[75356]mul-saさん
[75360]YASUさん
韓国では1995年と98年に市郡の大合併が行われましたが、その際に多くの市は、合併前の市の名称を引き継いでいます。
市と郡の名称が同じだったケースが少なくないですが、市と郡の名称が違っていても、市の名称を取ったところが多いです。
しかし、益山市のほかにも、郡の名称を取ったところが9市あります。
道 | 合併前の市 | 郡 | 合併後の市 | 旧市部の中心駅(空欄は鉄道なし、または旧市部に駅なし) |
京畿道 | ●金市 | 南楊州郡 | 南楊州市 | 中央線陶農駅 |
忠清南道 | 温陽市 | 牙山郡 | 牙山市 | 長項線温陽温泉駅 |
| 大川市 | 保寧郡 | 保寧市 | 長項線大川駅 |
全羅北道 | 井州市 | 井邑郡 | 井邑市 | 湖南線井邑駅 |
全羅南道 | 東光陽市 | 光陽郡 | 光陽市 |
慶尚北道 | 店村市 | 聞慶郡 | 聞慶市 | 慶北線店村駅 |
慶尚南道 | 長承浦市 | 巨済郡 | 巨済市 |
| 三千浦市 | 泗川郡 | 泗川市 |
| 忠武市 | 統営郡 | 統営市 |
※●はさんずいに「美」
これを見ると、益山市と同じ全羅北道にある井邑市も、旧井州市にある駅が「井邑駅」に改名されていることが分かりますが、他の道にはこうした例は存在しません。
全羅北道の2市だけが、中心駅の駅名を改称したという点で興味深いです。
牙山市には現在、長項線の牙山駅がありますが、2007年に開業した、KTX天安牙山駅との乗り換え駅です。
光陽市には慶全線の光陽駅がありますが、これは合併前の光陽郡光陽邑にあり、中心部の旧東光陽市からは離れています。旧東光陽市は製鉄所とともに建設された計画都市です。
(「邑」は日本の町に相当するもので、村に相当する「面」もありますが、韓国では郡が自治体で、郡庁や郡議会、公選首長の「郡守」がいます。)
聞慶市は廃線になった聞慶線(炭鉱線)に聞慶駅がありましたが、これも合併前の聞慶郡聞慶邑にありました。
当時は群山-長項間の湾の部分が接続されていなかったので、再訪することとなるでしょう(笑)
長項線は牙山市の新昌駅まで電化され、ソウル駅から日立製の電車特急が乗り入れるようになったので、これと合わせるのも一興ですね。
市名ではなく郡名(広域地名?)を継承したあたり、合併にあたっての事情があるのでしょうか?
95年の大合併の時には、住民投票が行われており、その結果が市名にも反映されたものと記憶しています。
98年に合併した全羅南道麗水市・麗川市・麗川郡の場合は、95年の大合併時に住民投票で反対多数となり、何度目かの正直で合併に漕ぎ付けました。
また、同道木浦市と務安郡の合併は、何度も住民投票をやっても、反対多数で合併に至りませんでした。