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落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

どの市区町村にも属さない場所 −帰属未定地について−

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記事数=9件/更新日:2004年7月25日/編集者:YSK

わが国の領土は、たいてい地方公共団体(市区町村)の領域に含まれるのですが、なかにはどの市区町村にも属さない、「帰属未定地」があるようなのです。関連のメッセージを集めました。

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[18922]2003年8月8日
TN
[18943]2003年8月10日
Issie
[18970]2003年8月11日
TN
[21667]2003年11月3日
グリグリ
[22460]2003年12月2日
hmt
[22560]2003年12月6日
グリグリ
[22569]2003年12月6日
hmt
[22678]2003年12月10日
TGRS
[26672]2004年3月28日
グリグリ

[18922] 2003年 8月 8日(金)22:59:12TN さん
東京都直轄の島と岩礁
[18791]yamada さん
国土地理院地形図閲覧システム
こんな良いものがあったのですね。

まだ全部は見きれてませんが、その中に「八丈所属諸島」というのがあり、そのような島々があることを初めて知ったので見てみたところ、なぜか通常記してある所属市区町村名が無い場所が4箇所ありました。
http://mapbrowse.gsi.go.jp/indexf25k/4939i.html

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/09hatijou/index.html
北から順に
名称面積(平方キロ)
ベヨネース列岩0.00
須美寿島0.02
鳥島4.79
孀婦(そうふ)岩0.00

面積は、東京都総務局のHP内(八丈支庁の管轄する地域)を参考にしたのですが、そこの表中、町村の欄では「都直轄」となっております。
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/09hatijou/tiiki.html

これらの位置から、青ヶ島村に属してもよさそうですが、それなりの理由があって都直轄となっているのでしょうか。どの市区町村にも属さない場所は日本でここだけかと思われますが、間違いなどありましたらお知らせ下さい。


台風に関して
今はその前の静けさといったところです(数時間前は激しく雨風でした)。お気の毒にも被害にあわれた方には、お悔やみ申し上げます。
[18943] 2003年 8月 10日(日)00:39:37【1】Issie さん
どの市町村にも属さない区域
[18922] TN さん
まだ全部は見きれてませんが、その中に「八丈所属諸島」というのがあり、そのような島々があることを初めて知ったので見てみたところ、なぜか通常記してある所属市区町村名が無い場所が4箇所ありました。

そう言われてみると,確かにそうですね。
離島に関しては旧憲法下の地方制度では「本土」と若干違った制度が適用されていて,「自治体」としての町村の編成がかなり遅れた区域も少なからずあった(北海道なども同様)ので,それが尾を引いているのかもしれませんね。

東京府管下の伊豆・小笠原の場合,大島と八丈島には1908年4月1日,利島・新島・神津島・三宅島・御蔵島では1923年10月1日付けで,本土よりは自治権に少なからず制限のある「島嶼町村制」による町村の編成が行われています。
1940年4月1日には青ヶ島と,小笠原の父島・母島・硫黄島の4島に都合7つの「自治体としての村」が設置されていますが,逆に言えば残りの島には「村」が設置されることなく,戦争末期の米軍による占領を迎えます。
人が住んでいなかった,…せいで「村」を編成するに至らなかったのでしょうか(有人島であった「鳥島」は,火山活動のために1939年に全島民が退去しています)。
小笠原諸島の場合,米軍によって占領された後,1968年に「復帰」した際に全域が一括して「小笠原村」となりました。だから,珊瑚礁の頭が海上に出ているだけで人の住みようのない「沖ノ鳥島」であっても「東京都小笠原村」なわけです。
問題の岩礁や島々は紆余曲折があって,結局は日本政府の行政権排除の対象とはならなかった(米軍の本格的占領下には置かれなかった)せいで,結局市町村の網から「こぼれてしまった」のかもしれませんね。

なお,韓国(および北朝鮮)との間に「意見の不一致」のある「竹島(独島:トット)」は,1905年に島根県に編入され,現在は「隠岐郡五箇村」に属することになっています。
また,現在「南沙諸島」と通常呼ばれている南シナ海上の島々は,「新南諸島」の呼称で1938年12月の閣議決定および翌39年3月の台湾総督府令および同告示によって「高雄市」に編入されています(もちろん,戦後日本は台湾の領有を放棄していますから,現在は日本のどの市町村にも属するはずがありません)。

敗戦前には,伊豆・小笠原のほかにも「どの市町村にも属さない」区域が存在しました。

それは,中千島および北千島の「得撫郡」「新知郡」「占守郡」の3郡に属する,つまりウルップ島以北の千島列島。
“千島列島のうちの残り”,南千島の国後・択捉の2島(5郡)および色丹島(1郡)には北海道のほかの地域と同様,「内地」より1年遅れの1879年以降「郡九町村編制法」に基づく「自治体ではない“村”」が編制され,1923年4月1日に「北海道町村制」による「村」が設置されて,大幅な制限つき(2級町村=村長は官選)ではあっても一応自治制度が布かれています。
http://homepage1.nifty.com/ishato/tiri/sityoson/01hokkai/01_hokkai21.htm#nemuro

けれども,ウルップ島以北の島々の3郡では,「北海道町村制」による「自治村」はおろか,郡区町村編制法による「自治体ではない村」さえも編制されずじまいでした。
軍関係者ではない民間人が住んでいたにもかかわらず。
で,この区域は「根室支庁直轄」とされていました。
結局「村」が編制されることなく,1945年8~9月に進攻してきたソ連軍によって占領されたまま,1952年4月に発効したサンフランシスコ講和条約によって領有権を放棄してしまったのでした。
だから,もはやここは「日本」ではあり得ません。
[18970] 2003年 8月 11日(月)14:21:20【2】TN さん
Re:どの市町村にも属さない区域 
[18943]Issieさん
早速お答え下さり、ありがとうございました。
何にも調べないのもあれかな、とも思いまして、都の総務局に電話をしてみましたが、Issieさん の仰る歴史的な経緯は担当者氏もはっきりとは分からないようでした。「人が住んでいない」「民有地がない」の2点ではないか、とのことでした。

これ以外に考えられるとしたら、ご指摘の「鳥島」以外にもべヨネース列岩付近に「明神礁」と呼ばれる岩礁が存在し、以前は大爆発を繰り返して水没したり頭を出したりを頻繁に起こしていたようなので(現在は水没中)、そういった火山活動との関係というのもそうかもしれませんね。この海底火山は明治初期には、その存在が知られていたようです。

日本政府の行政権排除の対象とはならなかった(米軍の本格的占領下には置かれなかった)

伊豆諸島が行政的に分離されたのは、2月弱の期間だったそうですね。とは言いつつ、その辺りとの因果関係はわたくしにはとてもとても・・・。

今後ですが、編入の予定は無いそうでして、民有地が無いのにわざわざ周辺町村に編入して当該町村の負担で管理する合理的な理由が見出せないのではないか、とも思われます。
しかしながら、某私設HPに1990.11.17の朝日新聞朝刊東京版に「これら4島の帰属を八丈町と青ヶ島村が争っていて決着が付かない」という内容の記事が掲載されたとの情報があり、役場に聞いてみたところ、以前そのように主張したことはあったそうですが、現在ではそういった話は聞かないとのことでした。
[21667] 2003年 11月 3日(月)01:07:12【1】オーナー グリグリ
所属未定地
[21645] ゆう さん
これはある意味では正しいのですが少々補足させてください
(中略)
境界未定域が湖沼の場合は統計局は面積の推定を行っていません。そのため「県の面積から除くが全国計には含む」という扱いが生じていました。十和田湖が最後まで残っていたのですが、以前は中海(鳥取県,島根県)も同様な扱いでした。
そうですね、勘違いしていました。丁寧な説明をありがとうございます。
ただ、「境界未定域が湖沼の場合は統計局は面積の推定を行っていません。」とありますが、湖沼以外にも面積推定を行っていないケースがあるのではないでしょうか。湖沼も含めて所属未定地を全部挙げておきます。これらは、市区町村プロフィールの注釈を集めたものです。

北海道
○風蓮湖の水面(57.74平方km)は境界未定のため、根室市、根室支庁別海町の面積には含まれていない

青森県・秋田県
○十和田湖の水面(61.02平方km)は境界未定のため、青森県上北郡十和田湖町および秋田県鹿角郡小坂町の面積には含まれていない

秋田県
○八郎潟調整池の一部(22.02平方km)は境界未定のため、男鹿市、南秋田郡五城目町・昭和町・飯田川町、天王町、井川町、若美町の面積には含まれていない

茨城県
○霞ヶ浦の水面(167.63平方km)は境界未定のため、土浦市、石岡市、潮来市、東茨城郡小川町、行方郡麻生町・玉造町、稲敷郡江戸崎町・美浦村・阿見町・桜川村・東町、新治郡霞ヶ浦町・玉里村の面積には含まれていない
○北浦の水面(35.16平方km)は境界未定のため、鹿嶋市、潮来市、鹿島郡鉾田町・大洋村、行方郡麻生町・北浦村の面積には含まれていない

東京都
○江東区および江戸川区にまたがる荒川河口部の水面の一部境界未定地(1.15平方km)、東京湾内の埋立地で所属未定地(3.65平方km)、八丈支庁に属する所属未定の、鳥島、ベヨネーズ列岩、須美寿島、孀婦岩の島嶼の面積(4.81平方km) はどの区町村にも含まれていない

静岡県
○浜名湖の水面(64.97平方km)は境界未定のため、浜松市、湖西市、浜名郡舞阪町・新居町・雄踏町、引佐郡細江町・三ヶ日町の面積には含まれていない

愛知県
○名古屋港口の埋立地(1.14平方km)は境界未定のため、名古屋市港区、東海市、知多市、海部郡飛島村・弥富町の面積には含まれていない

三重県
○「紀伊長島町及び海山町入会地」(大島等の島嶼)の面積(0.18平方km)は所属未定のため、北牟婁郡紀伊長島町および海山町の面積には含まれていない

滋賀県
○琵琶湖の水面(670.25平方km)は境界未定のため、大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、守山市、滋賀郡志賀町、野洲郡中主町、神崎郡能登川町、坂田郡米原町・近江町、東浅井郡湖北町・びわ町、伊香郡高月町・木之本町・西浅井町、高島郡マキノ町・今津町・安曇川町・高島町・新旭町の面積には含まれていない

京都府
○阿蘇海の水面(4.91平方km)は境界未定のため、宮津市および与謝郡岩滝町の面積には含まれていない

鳥取県
○東郷池の水面(4.08平方km)は境界未定のため、東伯郡羽合町および東郷町の面積には含まれていない

岡山県
○児島湖の水面(7.13平方km)は境界未定のため、岡山市、玉野市、児島郡灘崎町の面積には含まれていない

鹿児島県
○鷹島および津倉瀬(0.05平方km)は所属未定のため、これらの島嶼が面する川辺郡笠沙町および薩摩郡下甑村の面積には含まれていない

沖縄県
○石川市および国頭郡金武町の境界部の地先海面の埋立地(0.18平方km)は境界未定のため、石川市および国頭郡金武町の面積には含まれていない
[22460] 2003年 12月 2日(火)13:40:45【2】hmt さん
「南方四島」問題
ここで「南方四島」とは、[18922] でTN さんが「所属市区町村名が無い」「都直轄」と指摘された ベヨネース列岩、須美寿島、鳥島、孀婦岩のことです。
これらの位置から、青ヶ島村に属してもよさそうですが、それなりの理由があって都直轄となっているのでしょうか。
[18943] Issie さんのお答え
人が住んでいなかった,…せいで「村」を編成するに至らなかったのでしょうか(有人島であった「鳥島」は,火山活動のために1939年に全島民が退去しています)。
のように 住民がいなかったことが先ず挙げられますが、「日本の島事典」(三交社1995)は、下記要旨の如き領有権問題があったことを伝えています。

これら「南方四島」につき、青ヶ島を飛び越えたかたちで八丈町が領有権を主張し、青ヶ島村が強く反発した結果、わが国で唯一どこの市町村にも帰属しない地域として東京都八丈支庁が管理している。

なお、鳥島については、昭和40年11月激度の火山性地震による測候所閉鎖後、完全な無人島になっているが、国勢調査人口は 青ヶ島に所属し、現在も国勢調査の都度、青ヶ島村から人口ゼロと報告している ことが記されています。
青ヶ島村元助役による http://www.ab.cyberhome.ne.jp/~yoyo/kaze/ka021210.html を読むと、「伊豆七島」から疎外されていた青ヶ島が、八丈町に対して村の独立を守ろうとする気概は相当なもののようです。
「南方四島」に八丈町の領有権が認められることは、青ヶ島村の外堀を埋められることに等しく、出城の鳥島が都直轄になってからも、5年毎に「人口ゼロ」を報告する既得権?を死守しているのでしょう。ここで native Torishiman の独白。いくらアホウだからと言って、鳥島の名の由来であるオレタチを数えない「国勢」って、差別じゃないの?

【1】「無人島である」という表現を「住民がいなかった」に修正。これは「無人ぶにん or むにん島」が小笠原諸島(Bonin Islands)を意味する固有名詞でもあったため、これとの混乱を避けるためです。【2】読み仮名追加
[22560] 2003年 12月 6日(土)16:31:32オーナー グリグリ
帰属未定地
[22460] hmt さん
これら「南方四島」につき、青ヶ島を飛び越えたかたちで八丈町が領有権を主張し、青ヶ島村が強く反発した結果、わが国で唯一どこの市町村にも帰属しない地域として東京都八丈支庁が管理している。
「わが国で唯一どこの市町村にも帰属しない地域」というのはどうなんでしょうか。国土地理院の面積調には数多くの境界未定地があります。多くは2つの市町村間の境界がはっきりしていないと言うことで、総務省統計局は面積の推定を行っています([21645] ゆうさん)。それでも面積推定を行っていない陸地部分の境界未定地は、[21667]で示したとおり、以下の6カ所(東京都は2カ所)があります。「南方四島」が唯一という何か特別の理由があるのであればぜひ教えて下さい。

東京都
○東京湾内の埋立地で所属未定地(3.65平方km)、八丈支庁に属する所属未定の、鳥島、ベヨネーズ列岩、須美寿島、孀婦岩の島嶼の面積(4.81平方km) はどの区町村にも含まれていない

愛知県
○名古屋港口の埋立地(1.14平方km)は境界未定のため、名古屋市港区、東海市、知多市、海部郡飛島村・弥富町の面積には含まれていない

三重県
○「紀伊長島町及び海山町入会地」(大島等の島嶼)の面積(0.18平方km)は所属未定のため、北牟婁郡紀伊長島町および海山町の面積には含まれていない

鹿児島県
○鷹島および津倉瀬(0.05平方km)は所属未定のため、これらの島嶼が面する川辺郡笠沙町および薩摩郡下甑村の面積には含まれていない

沖縄県
○石川市および国頭郡金武町の境界部の地先海面の埋立地(0.18平方km)は境界未定のため、石川市および国頭郡金武町の面積には含まれていない

上記の記述は、全国市町村要覧の記述に倣ったものですが、所属未定と境界未定は意味が違うのでしょうか(違いはないように思う)。どなたかご教示ください。

ところで、
[21678] ゆう さん
ところで、国土地理院に変わって面積推定しているのが総務省統計局というのも興味深いトピックです。
この統計強の推定面積のデータを統計局のHPを探したのですが見あたりません。文書しかないのかな。
蛇足気味ですが、確かこのデータも統計局の推定値を使用したと記憶してますが、今、市町村要覧が手許にないのです断定は避けます。
平成14年版の要覧には「面積」データについて次のように記述されています(一部要約)。統計局の推定値は使用していないようです。
----------------------------------------------------------------
(1) 国土交通省国土地理院が公表した平成13年10月1日現在の「全国都道府県市区町村別面積調」による。
ただし、境界未定の市区町村の面積値については、都道府県に照会の上、便宜上の概算数値を( )書きで記載し、境界未定区域の相互関係を明らかにするために、「境界未定に関する注」を各都道府県のデータの末尾に掲げた。
(2) 境界未定に関わる一部の湖沼・埋立地等については、個々の市町村の面積からは除いた。(面積調に準拠)
(3) 各都道府県の合計面積には、「境界未定の市町村」の面積も、(1)によって加えた数値とした。なお、下記の面積は除いた。
  十和田湖(青森県・秋田県)…………… 61.02km2
----------------------------------------------------------------
当HPの市区町村プロフィールの注釈の記述も上記の「境界未定に関する注」に準じています。
[22569] 2003年 12月 6日(土)22:12:28【1】hmt さん
参照資料の引用です
[22560] グリグリさん
[22460]では 要旨として紹介した 「日本の島事典」(三交社1995) の原文を引用します。
なお、ベヨネース列岩、須美寿島、鳥島、孀婦岩の領有権を、青ヶ島を飛び越えたかたちで 八丈町が主張したことに 青ヶ島村が強く反発、現在これら四島は 我が国では唯一どこの市町村にも帰属しない地域として 東京都八丈支庁が管理している。
…というわけで 私の考えではなく、参照資料:(財)日本離島センター監修・菅田正昭編著 の受け売りです。従って「南方四島」が唯一という 「何か特別の理由」 があるか否かについてはコメントできません。
不確実な記憶ですが、八丈町の領有権主張について 否定的なことを記した資料もあったようですから、参照資料を どこまで信用してよいのかわかりません。

現在の帰属未定地については グリグリさんがまとめられた通りと思います。言葉の単純な解釈ですが、陸地および内水面の境界未定は 必然的に所属未定になり、その他に 外海の島のように 自然境界が明確でも所属未定の地がある ということではないでしょうか。

現在に限定しないと、明神礁[18970]・民間人が住んでいた千島の一部[18943] もあったのですね。
【1】新南群島は、高雄市に編入されていたのですか[18943]
ついでながら、新南群島[18954]の出ている日本地図は、今となっては貴重な存在と思います。私の持っている 昭和13年文部省検定済・朝鮮総督府検定済「改訂新選詳圖・帝国之部」は1年早すぎたので出ていません。

昨日オフ会の席で披露された昔の地図の中で、スナフキんさん持参の地図には、「南方四島」が 次の名で記されていました。
バヨンネース岩、須美壽島、鳥島(三子島)、孀婦岩
藤田元春:新日本圖帖(刀江書院)、たしか昭和9年というご紹介でしたから、鳥島に住民がいた時代の地図です。三子島は初耳。
[22678] 2003年 12月 10日(水)21:50:23TGRS さん
帰属未定地(主に鷹島・津倉瀬)
[22460]hmtさん
[22560]オーナー グリグリさん
[22569]hmtさん
[22592]オーナー グリグリさん
『日本の島事典』(三交社1995)では、hmtさんのとおり、南方四島は我が国では唯一どこの市町村にも帰属していない地域、とされています。なぜこう判断されているのか、考えてみました。

グリグリさんが挙げられている
それでも面積推定を行っていない陸地部分の境界未定地は、[21667]で示したとおり、以下の6カ所(東京都は2カ所)があります
のうち、埋立地は島とはみなさないと思うので(「島」の定義とは?という疑問はこの際おいておきます)除外すると、3か所が残ります。
 ・東京都 南方四島
 ・三重県 紀伊長島町及び海山町入会地(大島等の島嶼)
 ・鹿児島県 鷹島および津倉瀬
『日本の島事典』にはその島の所属する自治体名が記載されているのですが、それによると
 ・南方四島 と、鯱岩(しゃちいわ)・長根(ながね)・三石(みついし)
   …八丈支庁管内
 ・大島等の島嶼(この図書中では大島・木生島・平瀬島)
   …紀伊長島町(「海山町入会地(平瀬島は紀勢町入会地)」の旨注記あり)
 ・鷹島・津倉瀬
   …笠沙町
とされています。

『日本の島事典』には「自治体名は『1992離島統計年報』などによる」と書かれていたのですが、『離島統計年報』は有人島だけを対象とした統計なので、これらの島は非掲載でした。

次に、『日本の島事典』で取り上げた島嶼は『日本島嶼一覧(改訂版)』(日本離島センター1982)を元にしている、という記述があったのですが、これによると、大島・木生島・平瀬島は紀伊長島町の、鷹島・津倉瀬は笠沙町の所属であるとされています。

おそらく、『日本の島事典』が南方四島を我が国唯一の所属未定地域としているのは、これが根拠ではないかと思います。

ちなみに、『日本島嶼一覧』を参考にしたと思われる『島嶼大事典』(日外アソシエーツ1991)には、鷹島・津倉瀬が各2つずつあります。笠沙町の鷹島・津倉瀬は宇治群島に属するもの、下甑村の鷹島・津倉瀬は甑島列島に属するもの、とされています。大島があちこちにあるように([22525]みかちゅうさん)同じ名前の島や岩礁もたくさんありますから、2つあることが間違いである、という断定は今のところできません。笠沙町の津倉瀬は「つくらんせ」、下甑島の津倉瀬は「つくらせ」という読みがふられていましたし。

今回この2つの島の存在を初めて知ったのですが、こんなところに島があるとは知りませんでした。
国土地理院の地形図閲覧サービス( http://mapbrowse.gsi.go.jp/)では、1:25000の地形図が閲覧できますが、これだと分図扱いになっているものの位置図がないので、“こんなところ加減”がわかりにくいかと思います。1:200000地勢図だと簡単にわかるのですが…。

それぞれの島嶼に対応する地形図・地勢図の図名は以下のとおりです。気になった方はぜひご覧ください。
 鷹島津倉瀬
 1:25000手打宇治群島
 1:50000手打薩摩黒島
 1:200000甑島黒島

ところで、大島等の島嶼も、鷹島・津倉瀬も、本当は「所属未定」が正しいのだと思います。とはいえ、地形図の注記にも書いてあるのですが「~等の島嶼」ってのも意外と曖昧ですね。
[26672] 2004年 3月 28日(日)22:58:07オーナー グリグリ
合併により消える所属未定地
[26634] 2004 年 3 月 27 日 (土) 10:33:46【2】オーナー グリグリ
ところで、市町村合併の予定面積データはDBからの自動生成のため、上記を考慮するためには小細工が必要です(今後変化する場合も含めて)。少し時間をください。反映するようにプログラムを改修したいと思います。
ということで、所属未定地を構成する市町村がすべて含まれる合併計画については、所属未定地の面積も予定面積に加算するようにプログラム改修しました。なお、[26634]で挙げた4例のうち岡山県(児島湖)の例は玉野市が法定協議会に不参加となったため該当しなくなりました。したがって、現在以下の3例について所属未定地の面積が加算されています。

○三重県 北牟婁郡紀伊長島町、同海山町
「紀伊長島町及び海山町入会地」(大島等の島嶼)の面積(0.18平方km)が所属未定

○京都府 宮津市、与謝郡岩滝町
阿蘇海の水面(4.81平方km)が境界未定

○鳥取県 東伯郡羽合町、同郡東郷町(合併協議には、同郡泊村も)
東郷池の水面(4.08平方km)が境界未定

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