馬毛島は種子島の西隣12kmの東シナ海にある島ですが、落書き帳では「大きな無人島」として登場していました。
2016年
[91213]の記載
馬毛島 面積 8.17km2 鹿児島県西之表市 島を手に入れた企業が有人島化 その狙いは?
疑問符付きで記してありますが、その答えはリンクしたページに記されていました。
島を国有化して米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FOLP)に用いる計画関連。2008年から内々の打診が進行。
しかし、防衛省が提示した評価額は、高値での売却を狙う所有者の希望金額と一桁異なり、物別れの状態でした。
そこで所有者が利用したのが、地権者の言い値で国有化したという尖閣諸島と、中国企業の動きでした。
2012年になると、「中国の企業が何社か接触してきている。日本の対応次第では売ってもいい」という地権者発言。
日米両国政府による在日米軍再編合意(2006)をふまえ、厚木の艦載機部隊は2018年迄に岩国に移動しました。
日本側としても、近くなった馬毛島の整備は、待ったなしの状態に追い込まれた形です。
今朝の
読売新聞は、「米軍機訓練 馬毛島を買収/安保重視 官邸主導」という見出しで決着を報じていました。
問題になっていた対価については、島としての単純な資産価値の45億円から滑走路用地や関連施設を加味した100億円に増加され、更に地権者の希望で60億円上積みした 160億円で仮契約に漕ぎ着けたと伝えられます。
【2019/1/10 追記】馬毛島の人口 産業利用の概要
渡島大島に次ぐ「日本で2番目に広い無人島」であった馬毛島。所有者の企業による土地に付加価値を付けるための工事で有人島化
[91213]したが、最近の調査では 無人島に戻っているようです。
日本の島へ行こうによる国勢調査人口。
0人(H27)・11人(H22)・15人(H17)・0人(H12)・0人(H7) 国勢調査
それ以前の産業利用の概略。種子島第一の西之表港の対岸にあり、種子島家が漁業基地として利用。
蛇足:種子島と言う地名からは 16世紀大航海時代「鉄砲伝来」の門倉岬や 種子島宇宙センターを連想します。
しかし、それらの地は 島の南端近い南種子町で、馬毛島からはずっと離れています。
馬毛島は、明治期の牧畜業を経て、戦時中は一時無人島にもなりました。
戦後の 1951年から馬毛島入植が再開され、1959年には 113世帯、528人を記録して小中学校も開校。
しかしその後は 旱魃・風害・食害などによる農業不振と製糖工場閉鎖で 1980年に全島民離島。無人島に。
その後は実質的な利用のないまま、土地投機の対象として翻弄される運命をたどりました。