現在はどうか知りませんが、「旅行業務取扱管理者」(私が関わっていた頃は「旅行業務取扱主任者」)の試験に、著名な観光地・温泉地が何県にあるか、という問題がやたら多く出されていたのですが、旅行会社の人間はともかく、旅行者は足利が栃木であろうが群馬であろうが、津和野が島根だろうが山口だろうが、そんなことは、あんまり気にしていないと思うのです。ましてや、温泉につかりながら、山中温泉のこの宿は何という市にあるのだろう、と考えている人はマズ、いないと思います。そんな事を考えていたら、お風呂から戻らないのを心配した添乗員によって発見されます。(もちろん、死体となって)
私も、温泉の大浴場でそんなことを考えることは全くありません。たとえ、ソコが杖立温泉であったとしても。というのは、温泉地に泊っても温泉に入らないことがあるし、入ったとしても、ウルトラマン同様5分以内に出なければいけないからです。
では、ソロソロ行かなくっちゃんは北海道。
[102299]の続きになります。
石川県の「準名邑」は以下の三つです。
準名邑 | 現自治体 | ----- | 1886年 | 戸口表 | 人口 | --- | 1908年 | 人口 |
宇出津 | 能登町 | | 宇出津 | 第二表 | 4,401 | | 宇出津町 | 5,877 |
津幡 | 津幡町 | | 津幡 | 第二表 | 3,146 | | 津幡町 | 3,540 |
羽咋 | 羽咋市 | | 羽咋 | 第二表 | 3,137 | | 羽咋町 | 3,950 |
参考としては以下の通りです。
(参考) | 現自治体 | ----- | 1886年 | 戸口表 | 人口 | --- | 1908年 | 人口 |
安宅 | (小松市) | | 安宅 | 第二表 | 2,081 | | 安宅町 | 2,126 |
飯田 | (珠洲市) | | 飯田 | 第二表 | 1,847 | | 飯田町 | 2,498 |
高浜 | (志賀町) | | 大念寺新 | 第二表 | 1,743 | | 高浜町 | 2,378 |
穴水 | 穴水町 | | 穴水 | 第二表 | 1,573 | | 穴水町 | 6,660 |
高松 | (かほく市) | | 高松 | 第二表 | 3,623 | | 高松村 | 7,192 |
山中 | (加賀市) | | 山中 | 第二表 | 2,393 | | 山中村 | 3,617 |
小木 | (能登町) | | 小木 | 第二表 | 1,679 | | 小木村 | 5,412 |
富来 | (志賀町) | | 富来 | 第二表 | 1,669 | | 富来村 | 2,402 |
山代 | (加賀市) | | 山代 | 第二表 | 1,622 | | 山代村 | 2,373 |
木郎 | (能登町) | | 松波 | 第二表 | 1,464 | | 木郎村 | 7,040 |
田鶴浜 | (七尾市) | | 田鶴浜 | 第二表 | 1,329 | | 田鶴浜村 | 1,286 |
志雄 | (宝達志水町) | | 子浦 | 第二表 | 1,290 | | 志雄村 | 1,562 |
寺井野 | (能美市) | | 寺井 | 第二表 | 1,230 | | 寺井野村 | 5,818 |
櫛比 | (輪島市) | | 門前 | 第二表 | 461 | | 櫛比村 | 3,737 |
野々市 | 野々市市 | | 野々市村 | 第三表 | 2,002 | | 野々市村 | 2,051 |
上記うち、「準名邑」の宇出津、津幡、羽咋と、(参考)に記した安宅、飯田、高浜は”生まれながらの町”です。
注1:表中1886年の(人口)は、「市街名邑及町村二百戸以上戸口表」(M.21年「内務省総務局」に記載された現住人員(1886年12月31日調)、1908年の(人口)は「日本帝国人口静態統計」によります。
注2:現自治体欄が( )となっている「名邑」は、現自治体の【前身】ではないことを示します。
「秀邑」の前にブレイク…小木ですが、その変遷がややこしいので注目しています。
1921年:小木町→1955年3月宇出津町などと合併し能都町に→1955年10月に小木地区が松波町に組み込まれる→1958年松波町が内浦町に改称→2005年能都町・柳田村と新設合併により能登町に
小木には悪いですけど、なんか、主体性なくウロウロしていた感ありです。
さて、大浴場から出てきたところで、この有名な温泉は何市にあるのかジックリ考えてみましょう。(笑)
一番単純温泉は
粟津温泉・・・粟津村→1940年小松町、安宅町ほかと合併して小松市に
次に
山代温泉・・・山代村→1913年山代町→1958年大聖寺町ほかと合併して加賀市に
山中温泉・・・山中村→1913年山中町→2005年加賀市と新設合併で加賀市に
少しややこしいのが、
片山津温泉・・・1942年作見村・塩津村が合併し片山津町に(温泉は両村にまたがっていた)→1958年大聖寺町ほかと合併して加賀市に
そして
和倉温泉・・・1889年端村→1934年田鶴浜村ほかと合併して和倉町に→1939年和倉地区が七尾町ほかと合併して七尾市に
※1934年の合併の際に端村の一部にすぎなかった和倉が、中心だと思われる田鶴浜を差し置いて、なぜ町名となったのか不思議です。なお、和倉地区が抜けた後の和倉町は田鶴浜町となりますが、これは単なる「改称」としてはいけないと考えます。
【秀邑】(【大・昭の名邑】)
ですが、残念ながら「秀邑」も「準秀邑」もありません。
わずかに参考として
名称 | 現自治体 | --- | 920年 | (人口) | --- | 1950年 | (人口) |
七塚 | (かほく市) | | 七塚村 | 6,692 | | 七塚町 | 9,990 |
注1:人口は国勢調査人口
注2:現自治体欄が( )となっている「秀邑」等は、現自治体の【前身】ではないことを示します。
【卓邑】(【昭・平の名邑】)
石川県の「卓邑」は、この期に市となった珠洲、羽咋と二種二級の津幡(実質的には卓邑トップ)、四種の山中、野々市、内灘、根上(明徳に五連続敬遠された方や不適切発言の多い元首相の出身地)、能都の八つです。
卓邑/種別 | 名称 | 現自治体 | --- | 1960年 | (人口) | --- | 2000年 | (人口) |
一種三級 | 珠洲(3) | 珠洲市 | | 珠洲市 | 35,827 | | 珠洲市 | 19,852 |
一種三級 | 羽咋(9) | 羽咋市 | | 羽咋市 | 29,556 | | 羽咋市 | 25,541 |
二種二級 | 津幡(5) | 津幡町 | | 津幡町 | 21,836 | | 津幡町 | 34,304 |
四種 | 山中(8) | (加賀市) | | 山中町 | 13,650 | | 山中町 | 10,195 |
四種 | 野々市(6) | 野々市市 | | 野々市町 | 8,758 | | 野々市町 | 45,581 |
四種 | 内灘(6) | 内灘町 | | 内灘村 | 7,290 | | 内灘町 | 26,560 |
四種 | 根上(5) | 能美市 | | 根上町 | 10,470 | | 根上町 | 15,426 |
四種 | 能都(5) | 能登町 | | 能都町 | 19,348 | | 能都町 | 11,433 |
参考 | 名称 | 現自治体 | --- | 1960年 | (人口) | --- | 2000年 | (人口) |
| 高松(2) | (かほく市) | | 高松町 | 10,639 | | 高松町 | 10,826 |
現在のかほく市においては、高松も七塚も「秀邑」「卓邑」ともに逸しています。なお、かほく市の「前身因子町」は宇ノ気です。
注1:(人口)は国勢調査人口
注2:名称の後の(数字)は1960年~2000年の9回の国調でDIDが存在した回数