[84256] オーナー グリグリさん
関東地方の人口変遷をまとめる過程で、当サイトの市区町村変遷情報に要修正箇所を見つけましたので以下報告します。なおどれも本質的には間違いと言うほどのものではありません。
(1) 千葉県平川町 (千葉県#220、#222)
君津郡平川町への根形村の一部、富岡村の一部の編入は同日です。法令上では別になっているのかも知れませんが、他のケースでも同様に別扱いとしているのでしょうか?本件に関しては、千葉県#220、#222を合わせ、#222を消して以下のように変更するべきではないでしょうか?
# | 変更年月日 | 変更種別 | 郡名等 | 自治体名 | 変更対象自治体名/変更内容 | 詳細 |
220 | 1955(S30).3.31 | 編入 | 君津郡 | 平川町 | 君津郡 平川町, 根形村の一部, 富岡村の一部 | 詳細 |
(2) 埼玉県入間郡毛呂村の編入先 (埼玉県#55, (埼玉県#56))
『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その11埼玉県』によると
昭和13. 4. 1. 入間郡毛呂村及び山根村の各一部(人口異動なし)を同郡高麗川村に編入。
昭和13. 4. 1. 入間郡毛呂村(3 329)及び山円村(2 668)を廃し、その区域をもって毛呂山町(計5 997)を設置。
とあり、人口異動なしとはいえ入間郡毛呂村の一部は、同様に人口異動なしの山根村の一部と同じ日付で高麗川村に編入されています。よって埼玉県#55を以下のように変更する必要があると思います。
# | 変更年月日 | 変更種別 | 郡名等 | 自治体名 | 変更対象自治体名/変更内容 | 詳細 |
55 | 1939(S14).4.1 | 編入 | 入間郡 | 高麗川村 | 入間郡 高麗川村, 毛呂村の一部, 山根村の一部 | 詳細 |
(3) 世良田村の編入について (群馬県#102, (群馬県#103)
変遷情報では1957年(昭和32年)11月1日付で尾島郡世良田村と新田郡尾島町の間で境界変更、同日に尾島郡世良田村が佐波郡境町に編入とありますが、昭和35年国勢調査報告の「付表2 市区町村の廃置分合, 境界変更, 名称変更一覧表」(
pdfファイル)によると、
32.11. 1 新田郡世良田村の一部(4,905)が尾島町に編入
とあり、異動人口は佐波郡 境町に編入された旧新田郡世良田村の人口(4368人)よりも多いくらいです。よって群馬県#102, #103の双方を編入とし、以下のように変更するべきではないでしょか?
# | 変更年月日 | 変更種別 | 郡名等 | 自治体名 | 変更対象自治体名/変更内容 | 詳細 |
102 | 1957(S32).11.1 | 編入 | 新田郡 | 尾島町 | 新田郡 尾島町, 世良田村の一部 | 詳細 |
103 | | 編入 | 佐波郡 | 境町 | 佐波郡 境町, 新田郡 世良田村の一部 | 詳細 |
(4) 久慈郡染和田村について (茨城県#127, #129)
変遷情報では1955年(昭和30年)3月1日付で久慈郡河内村の一部が久慈郡染和田村に編入後、同日に久慈郡山田村と久慈郡染和田村が合併して久慈郡水府村となっています。法令上は別でしょうが、このようなケースについて他の変遷情報ではまとめて記載しているように見受けられますがどうでしょうか?よってこれも両者を合わせて、茨城県#129を削り、以下のようにまとめるべきではないでしょうか?
# | 変更年月日 | 変更種別 | 郡名等 | 自治体名 | 変更対象自治体名/変更内容 | 詳細 |
127 | 1955(S30).3.1 | 新設 | 久慈郡 | 水府村 | 久慈郡 山田村, 染和田村, 内村の一部 | 詳細 |
というわけで、
[84253] でアップしたエクセルファイルに、神奈川県、東京都/府、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県の情報を加えたものを以下にアップしました(LHA圧縮、約2.9Mb)。
http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/796/41todofuken.lzh
●新潟県岩船郡粟島浦村については公的な出版物である
『新潟県市町村合併誌 下』の記載に従いました。
●東京府/東京都に関しては、北海道/北海道庁や米軍下の沖縄県と同様に、エントリーの区別はつけませんでした。
●明治31年の東京府小笠原島の人口は、
『明治三十一年 日本帝国人口統計』では合計4519人の情報しかありませんが、
『明治三十一年 東京府統計書』により、島別人口の情報を補いました。ただし村別人口は不明です。
●明治31年の東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口682人は
明治35年年7月8日の『官報 第5702号』により追加しました。
●明治41年の東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(544人)の追加と三重県員弁郡大泉村の現住人口の改訂(1495人→1584人)は、『
明治44年9月6日の『官報 第8464号』』によります。なお官報には他の訂正も載っていますが、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では東京府青ヶ島と三重県員弁郡大泉村の現住人口以外については修正・対応済みです。
●昭和22年臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」については、「追加補正」という分類により、以下のエントリーで対応しました。
地域名 | 人口 |
宮城県玉造郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 21 |
宮城県栗原郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 71 |
宮城県登米郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 60 |
宮城県本吉郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 55 |
下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 60 |
足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 207 |
北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 53 |
南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、八幡村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 84 |
北葛飾郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数 | 321 |
●昭和20年人口調査における「報告もれ等の人口」については、昭和22年の臨時国勢調査での水害地の調査もれとは違い、実際には集計の訂正よる人口減も含まれてしまっています。これらの修正は、昭和20年末に
官報に公表された数字と、
『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)の出版の間で行われており、市部・郡部での総計の修正しか詳細は判りません(
[82196]参照)。これらについては、「追加修正」という分類により、以下のエントリーで対応しました。
地域名 | 人口 |
宮城県市部の地域別不詳の報告もれ等 | 778 |
宮城県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | 160 |
秋田県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | -91 |
茨城県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | -229 |
埼玉県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | 171 |
千葉県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | -11 |
長野県市部の地域別不詳の報告もれ等 | 100 |
愛知県市部の地域別不詳の報告もれ等 | 288 |
愛知県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | 225 |
京都府郡部の地域別不詳の報告もれ等 | -1 |
山口県市部の地域別不詳の報告もれ等 | -49 |
香川県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | 147 |
熊本県郡部の地域別不詳の報告もれ等 | 139 |
●東京都の昭和19年人口調査に関しては、
『昭和19年人口調査 集計結果摘要』に従い、1954年末頃の区町村別境域に従った人口をイタリックで掲載しました(
[82202]参照)。なお昭和20年の人口調査と昭和22年の臨時国勢調査に関しては、人口の不一致の解消を図りましたが、昭和19年の人口調査は全ての都道府県で市区町村別人口の合計と都道府県別人口が一致しません。官報等で人口が報告されている気配もなく、これらの人口修正が行われた時期も不明であり、現状では昭和19年の人口調査のみ、人口不一致が残ったままとなっています。
入力が済んでいない残りは東北のみで、ほぼ全体の90%が完成といったところです。既にエントリー数は2万を超え、最終的には2万3千くらいになるでしょうか。なお相当数の入力間違いが含まれており、再チェックはとりあえず全貌が完成してからです。
入力作業で問題となるのは、国勢調査報告書に間違いがある点です。特に昭和15年の国勢調査報告書は、町⇔村の間違いが多く、昭和25年の国勢調査報告書は数字の間違いが多いようです。