[94012] 千本桜
クイズここはどこでしょう AからSに当てはまる字句をお答えください
白桃さん、特急とりあたまさん、シノレパシクソさん、おつきあいいただきましてありがとうございました。解答は下記の通りです。
A
東根市・
東根IC、B
村山市、C
背炙峠、D
尾花沢市、E
延沢城・
延沢集落、F
銀山温泉・
銀山川、G
白銀の滝、H
大石田町・
大石田駅、I
最上川、J
国道13号、K
舟形町、L
小国川、M
国道47号、N
陸羽東線、O
最上町、P
瀬見温泉、Q
喜至楼、R
山形県、S
新庄市・
新庄まつり・
新庄駅
C背炙峠、E延沢城、G白銀の滝、Q喜至楼などの固有名詞はマイナーすぎて難しかったかもしれません。伏せ字に解答を入れると、以下のようになります。
東根市の東根インターで高速道路をおり、村山市を走行しています。東根市と村山市は隣接していてライバル同士。市制施行は、村山市が昭和20年代、東根市が昭和30年代で、村山市が少し先輩。当時は村山市が中心都市で、東根市を商圏に組み込んでいました。ところが今では東根市が中心都市で、村山市を商圏に組み込んでいます。昭和35年の国勢調査人口は、東根市を100とすると村山市も100で互角の関係でしたが、今では東根市100、村山市50の間柄。先輩村山市は後輩東根市の半分になってしまいました。人口が増え続ける東根市と減り続ける村山市。マクドナルド、モスバーガー、ミスタードーナツ、ケンタッキーフライドチキン、それにヤマダ電機もケーズデンキも全部東根市に出店して、村山市には出店しません。判官贔屓の私は、衰退して行く村山市が不憫でなりません。でも、ここはやはり、発展を続ける東根市の施策を称賛すべきなのでしょう。
村山市から県道で背炙峠を越え、尾花沢市の延沢集落へ向かいます。主要地方道なのに、背炙峠付近は道幅狭くてヘアピンカーブ。進むにつれて心細くなる。夜間は絶対に通りたくない。追い剥ぎに出くわしたら大変だ。でも、そんな心配も取り越し苦労に終わり、熊やヒッチハイカーなどに遭遇することもなく、無事に背炙峠を越えることができた。背炙峠を越えて7キロ、室町期から江戸初期にかけて延沢城があった延沢集落に差し掛かった。延沢城は典型的な山城で、城址は国の史跡に指定されている。だが、私の興味は延沢城址の麓に横たわる延沢集落にある。昔の人は宿場町の細長い街村を「ふんどし町」と呼んだが、この延沢集落の細長さは「ふんどし」どころか「ひも」である。
古い時代の歴史を秘めた延沢城址や延沢集落を散策してみたいが、今回はパスして銀山温泉へ急いだ。銀山温泉はワンダーランド。銀山川を挟んで、和洋折衷の木造3階、4階建ての旅館が建ち並んでいる。和洋折衷というか、疑洋風建築はどこか色っぽい。わずか300メートルの区間だが、土産処、食事処、さらには共同浴場や足湯まで揃っていて、まるでテーマパークのようだ。その上、温泉街のどん詰まりには、落差22メートルの白銀の滝が流れ落ちている。白銀の滝を眺めていたら、ぽつりと雨が。もっと奥へ進むと鉱山跡を見ることができるが、次第に強くなる雨に回れ右して引き返し、昼食予定地の大石田町へ向かった。
大石田町はその昔、最上川の河港として栄えた町。立ち寄りたいスポットもあるのだが、雨のため観光を断念。大石田駅の駅舎内に店を構える蕎麦処で昼食。立ち食いではありませんよ。駅舎内店舗だから日除け幕は要らないのに、デザインに気配りしてか、和風の日除け幕を張っている洒落た店。そのような蕎麦処です。この大石田駅、1日平均782人しか乗らないのに、みどりの窓口はあるわ、観光案内所はあるわ、そして指定席券売機まであるんです。そういえば、以前は大石田駅から尾花沢市の市街地まで鉄道が走っていました。
昼食を済ませ、大石田町を出発。どしゃ降りの雨の中、国道13号を北へ14キロ走って舟形町の市街地へ差し掛かった。おー! 雨降りのシチュエーションに48年前の記憶がよみがえる。あの日、自転車旅行をしていた私は、この舟形町を走行中に雨に降られ、民家の軒下で雨宿りをしたのだ。その軒下らしきものが前方左手に見えるではないか。ググッと懐かしさがこみ上げてくる。舟形町で国道13号を右折して県道に進入。最上川の支流の小国川に沿って進むこと15分。両側に山が迫る谷間を、小国川、国道47号、東日本鉄道陸羽東線が束になって走る最上町の瀬見温泉に着いた。瀬見温泉には義経伝説があり、温泉を発見したのは弁慶で、亀若丸(義経の子)の産湯は瀬見温泉の湯だそうな。
瀬見温泉には、ボロ宿で知られた漢字3文字の喜至楼と言う名の旅館がある。一生無縁と思っていたのに、訳あって仕方なく喜至楼に宿泊することになった。確かに古くさい、カビ臭い、薄暗い。蛇口からは茶色い沢水が出てくる。案の定、ひどすぎる。でも、私は見てしまったのです、この宿の正体を! 薄暗い迷路のような館内に好奇心が揺り起こされ、館内探検を決行。なんだ、あの欄間の美しさは。なんだ、この階段のしっかりした造作は。あれもこれも古いのに、基本が立派でビジュアルなのだ。そうか、この喜至楼こそ、山形県で1番最初の政府登録・国際観光旅館だったのだ。それは高級旅館のあかしだが、その後のメンテナンスが追いつかず、ボロ宿の烙印を押されてしまったのだろう。ちなみに喜至楼は、山形県に現存する温泉旅館では最古の建築だそうです。ボロだけど文化財みたいな旅館に泊まれて感激!
午後4時半、喜至楼旅館を外出して新庄市へ向かう。伝統行事「新庄まつり」の宵まつりを見物するためだ。国道47号を西へ15キロ走って、新庄駅の東口駐車場に到着した。東口駐車場は1千台駐車可能の広々した無料駐車場。人口3万人台の市にしては、何かと規模が大きく都会的である。宵まつりのメイン会場となる西口へ徒歩移動。西口は旧来からの玄関口で、大きくて斬新なデザインの駅舎が印象的です。新庄駅はこの地方と東京を結ぶターミナル駅なのだ。午後7時、電飾に照らされた極彩色の山車が、囃子を引き連れて広場へ入場してきた。山車は町衆が毎年新しく作り、囃子は在郷衆が奏でるらしい。1番運行「一寸法師京都成り上がり」から20番運行「平安絵巻雛祭り由来」まで、華やかに飾られた20台の屋台が興奮と熱気に包まれて練り歩く。それが新庄市の夏のフィナーレなのです。
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