[28701]notoさん
はじめまして。
町と町(ちょうとまち)もしくは村と村(そんとむら)これの読み方の違いはどうしてあるのですか?誰がきめるのですか?
この問題につきましては、「落書き帳アーカイブズ」内に関連する過去の書き込みをまとめてあります。
「町」と「村」音読み、訓読み、どっちが多数派?
http://uub.jp/arc/arc12.html
ご覧いただけると分かりますように、現在自治体名としての「町」と「村」の読み方がそれぞれ2種類ずつあるのは、それぞれの地域の実状によって、現在の形になった、としか言えないのだと思います。住所で「本町」がある場合、地域によっては「ほんちょう」と読んだり、または「ほんまち」と読んだりすると思うのですが、このことと同じなのではないかと思います。誰が決めるのか、ということについても難しい問題で、条例等で明確に決められたケースもあるでしょうし、これまでの経緯から何となくそう呼ばれてそれが継続しているケースもあるのでしょう。
町と村の読み方に、ある程度の地域性があるのは確かで、ご指摘のとおり石川県(お隣の富山県も同じですね)ではすべての町は「まち」と読むわけですが、これも歴史の流れの中で結果的にそうなっているだけとみなすのが妥当ではないかと思います。
こんど合併で誕生する石川県の能登町(ちょう)
合併協議会のホームページに掲載されている協議資料(昨年12月17日の協議会の議事録)を参照しますと、この町を「まち」と読むか「ちょう」と読むかについての協議がなされたことが分かります。
http://www.noto-yanagida-uchiura.jp/circum/pdf/kaigiroku10.pdf
(pdfファイルです)
内容を要約すると、協議会委員が事務局側に対し、新町名が「能登」になったものの「町」を「まち」と読むか、「ちょう」と読むかについての見解を質し、事務局側は以下のような見解を述べています。
(1)石川県下ではすべて「まち」と読む。何もふり仮名をつけない場合、慣用的には「まち」と読まれる土壌はあるだろう。その延長で、公募結果を発表する時、「のとまち」として発表した。
(2)石川県庁に確認したところ、県としては読み方をこれにしなさい、ということはないとのこと。
(3)このまま何もしなければ、「まち」と読まれる雰囲気はあるので、読み方については協議会で協議して決めていただきたい。
この報告の後、「まち」とするか「ちょう」とするかの協議が行われ、その結果、行政的な呼称としては「ちょう」とすることが決定されました。そこで理由に挙げられていたのは、柳田村に上町(かんまち)という住所があり、能登町上町(のとまちかんまち)では「まち」が重なってしまうが、「のとちょうかんまち」であれば自然に聞こえるので、「ちょう」ではいかがか、という意見でした。この意見を複数の委員が賛意を示し、「のとまち」がよいという意見も特に出なかったので、「ちょう」という決定を見たようです。この場合、協議会によって「ちょう」の読みが選定され、合併議案を議会が議決することによってそれが正式に決定をみる、という流れになります。この場合、決めたのは協議会なのでしょうか、議会なのでしょうか、どっちでしょうね・・・。
まあ、この「まち」か「ちょう」かは行政的には1種類に定めていても、日常的に使う場合は、その町を示すことが明らかであれば、「まち」でも「ちょう」でも間違いではないと思いますね。