まず、
[113461]グリグリさん
問二の「83市+110市」と複数該当がユニーク数以上というのも共通項への手掛かりになる可能性もある
について。この前書き忘れましたが、私は、県の偏りに加えて、この想定解数の重複具合も参考にして、共通項に気づけました。正答に被せたら当たるというのはその通りですが、確かに手掛かりにもなっています。
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本題です。
十番勝負はこれまで700問が出題されてきましたが、その共通項に該当するかどうかが一致している市の組は「似ている」市と言えるのではないかと考え、調査を行いました。ただし、今回は丹波篠山市になって以降の直近20回分200問のみを対象にしています。該当する市とは、共通項に該当する市のことで、問題市、正答市、未答市のことで、数は(重複問題以外は)想定解数と一致します。調査方法は
[112852]と同じくMMULTを利用しており、市名を行に、各問題を列にして、該当する場合に1、しない場合に0を配置した792行200列の行列と、その転置をかけた792*792行列を作って評価しています。すなわち、このできた行列の(i, j)成分は、i市とj市が200回のうち同時に該当した回数となります。
分析の前に。この行列で、該当数と一致する対角成分を除いたときに最も値が大きかった(最も同時に該当していた)のは、名古屋市と大阪市の組で、34回でした。つまり、『①人口も②人口密度も上位60位以内かつ③同じ読みから始まる市の中でも人口最多で、④DIDを3か所以上もち、⑤他県へ通勤通学する人や⑥在留外国人は県内最多であり、⑦市域に人口重心があって、⑧境界未定部分を持ちつつも、⑨隣接市町村は全て自市より小さく、⑩その中の一つは自市と共通文字があり、⑪合併で海岸を獲得して⑫市制施行は県内で最古、⑬全国でも60番以内、⑭さらに施行時には「和」のつく自治体を含み、⑮年号名自治体を合併し、⑯現役棋士の出身で、⑰SDGs未来都市、⑱野球にまつわる聖地・名所150選、⑲さくら名所100選に選出され、協会に属す⑳動物園と㉑水族館がどちらもあり、㉒選抜優勝校が所在し、㉓ビッグモーターが出店していて、㉔エクストラドーズド橋と㉕ロータリー交差点と㉖国道踏切があり、駅には㉗新幹線駅と㉘「南」から始まる駅があって、㉙乗換なしでいける市が3市以下の市から行くことができ、㉚海外にも行ける上、㉛経県値上未踏者がおらず、しかも㉜製造品出荷額が1億円超で、㉝オーストラリアの市と姉妹提携していて、㉞令和になってすぐに記事に登場した市』は2つあるようです。※いずれも当時
というわけで戻ります。
①200問で10回以上該当した市のうち、その市が該当する場合に、同じく該当する確率の高い相手市がある市
たとえば神戸市が問題市または正答市となった場合73.2[%]の確率で名古屋市も該当する、といった感じです。逆(名古屋市が該当した場合の神戸市)は成立するとは限らないのでご注意ください。
(閉じる)自市該当⇒相手市が高い
自市 | 該当回数(A) | 相手市 | 該当回数(B) | 共通該当回数(C) | (C / A * 100[%]) |
吉野川市 | 10 | 甲賀市 | 25 | 8 | 80.00 |
東大和市 | 13 | 東久留米市 | 20 | 10 | 76.92 |
西宮市 | 21 | 大阪市 | 56 | 16 | 76.19 |
糸満市 | 12 | うるま市 | 23 | 9 | 75.00 |
神戸市 | 41 | 名古屋市 | 52 | 30 | 73.17 |
吉川市 | 11 | 八潮市 | 23 | 8 | 72.73 |
小諸市 | 11 | 須坂市 | 17 | 8 | 72.73 |
川越市 | 18 | 川口市 | 28 | 13 | 72.22 |
国分寺市 | 18 | 小金井市 | 23 | 13 | 72.22 |
長野市 | 25 | 京都市 | 51 | 18 | 72.00 |
安来市 | 14 | 甲賀市 | 25 | 10 | 71.43 |
※70%を超えるものを掲載
有意とも偶然とも言えないような感じですね。有意に似ている市のうち、偶然特に高くなった組の一覧みたいな感じでしょうか。ただ、神戸⇒名古屋に関しては、十分標本数があるような気がします。
②200問で10回以上該当した市のうち、該当/非該当が一致する回数の高い市
①はあくまで⇒であって⇔(同値)ではないので、今度は非該当も含め、一致する回数になります。確率にしても分母は全部200になるのでそのままにしています。たとえば、南さつま市と南九州市については、10/200回該当/非該当が異なったことになり、具体的には、南さつま市のみ該当が4回、南九州市のみ該当が6回、そして8回が共通して該当、残り182回がどちらも非該当です。
(閉じる)自市⇔相手市が高い
自市 | 該当回数(A) | 相手市 | 該当回数(B) | 共通該当回数(C) | 共通非該当回数(D) | 共通回数(C + D) |
結城市 | 14 | 下妻市 | 8 | 7 | 185 | 192 |
陸前高田市 | 10 | 城陽市 | 5 | 3 | 188 | 191 |
中野市 | 11 | 滝川市 | 8 | 5 | 186 | 191 |
山武市 | 11 | 朝倉市 | 7 | 4 | 186 | 190 |
塩尻市 | 11 | 岡谷市 | 7 | 4 | 186 | 190 |
美濃市 | 10 | 伊万里市 | 8 | 4 | 186 | 190 |
淡路市 | 11 | 太宰府市 | 5 | 3 | 187 | 190 |
南さつま市 | 12 | 南九州市 | 14 | 8 | 182 | 190 |
南九州市 | 14 | 南さつま市 | 12 | 8 | 182 | 190 |
※190回以上のものを掲載
正直あまり実感のない組も見られますね。これは偶然のような。
③共通該当率が高い市の組(似ている市の組)
以上は該当回数が少ないものほど有利になりやすい(差がでやすい)指標だったので、ここからは共通該当率として、自市か相手市が該当した回数のうち共通該当した回数、すなわち、E = C / (A + B - C) * 100[%]を導入します。これで正しく評価できるのかわかりませんが、ほかにもいろいろ考えた結果、これが一番シンプルに感じたので、ご勘弁ください。
(閉じる)共通該当率が高い
自市 | 該当回数(A) | 相手市 | 該当回数(B) | 共通該当回数(C) | 共通該当率(E[%]) |
横浜市 | 47 | 名古屋市 | 52 | 32 | 47.76 |
名古屋市 | 52 | 神戸市 | 41 | 30 | 47.62 |
結城市 | 14 | 下妻市 | 8 | 7 | 46.67 |
小金井市 | 23 | 国分寺市 | 18 | 13 | 46.43 |
広島市 | 41 | 岡山市 | 41 | 26 | 46.43 |
名古屋市 | 52 | 大阪市 | 56 | 34 | 45.95 |
横浜市 | 47 | 大阪市 | 56 | 32 | 45.07 |
磐田市 | 20 | 掛川市 | 19 | 12 | 44.44 |
南さつま市 | 12 | 南九州市 | 14 | 8 | 44.44 |
松山市 | 31 | 高松市 | 38 | 21 | 43.75 |
東大和市 | 13 | 東久留米市 | 20 | 10 | 43.48 |
仙台市 | 43 | 神戸市 | 41 | 25 | 42.37 |
仙台市 | 43 | 浜松市 | 48 | 27 | 42.19 |
武蔵野市 | 21 | 小金井市 | 23 | 13 | 41.94 |
名古屋市 | 52 | 京都市 | 51 | 30 | 41.10 |
名古屋市 | 52 | 広島市 | 41 | 27 | 40.91 |
京都市 | 51 | 大阪市 | 56 | 31 | 40.79 |
札幌市 | 37 | 仙台市 | 43 | 23 | 40.35 |
※40%を超えるものを掲載
こちらは割と実感に沿っているのではないかと感じます。
④共通該当率の全市平均が高い市/最大のものが低い市(親和性の高い市/独自な市)
どことでも一緒に該当しやすい市と、どことも一緒に該当しにくい市になります。
(閉じる)親和性の高い市/独自な市
自市 | 該当回数(A) | 平均共通該当率(Ē[%]) | | 自市 | 該当回数(A) | (最大共通該当率Emax[%]) |
北九州市 | 43 | 8.15 | | 深川市 | 7 | 14.29 |
羽曳野市 | 22 | 8.12 | | 五條市 | 11 | 16.00 |
堺市 | 29 | 8.09 | | 白河市 | 8 | 16.67 |
富山市 | 48 | 8.08 | | 藤岡市 | 7 | 16.67 |
鹿児島市 | 41 | 8.07 | | 笠間市 | 11 | 17.39 |
| | | | 柳川市 | 9 | 17.39 |
| | | | 沼津市 | 16 | 17.50 |
※それぞれ、8%を超えるもの、18%未満のものを掲載
ちなみに前者は、共通該当数0の少なさという方法でも評価できると思うので、それで調べてみると、大阪市が200問で一度も同時に該当しなかった市は791市中たったの17市(美唄市、歌志内市、黒石市、久慈市、遠野市、白河市、田村市、伊達市(福島県)、氷見市、下田市、四條畷市、御坊市、八幡浜市、豊前市、中間市、うきは市、合志市)のみで最小でした。関東や中国地方には1つもありませんでした。この中では田村市が23回該当で最多で、大阪市の56回と合わせて79回も、どちらかは該当しつつ共通該当なし、となりました。これも全国で最多でした。