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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[63726]2008年2月13日
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[63734]2008年2月14日
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[63735]2008年2月14日
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[63726] 2008年 2月 13日(水)19:36:57【1】hmt さん
「有史以前」の人口統計
[63711] 白桃 さん 明治31年「日本帝国人口統計」

明治2年「版籍奉還」が実施されました。「版」は 版図=領地 のことですが、「籍」の方は「領民を登録した帳簿」です。
土地・職業に固定された封建時代の人民は、人別帳や宗門帳に登録され、籍帳は毎年更新されていたようです。

明治になって産業構造が変化すると、人別帳による管理は不可能になり、代りに「戸籍」で管理する制度が創出されました。最初に作られた戸籍制度は、6年ごとの戸籍編成(戸籍法第四則)を建前としていましたが、実際には明治5年に「壬申戸籍」が作られた後、いつまでも一斉調査が実施されませんでした。

戸籍法第五則では、“編成は爾後6ヶ年目を以って改むべしと雖も、其間の出生死去出入等は必其時々戸長に届け…”となっており、絶え間なく進行する出生・死亡・結婚・寄留等のデータが集まる各地の戸籍役場では、一斉調査に備えた付箋を貼り付けていたので、戸籍簿は付箋だらけになりました。

このような事態になると、いっそのこと一斉調査などやめてしまえということになります。
届出を強制すれば、最新の追加情報は自動的に入手できます。付箋を使わずとも、戸籍簿に直接追記することができるように、あらかじめ各人毎に欄を区切った罫線入り戸籍簿にしておきます。これが明治19年式戸籍制度でした[62667]サンプル

この届出方式は、個別の管理には適合しており、現在まで踏襲されていますが、政策を決めるためのデータの取得には不向きでした。
例えば、軍部は非常時に動員できる医師・看護員・職工・舟夫などの「人的資源」を把握しておく必要があります。そのようなデータを独自に調査集計したリストには、「徴発物件表」[63482]というその目的を端的に示した名前が付けられています。その前身は「共武政表」[62939]という名でした。

戸籍事務を管轄していた内務省も、人口統計を発表しています。
本籍人口をベースに、寄留などによる出入を修正して「現住人口」を求めたものです。
明治5年から19年のデータは、明治期日本全国人口統計データ [63483] oki さん に集録されていますが、府県別、郡区別などであり、7万以上に及ぶ町村別のデータはありません。

市制・町村制が実施された明治22年になると、39市・15859町村 の年末現住人口データが、翌年10月の 内務省告示34号 で発表されました。
39市が右側の1頁にちょうど収まって、別格の存在であることを示しているようです。

明治22年以降明治30年まで(1889-1897)毎年末の「市町村現住人口」が内務省告示で発表されています。
この時代の人口データには、市制・町村制が実施されなかった北海道と沖縄県、それに島嶼のデータが欠けています。

明治31年(1898)新たな戸籍法の実施に伴ない、戸籍事務は司法省の所管に移り、人口統計事務は内閣の直属として統計局が扱うことになりました。
「明治三十一年日本帝国人口統計」 は、この時に内閣統計局によりまとめられたものです。

この明治31年以降は、町村制にかかわらず北海道と沖縄県、それに島嶼のデータも集録対象になりました。
なお、「日本帝国人口統計」は明治34年(1901)の発行ですが、その前年の 官報付録 で、「道府県島郡市町村現住人口」が発表されています。
官報の注釈(一部を引用)
明治31年12月31日に於ける其市町村の本籍人口に入の人員を加へ出の人員を除きたるものなり 陸海軍在営艦准士官以下の人員及び在監人員は本表に参入せず
「日本帝国人口統計」の方は 兵営・軍艦・監獄にいる人数も数えるので、官報の人口とは異なる値になります。参考

官報付録では、明治36年末、明治41年(1908)末と、5年ごとのデータが発表されています。
これに続く大正2年(1913)、大正7年(1918)のデータは 「日本帝国人口静態統計」 があります。

そして、最終的には戸籍制度とは別に「国勢調査」が実施されることになりました。
前記大正7年のデータが発行された大正9年(1920)がその年であり、内閣統計局改め「国勢院」という名前になっていました。

第1回国勢調査が行なわれた1920年よりも前は、この落書き帳では「有史以前」[19923]と呼ばれていました。
その時代にも、戸籍をベースとした政府の人口統計があり、市制町村制実施の1898年以降ならば1年~5年の間隔で市町村単位の現住人口が近代デジタルライブラリーで閲覧できることを紹介しました。
[63734] 2008年 2月 14日(木)15:43:35hmt さん
「有史以前」の人口統計・データ編(1)
「有史以前」[19923]、すなわち第1回国勢調査(1920)よりも前の 市町村別人口統計[63726] のデータ編です。
代表的な資料として、次の4つを選び、府県別リンクによって 10年以内の間隔で市町村人口が得られるようにしました。

M22:市制・町村制が施行された明治22年(1889)の内務省告示による現住人口
M31:内閣統計局の明治31年(1898)日本帝国人口統計、北海道・沖縄・島嶼を含む最初のデータ
M41:明治41年(1908)内閣統計局による現住人口
T2:大正2年(1913)日本帝国人口静態統計

現在のJISコード順と異なる府県の配列が使われているので、見出しを付けました。[34038] Issie さん 参照
なお、明治22年の39市だけは、別格として、府県別リストに含まれていません。

三府
東京府M22  東京府M31  東京府M41  東京府T2
京都府M22  京都府M31  京都府M41  京都府T2
大阪府M22  大阪府M31  大阪府M41  大阪府T2

五港(但し函館は別)
神奈川県M22 神奈川県M31 神奈川県M41 神奈川県T2
兵庫県M22  兵庫県M31  兵庫県M41  兵庫県T2
長崎県M22  長崎県M31  長崎県M41  長崎県T2
新潟県M22  新潟県M31  新潟県M41  新潟県T2

関東(新しい首都圏。既出の東京・神奈川を除き5県)
埼玉県M22  埼玉県M31  埼玉県M41  埼玉県T2
群馬県M22  群馬県M31  群馬県M41  群馬県T2
千葉県M22  千葉県M31  千葉県M41  千葉県T2
茨城県M22  茨城県M31  茨城県M41  茨城県T2
栃木県M22  栃木県M31  栃木県M41  栃木県T2

畿内(昔の首都圏、但し京都・大阪・兵庫は既出であり、堺県が廃止された後は奈良県のみ)
奈良県M22  奈良県M31  奈良県M41  奈良県T2

東海道(関東は既出なので伊賀から甲斐までの9ヶ国にあたる4県)
三重県M22  三重県M31  三重県M41  三重県T2
愛知県M22  愛知県M31  愛知県M41  愛知県T2
静岡県M22  静岡県M31  静岡県M41  静岡県T2
山梨県M22  山梨県M31  山梨県M41  山梨県T2

東山道1(近江・美濃・飛騨・信濃までの4ヶ国にあたる3県。上野・下野は関東で既出)
滋賀県M22  滋賀県M31  滋賀県M41  滋賀県T2
岐阜県M22  岐阜県M31  岐阜県M41  岐阜県T2
長野県M22  長野県M31  長野県M41  長野県T2
[63735] 2008年 2月 14日(木)15:51:17hmt さん
「有史以前」の人口統計・データ編(2)
第1回国勢調査(1920)よりも前の 市町村別人口統計[63726]データの続編です。

東山道2(奥羽2ヶ国→分割後7ヶ国にあたる6県)
宮城県M22  宮城県M31  宮城県M41  宮城県T2
福島県M22  福島県M31  福島県M41  福島県T2
厳手県M22  岩手県M31  厳手県M41  岩手県T2
青森県M22  青森県M31  青森県M41  青森県T2
山形県M22  山形県M31  山形県M41  山形県T2
秋田県M22  秋田県M31  秋田県M41  秋田県T2

北陸道(若狭から越中までの5ヶ国にあたる3県。新潟県は五港で既出)
福井県M22  福井県M31  福井県M41  福井県T2
石川県M22  石川県M31  石川県M41  石川県T2
富山県M22  富山県M31  富山県M41  富山県T2

山陰道(因幡以遠の5ヶ国にあたる2県)
鳥取県M22  鳥取県M31  鳥取県M41  鳥取県T2
島根県M22  島根県M31  島根県M41  島根県T2

山陽道(備前以遠の7ヶ国にあたる3県)
岡山県M22  岡山県M31  岡山県M41  岡山県T2
広島県M22  広島県M31  広島県M41  広島県T2
山口県M22  山口県M31  山口県M41  山口県T2

南海道(淡路を除く5ヶ国にあたる5県)
和歌山県M22 和歌山県M31 和歌山県M41 和歌山県T2
徳島県M22  徳島県M31  徳島県M41  徳島県T2
香川県M22  香川県M31  香川県M41  香川県T2
愛媛県M22  愛媛県M31  愛媛県M41  愛媛県T2
高知県M22  高知県M31  高知県M41  高知県T2

西海道(九州というが、壱岐・対馬を含めれば11ヶ国。長崎県は五港で既出なので6県)
福岡県M22  福岡県M31  福岡県M41  福岡県T2
大分県M22  大分県M31  大分県M41  大分県T2
佐賀県M22  佐賀県M31  佐賀県M41  佐賀県T2
熊本県M22  熊本県M31  熊本県M41  熊本県T2
宮崎県M22  宮崎県M31  宮崎県M41  宮崎県T2
鹿児島県M22 鹿児島県M31 鹿児島県M41 鹿児島県T2

沖縄県と北海道
沖縄県M31  沖縄県M41  沖縄県T2
北海道M31  北海道M41  北海道T2


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