[29641]で探していた資料というのは実は沖縄県の水稲の栽培暦、またはそれに準ずるものだったのですが、水稲の技術書を見てもこれがなかなか出てこない。
東南アジアの水稲栽培の本なら有ったのですが。
で、半ばあきらめていたのですが、何のことはない、JAおきなわのホームページ内に出てたですよ。
http://www.ja-okinawa.or.jp/agriculture/rice.html
これを見ると、沖縄本島、八重山諸島ともに3月と8月が標準的な田植え時期でよいようです。
一期目の収穫と二期目の田植えが一月以上空いているのは台風がよく来る時期だからなんでしょうか。
それから、資料を探している中で、全国各都道府県の平成16年の水稲奨励品種の一覧が載っている冊子を見ることができました。
以前にも書きましたがここ近年は収穫時期の違う品種を組み合わせて栽培することが一般的になっており、そのため一覧に出ている品種の数はべらぼうなものでした。
そこで、標準移植日が遅いものがある都道府県をピックアップしてきました。
1番は、やっぱり沖縄県でした。
‘台中65号’の二期目が8月15日。その他の品種も、二期目はすべて8月中でした。
2番は高知県。
‘タマヒメモチ’(餅米品種)が8月11日でした。
野菜後作に作られる‘黄金錦’は、一覧の中では移植時期が6月5日だったと思います。実際には6月と7月に田植えが行われているはずなのですが、面積的には6月のほうが多いのかも。
3番は熊本県。
熊本県内でも一部地域は特に田植えが遅いそうで、その地域向けの品種‘バンバンザイ’が7月12日になっていました。
4番は大分県。
‘はえぬき’が6月24日になっていました。
5番は群馬県。
‘ゴロピカリ’ほか数品種が6月23日になっていました。
6番は埼玉県。
‘キヌヒカリ’ほか数品種が6月22日になっていました。
6月20日以前は多くの都道府県があるので、以下省略です。
なお、ここで書いた日付はあくまでその県が推奨する「標準的な」田植えの日です。
この日から大きくかけ離れて田植えをする方はどこの県でも必ずいますので、実際の「一番遅い田植え」の日を表すわけではありません。
が、おおむね上記の順位に近しい結果になってくるだろうと思います。
[29469] じゃごたろさん
じゃごたろさんの挙げられたHPの元になった統計はこれですね。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/suitou-hinshubetsu2003/suitou-hinshubetsu2003.pdf
[29395]の書き込みをする前に上記ページも見ているのですが、「田植え時期の遅さ」には直接関係ないと思われたので触れませんでした。
品種の統計に沖縄が出てこない件については、沖縄県内の稲の栽培規模自体が小さすぎるためだろうと思います。
同じく、農水省ホームページにある、次の統計を見てください。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/suirikutou2003/suirikutou2003.pdf
平成15年の栽培実績では沖縄は下から2番目、作付面積は全国の0.1%、収穫量は0.04%しか有りません。
品種の統計に沖縄を入れると、値が小さくなりすぎるため省かれたのではないかと思います。
全国最下位の東京都も出てきませんし。
[29523] だんなさん
色々調べている中で聞いた話なのですが、沖縄県内は他の都道府県が開発している水稲品種の継代・育成に協力しているそうなのです。
同じ品種で年2作収穫できるのは国内では沖縄だけなので、増殖に都合がよい、と言うのがあるのでしょう。
(高知の二期作は、一期目と二期目の品種が異なる)
ただ、そういう取り組みがいつ頃から有ったのかまではわかりませんでした。
もしかしたら平成5年より前から岩手県育成品種の採種圃場が沖縄にあった可能性もあります。
しかし、平成5年の大冷害では、特に東北地方は壊滅的な打撃を受けているので、岩手県の持つ品種が消滅する可能性すら有ったと思います。
沖縄での採種が、岩手の稲作の生命線だったんでしょうね。
おそらく、通常の採種圃場よりも大規模に作付けが行われたのでしょう。
その結果、‘ひとめぼれ’が沖縄での栽培にも向いていることがわかったのだと思うのです。
何でも、新たな水稲の品種を育成する場合、育種の目標とするところに関係ない特徴というのは試験段階ではあまり調査せず、品種として登録され普及していく中で徐々に明らかにしていく(なっていくといった方が良いかも?)のだそうです。
‘ひとめぼれ’は元々耐低温性品種として育成されていますが、高温に耐える性質も持っていたか、そこまで行かなくても高温には鈍感だったのかもしれません。
その上、食味もそれまでの沖縄の品種と比べると格段に良かったでしょうから、一気に広まったのだと思います。
[29538] みやこさん
だいぶ前にも書きましたが、どっちかというと米は詳しくありません。
ただ、どの辺にデータが有りそうか、というのがわかるのでして。
自給率については…難しいですね。
米は、まだまだ余力があるのを減反で押さえているぐらいですし。
でも現状ではたくさん作れば必ず米が余るので…。
石油に関しては、フランスやドイツも近しいことがいえるかもしれません。