積は黒髪島を含む。」

となっておりました。ほかには岡山県の黒島・黄島については句点なしで、

「人口と世帯数は前島を含む」

高知県の中ノ島、戸島については句点なしで、

「人口と世帯数は須崎市大谷地区の一部を含む」

とあり、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注が入っている島は、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方にはありませんでした。2021年離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』のリストの他の島の残りの脚注は、指定解除の年次の情報のみです。

2015離島統計年報(2010年国勢調査のデータでまとまっている)の方の『〔附表〕法律指定外離島の概要』でも、仙島、黒島、黄島は上と同一の脚注がついており(つまり黒髪島・仙島の2010年、2015年の住民基本台帳登録人口は1人のまま)、中ノ島、戸島については2010年国勢調査ベースでの人口が分割して与えられ、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注はどこにも示されていませんでした。

以上より、黒髪島・仙島の2020年の住民基本台帳登録人口は0であることを自明のように書いてしまいましたが、現時点では2020年の住民基本台帳登録人口が1か0か、どちらの可能性も十分にあって、結論は出せません。

一応インターネットアーカイブ経由で2020年3月31日現在の地区別の住民基本台帳登録人口へのリンクのページまではたどり着きましたが、そこから先のpdf、エクセルなどは、年齢別以外はファイルが生きていませんでした(公式サイトからも削除済み)。

なお2023年3月31日現在の住民基本台帳登録人口において、大津島地区の「開拓地」なる行政区が、1世帯1人(女1人)となっていますが、こちらの津波災害警戒区域の指定に関する地図により字開拓地は大津島本体の一地区であることが確定しますし、同様に富田地区の大神の1世帯2人(男1人女1人)も本土の山の方の字名で確定なので、2023年3月末の段階で黒髪島・仙島の住民基本台帳登録人口が0人になってしまっていることは、ほぼ間違いないと思われます。
[109309] 2023年 11月 21日(火)00:46:44【6】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)01:50:25
【2】2023年 11月 21日(火)01:57:44
【3】2023年 11月 21日(火)02:03:14
【4】2023年 11月 21日(火)11:18:46
【5】2023年 11月 21日(火)11:26:41
【6】2023年 11月 21日(火)20:18:10
YT さん
外離島の有名人(【追記】愛媛県比岐島、宮崎県大島の2020年4月1日現在の住民登録人口)
[109308] オーナー グリグリさん

YTさんへ
この表をまとめて気が付いたのですが、沖縄県の外離島は2015年も0人です。住民登録などで有人が確認できているのでしょうか。

実はしつこくなるのでまとめていないのですが、離島統計年報には

「国調では有人だが住民登録は0」

という脚注がついている島が複数あります。2021離島統計年報の場合は:

1.離島振興法関係離島
①愛媛県比岐島・宮崎県大島は令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。
②北海道小島・愛媛県赤穂根島・鹿児島県馬毛島は,令和2年国調では有人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛した。
2.小笠原諸島振興開発特別措置法関係離島
東京都硫黄島・南鳥島は,令和2年国調では有人島(自衛隊員等の駐留による)であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛
した。
3.沖縄振興特別措置法関係離島
沖縄県前島は,令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。

――【ここから愛媛県比岐島、宮崎県大島および黒髪島・仙島、中ノ島、瀬長島の情報を追記】――

2021離島統計年報によると、令和2年10月1日現在国勢調査で無人となっていた島の、令和2年4月1日現在の住民登録人口は以下の通りです。

島名都道府県市町村名住民登録人口世帯数
比岐島愛媛県今治市2201
大島宮崎県日南市2112
前島沖縄県島尻郡渡嘉敷村1101

よって[109308]にまとめられた島の内、比岐島と大島は住民登録データが増えます。

なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。一応周南市の公式サイトを見たところ、残念ながら過去の住民基本台帳登録人口の記録が残っていないのですが、2023年3月31日住民基本台帳登録人口では、大津島地区の黒髪島は世帯0人口0人、黒髪島・仙島の富田地区側は該当する字名が見つからず、おそらくずっと住民登録は0人のままです。

和歌山県那須勝浦町の中ノ島の場合は、島全体が碧き島の宿 熊野別邸 中の島というホテルです。平成27年国勢調査時には、20世帯で合計20人(男8人、女12人)で、いかにもホテルの従業員の構成です。その後色々リニューアルを繰り返しながらも令和2年国勢調査時にもがっつり営業しているようなので、コロナの関係で従業員をホテル内に常住させることをやめ、交代制にしたとかかもしれません。こちらは『〔附表〕法律指定外離島の概要』掲載の島なので、残念ながら住基人口はもともと離島統計年報には掲載されていません。那須勝浦町の公式サイトでは、残念ながら「大字勝浦」の住民基本台帳登録人口は分かっても、中ノ島単独の人口は分かりません。

一方で沖縄県豊見城市の瀬長島の場合は沖縄本島と完全につながっていますが、こちらには琉球温泉 瀬長島ホテルがあります。こちらの場合は、平成22年、平成27年国勢調査時には、1世帯4人(男3人女1人)が暮らしていたことになり、ホテルの従業員とは言えません。航空写真などを見ると、いくつか海沿いに個人経営でもおかしくないような店舗や漁師小屋があるようなので、こちらの店舗の住民かも知れません。公式サイトの方では残念ながら「字瀬長」の住民基本台帳登録人口は分かっても、瀬長島単独の人口は分かりませんが、いずれにせよ中ノ島と瀬長島は常住の島民がいないというだけで、今後の国勢調査で有人島に戻ってもおかしくありません。

来年発売予定の『2022離島統計年報』の方で、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の中身も令和2年度分にアップデートされるかも知れませんので、今後[109308]の島の内、中ノ島、黒島、黄島、黒髪島・仙島の住民登録データが増えるかもしれません(多分中ノ島以外は全部住民基本台帳登録人口も0で、中ノ島も住民基本台帳登録人口自体は0の可能性が高いですが)。また『〔附表〕法律指定外離島の概要』収録の長崎県のいくつかの離島の人口に関しては、基本単位区以下に分割された島人口の情報が増え、推計で出した人口の一部が実数へ更新可能になるかも知れません。猪子島と瀬長島は離島統計年報の完全に対象外なので、離島統計年報が新しくなっても追加の修正はありません。

――【ここまで追記】――

さて、外離島についてですが、2003離島統計年報~2015離島統計年報記載の、2000年、2005年、2010年ベースの国勢調査人口はすべて1人であり、すべて「国調では有人だが住民登録は0」の脚注がついています。2016離島統計年報以降はリストから削除され、現在に至っています。

実際、竹富島公式ホームページの竹富町地区別人口動態票には、ずっと外離島の項目はなく、長らく住民登録人口が0の扱いだったようです。

なお、2010年までの国勢調査人口1人というのが、ちょっとした有名人です。2014年頃まで外離島に不法滞在しておりましたが、その後地権者により退去を求められて、西表島の「モクタンの浜」に移住し、2015年10月1日国勢調査時には外離島は無人化したようです。

デイリー新潮:島を追われた「素っ裸おじさん」と地元民との“フクザツな関係”(2015年12月9日)
無人島暮らしをする「ナガサキおじい」こと長崎真砂弓(まさみ)さん(79)は、この生活を四半世紀近く続けている。好きな時間に起き、食事はタケノコやニガナ(沖縄特産の野菜)など。魚も獲っていたが、“何だか可哀そうになって”最近は獲らない。たまにボートに乗って買い出しに行くほかは一糸まとわぬ姿の彼を目当てに、マスコミや観光客が多く訪れる。
 ***
今から1年ほど前、長崎さんはそれまで暮らしていた「外離(そとばなり)島」を離れ、3~4キロ離れた「モクタンの浜」へ引っ越した。その理由を本人に聞くと、顔を曇らせるのだ。
「やっぱり大きかったのはフジテレビの番組(めちゃ×2イケてるッ!)に出たことだったと思う。あれで取材や観光客がどっと来てしまってね。いろいろ文句を言う人がいたんだと思う。僕が観光客に媚を売る必要はないけど、連れてくるのは西表の人たちだから。その人たちの手前、冷たくはできないよ。それもあったところに、地主の家族やその知り合いがやってきて、“出てってくれ”と言われたんだ。外離島でヤギ牧場をやるとか、シイタケ畑をやるからというのが理由だったな」
■真似する輩も
テレビなどで取り上げられ、観光客が増えたという声がある一方、実のところ、おじいの存在をめぐっては地元でも賛否が分かれている。
例えば、おじいに退去を迫ったのは、近くの集落・船浮の住人だ。その人物が言う。
「たしかに長崎さんに出て行くようにお願いしたのは私さ。東京の隅田川沿いだってホームレスが住んでいたら退去させられるでしょう。それを、自然が豊かで人が少ない西表だからと言って許される問題じゃない。年頃の女の子がいる家族連れがやってきて裸の長崎さんを見たらどう思うかね。私はテレビの番組を見たから出てけって言ったわけじゃないけど、真似する人が出てくるのも困る。実際に去年の春頃、長崎さんの真似をしてフルチンで暮らしていた人が隣の“内離(うちばなり)島”に現れました。長崎さんのことを“センパイ”って言ってたな。“あんた、自分の地元でそんなことが出来るかね”と言ってやったら、いつの間にかいなくなったけどね」
また、地元のホテルの女将に聞くと、
「長崎さんはあんな生活をしているけど、話してみると意外にまともで挨拶もする。地元で特に悪い評判はないんです。だけど、迷惑ではないのかと聞かれたら迷惑だし、心配もあります。このあたりの人たちは、当番制で消防や行方不明者の捜索を任されているんです。勝手に死なれたりしたら困るのは地元の住民ですから」
ナガサキおじいには、さらなる“追い打ち”もかかっている。今年の9月17日、「モクタンの浜」からも立ち退くよう、林野庁から通告を受けているのだ。
「外離島の長崎さんが住んでいた場所は私有地でしたが、モクタンの浜は国有林なのです。だから、長期のキャンパーなどを見かけた場合、注意しないわけにはいかない。長崎さんは“分かりました。他に場所がないか検討します”と言ってくれてはいますが、ずっと住み続けるのなら、いずれ退去命令などを出さなくてはならない。個人的には可哀相な気もするのですが」(祖納森林事務所の担当者)

その後長崎さんはどうなったのか。ここから先は日本で報道されていないようですが、海外ニュースの翻訳記事によると、まず2018年頃、モクタンの浜で倒れているのが見つかり、強制的に病院へ入れられました。

スプートニク:「裸で離島暮らし30年 日本のロビンソン・クルーソーが強制的に文明に引き戻される」(2018年6月26日)
ニュース・コム・アウの報道によれば、「82歳で水道もモバイル通信も電気も服もない離島暮らしをたった一人で送ってきた日本人ロビンソンクルーソーのマサフミ・ナガサキ」さんは、先日、地元当局に強制的によって島から連れ去られ、病院に収容された。

そしてこれも海外のニュースからの翻訳で、去年の状況です。

ARIO.NYC:全裸で孤島暮らし 長崎真砂弓さん30年ぶりに島に戻る(2022年6月21日)
ある年金生活者が4年間の文明開化を経て、離島に帰ってきた。長崎真砂弓さん(86歳)は、家族や友人を残して29年間無人島で暮らしていましたが、2018年に日本政府によって強制的に文明に戻されました。そして今、現実世界での生活で不安や不満を抱えたまま、八重山諸島の外離島にある自宅への帰還が許されたのです。今、真砂弓は南国の島で幸せに暮らすために服を捨て、再び自由を感じている。

上の記事は一部語訳があり、オリジナルの記事:Masafumi Nagasaki returned to his desert island(2022年6月16日)からかいつまんで翻訳すると:

2018年4月、地元の漁師が、長崎さんが浜で気を失っているのを見つけた。本人は浜で死ぬことを望んだにも拘わらず、日本政府は強制的に彼を入院させた。その後4年間小さな部屋を与えられて生活することとなったが、結局文明社会に馴染めないままであった。そこで記者らが、外離島を訪れたいかと誘ったところ、喜んで企画に参加してくれた。1日外離島で一晩みんなと過ごしたが、翌日一人で生活できるだけの体力がもはやないことが分かり、納得して島に別れを告げて現在の住まいに戻った。

まあこれらの記事を見る限り、もうこの老人が外離島に戻ることはなく、外離島は2014年の時点で無人化したという扱いで問題ないということになります。【追記】よって[109308]にまとめらた表では、外離島は牛ヶ首島と前ノ島と同様に2015年無人化のグループに仲間入りさせるべきとなります。


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