[6312]
> りんかい線は、東京都が出資している第3セクターです。ところで、同じお台場を走る
>ゆりかもめも東京都が出資する第3セクターです。同じ親会社が同じ場所で血みどろの争
>いをすることに、無駄があると東京都は考えないのでしょうか?
>ゆりかもめではなく、車両をりんかい線と同じにして相互乗り入れや線路の共有化などを
>すればもっとゆりかもめは安くできたはずなのに・・・。
当時の社会情勢では全く無駄とは考えられていませんでした。
まず、ゆりかもめ。
東京都は副都心地区として東京テレポートの開発に力をいれ、旅客アクセス手段として
新交通システムが計画され、都出資の第三セクター「東京臨海新交通」が設立されます。
時は昭和62年。バブル真っ盛りのころです。
なぜ鉄道でないかというと、新交通システムであれば建設省の港湾整備特別会計または
道路整備特別会計から補助がでて有利だからです。
「鉄道は運輸省、道路は建設省」という縦割り行政の弊害とも言えますが、新交通
システムを軌道扱いとして道路事業の一つとして位置づけ、建設費を補助する制度です。
ちなみに、この補助金は国営・公営には適用されますが、民間事業には適用されません。
いわば第三セクターのためにあるような制度です。
ですから当時の制度からして、ゆりかもめを鉄道にすることはありません。
鉄道として建設されることはありえませんでした。
***
また、当時は副都心東京テレポートの就業人口は10万人と計画され、新交通システムだけ
では輸送力不足になる懸念がありました。そこで白羽の矢が立ったのが、テレポートの
すぐ近くで朽ち果てかけていた路線でした。
それが、りんかい線。
そもそもこの路線は、国鉄の貨物輸送華やかなりし頃、千葉港から新木場を経由し、大井
貨物ターミナルを結ぶ京葉貨物線として計画され、建設途中で放棄された路線でした。
これをテレポートへのアクセス鉄道として活用しようと、東京都主体で第三セクターの
「東京臨海高速鉄道」が設立され、国鉄清算事業団から路線を譲受したのが平成3年。
まだバブルが続いていた頃です。
その際、行き先を大井貨物ターミナルから大井町・大崎方面へ変更しています。
その後バブルの崩壊でテレポートの開発が大幅に遅れ、期待したほどの輸送人員が
無いことは皆さんご存知の通り。
ですから、双方とも東京都が出資する第三セクターと言う点では同じとはいえ、
2路線は全く成り立ちが違う路線なのです。
計画段階からでも、共用化は全く不可能なことだったと言えるでしょう。