第1回十番勝負トライアルは盛況のうちに終了しましたが、世間では第49回衆議院議員選挙が行なわれておりました。
結果は、まあ大体予想された通りという感じではありますが、残念だったのは女性議員比率が下がってしまったことです。
今回の選挙では女性候補の当選者は45名(小選挙区24、比例区21)で全議員に占める女性割合は9.7%と10%を切ってしまいました。(解散前は47名で10.1%でした)何か時代に逆行しているみたいで、この国は大丈夫なのかなという印象です。
ジェンダーギャップ指数というものがあって、日本は156ヶ国中120位とG7の中ではブッチギリの最下位です。この順位は3月時点のデータなので、今回の選挙結果でさらに悪化したかも知れません。そもそも女性の立候補者自体が、1051名中186名(17.7%)と男女共同参画基本計画の2025年目標35%に遠く及ばない現状では、これも予想の範囲内というところでしょうか。
と、このようなジェンダー論の小難しい話がしたくて書き込んだのではなく、この話を持ち出してきたのは、今回の選挙結果を見ていて女性議員の地域分布がちょっと意外に感じたからなのです。
比例区の復活当選を含めるといろいろな要素が絡んできて複雑になるので、その地域で一番得票を得た候補者が当選する「小選挙区選出」の女性議員を見ておりました。間違いなく、その地域が選んだ人であるので地域の考え方が反映されると思うからです。
自分の持っていたイメージは、大都市や近郊住宅地のある地域など、首都圏近郊や地方中心都市に集中しているのかなと考えていました。東京近郊(私のイメージは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)や名古屋、京阪神などの選挙区が多いんだろうな。地方部、特に県庁所在地以外の選挙区は男性が強いのかなと。(女性首長一覧を見ると、必ずしもそうではないのですが、やはり大都市近郊部が多い印象を持っておりました。)
しかし実際に小選挙区選出議員を見てみると、女性議員の18都道府県24選挙区のうち、東京近郊からの当選者は意外に少なく7名。そして、おそらく各県で最も中心部であろう「1区」の当選者も7名と実のところ半数は地方部からの選出でした。さらに興味深かったのが、近畿以西の西日本がたったの4名。中国、四国はおろか京阪神までがゼロでした。(大阪のおばちゃんは政治には興味はないという事でしょうか。)
女性市長は29名中12名が西日本と均等に分布しているにもかかわらず、今回の東高西低がなんとも不思議な感じです。保守的な県民性というのであれば、東北や北陸も中国、四国に負けていないように感じるのですが、これらは平均以上に女性議員が出ております。多分、県民性で考えるのであれば他の要素で考えるべきものなのかも知れません。「かかあ天下」で有名な群馬県からは出ておりますし、共働き率日本一の福井県からも出ております。もちろん性別が問題ではなく、どんな人かが問題なので、たまたま実力のある候補者が女性だったというだけの事なのかもしれませんが…。
まあ、これ以上深入りすると、また難しいジェンダー論にはまりそうなので軽薄な結論でまとめたいと思います。
女性議員は都市部偏重ではなく広く地方部からも選出されておりました。(中国、四国を除く)
ああ、我ながら、なんと軽薄な結論なことか。
一応、以下に今回の衆議院議員選挙小選挙区における女性当選者を挙げておきます。
北海道 | 11区 | 石川香織 |
宮城県 | 2区 | 鎌田さゆり |
山形県 | 3区 | 加藤鮎子 |
福島県 | 1区 | 金子恵美 |
茨城県 | 6区 | 国光文乃 |
茨城県 | 7区 | 永岡桂子 |
群馬県 | 5区 | 小渕優子 |
埼玉県 | 13区 | 土屋品子 |
東京都 | 1区 | 山田美樹 |
東京都 | 8区 | 吉田晴美 |
東京都 | 14区 | 松島みどり |
神奈川県 | 4区 | 早稲田夕季 |
神奈川県 | 12区 | 阿部知子 |
神奈川県 | 17区 | 牧島かれん | |
新潟県 | 1区 | 西村智奈美 |
新潟県 | 4区 | 菊田真紀子 |
福井県 | 1区 | 稲田朋美 |
山梨県 | 2区 | 堀内詔子 |
岐阜県 | 1区 | 野田聖子 |
静岡県 | 1区 | 上川陽子 |
奈良県 | 2区 | 高市早苗 |
福岡県 | 5区 | 堤かなめ |
長崎県 | 1区 | 西岡秀子 |
沖縄県 | 3区 | 島尻安伊子 |
以上24名の方々です。