[84247]オーナー グリグリさん
都道府県データランキング・病院統計、興味深く拝見しました。「人口10万人あたりの病院数」は見事に西高東低ですね。ちなみに病院と診療所を合わせた病床数もほぼ同じような傾向のようです。何か歴史的な背景があるのでしょうか。
少し突っ込んで、厚生労働省の平成23年患者調査のデータから、都道府県別の入院受療率(人口10万人あたりの入院患者数)を見てみました。結果は以下のとおりです。なお、人口に占める高齢者の割合による影響を極小化するため、年齢別人口構成による補正をかけています。
1 | 高知 | 1795 |
2 | 鹿児島 | 1709 |
3 | 長崎 | 1668 |
43 | 長野 | 825 |
44 | 千葉 | 796 |
45 | 神奈川 | 750 |
※青森県・福島県はデータなし
「人口10万人あたりの病院数」と同じく高知県がトップとなっており、全体の並び順も同様の傾向です。
なお、同県の外来受療率は全国22位と全国平均とほぼ同じですので、疾病への罹患率(あるいは怪我の発生率)がとりわけ高いということではなさそうです。
もうひとつ、同じく平成23年患者調査のデータから、都道府県別の退院患者平均在院日数(患者住所地)を。
1 | 高知 | 50.8 |
2 | 山口 | 49.5 |
3 | 徳島 | 46 |
43 | 愛知 | 27.6 |
44 | 神奈川 | 27.5 |
45 | 岐阜 | 27.1 |
こちらも高知県がトップとなっています。
これまで挙げたデータ間の相関係数までは見ていませんが、概ね病院数(病床数)の多い都道府県は、入院受療率も高く、かつ入院期間も長い傾向にあるといえそうです。
北海道では医療機関を集中させた方が効率的と言うか、集中させないと経営が成立し難いということなのかなと推測しましたが、どうでしょうか。
北海道における病院および診療所の設置機関別の割合を「北海道保健統計」で確認したところ、「国及びそれに準ずるもの」、「都道府県・市町村・日赤等」および「社会保険関係団体」といった公共機関の割合が14.0%と、全国平均5.9%の2倍以上となっています。ちなみに札幌市以外では19.7%です。
一方、個人の割合は24.1%と全国平均43.1%の半数程度となっています。
やはり、グリグリさんご推察のとおり、個人経営の小病院では経営が成り立ちにくいのかもしれませんね。