> 新潟県は畿内に近い方から上越、中越、下越と区分される
いつから始まった区分なのか私は知らないのですが,通常「上越」は高田や直江津(つまり上越市)を中心とする頸城地方を指します。県北部の岩船地方や北蒲原地方が「下越」なのは疑いがありません。
微妙のなのは「中越」と「下越」の境界と,新潟の位置付けです。
通常,「中越」というのは長岡を中心とする地域と理解されていて,その場合には長岡市(古志郡と三島[さんとう]郡にまたがる)を中心に古志・三島・刈羽の各郡および魚沼3郡と,それに三条を中心とする南蒲原地方が含まれます。
「下越」を新潟を中心とすると考えれば岩船・北蒲原に加えて,西蒲原・中蒲原・東蒲原3郡も「下越」に含まれることになります。でも文化的には,新潟は中越の方に近く,先の岩船・北蒲原に限った方が合理的なこともあります。
つまり,一番問題なのは蒲原地方をどうわけるか,ということなのです。
行政の立場では,やはり新潟を「下越」に含めることが多いのですが,「中越」との境目はそれぞれの機関によってまちまちです。
ご参考までにこちらをどうぞ。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/kubun/tyubu_1.htm#niigata
気象庁の予報区分についてはこちらを。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/tenki/t-hoku.htm#niigata
> これらの区分と「柏崎県」との関係は?
これはこちらを。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/huken/k-tyubu.htm
魚沼地方は「中越」に含まれます。特に上越線(これは“上州・越後間の路線”という意味。頸城の上越とは全く無関係)で長岡と結ばれた北魚沼(小千谷が中心)と南魚沼(一応,六日町が中心)は問題ありません。ただ,十日町を中心とする中魚沼地方は高田・直江津方面との結びつきも強く,衆議院の中選挙区時代には上越と同じ「新潟4区」に含まれていました。長岡を中心とする中越地方は,言わずと知れた「新潟3区」ですね。「1区」は新潟近郊と佐渡,「2区」は下越というわけ。
> 千曲川と信濃川の分界
長野県と新潟県の県境です。
越後の方では「信濃から流れてくる川」という意味で「信濃川」と呼んでいるのでしょうね。
信州では「千曲川」というオリジナルの名前があるし,“信濃を流れているのは自明の理”という意識があるのかもしれません。
相模川は「相模の真ん中を流れ,相模を代表する川」という意味なのでしょうが,信州の人にはそういうネーミングをする感覚がなかったのかもしれませんね。
このあたり,昔からそう呼んでいるだけで別に理屈はないでしょう。全国で命名法が首尾一貫している必然性など,どこにもありません。
> 「千曲」と「筑摩」
「千曲川」というのは,漢字で書いたとおりの意味だと言われていますが,どうでしょうか。
「筑摩」は今でこそ「ちくま」と読んでいますが,もともとは「つかま」と読んでいました。現在でも,松本市南部の「筑摩地区」は「つかま」と読んでいます。
だから,これは“偶然の一致”と考えてよいでしょう。