[6605] 黒髪 さん
>「大阪夏の陣」でも「大坂夏の陣」でもいいと思いますが。
>ちなみに大阪市教育委員会のホームページからです。
>
http://www.city.osaka.jp/kyouiku/bunkazai03_13_08.html
うーん、大阪の教育委員会まで「大阪夏の陣」とは。中学校の日本史の時間に「大阪夏の陣」と表記するのは許さないとまで言われた身からすると納得できないなあ。まあ、現在の地名から混乱を避けるためにあえて大阪表記にしたとは思うのですが、歴史的地名は難しいと思います。とはいっても現在の生活に関係なくどちらでもいいかもしれませんが、この表記の差異は認識していたほうがいいと思います。「昭和は遠くになりにけり」ならぬ「江戸も遠くになりにけり」ですね。
たしか大阪が「坂」でなく「阪」の字を用いるようになったのは「坂」の字が土の反ると「死」を表すものであり「阪」の好字を使用を江戸時代中期以降(正式地名になったのは明治維新以後)から使用したといわれている説があるそうです。他にも大阪には同じように「死」に通じるからと「四天王寺」から「天王寺」に改名したケースもあるそうです。
江戸時代には松前、箱館、松山、江戸、挙母と言ったものが現在では福山(北海道)、函館、高梁(岡山県)、東京、豊田(愛知県)と呼称されていますから、現在の地名では異なる事も多いですね。これから市町村合併が進めば何十年後には現在の地名が忘れられている場合も出てくると思います。まあ外国には「長安」といわれていた西安や、「大都」といわれていた北京、「スターリングラード」や「レニングラード」といわれていた「ボルゴグラード」や「サンクトペテルブルグ」といった過去と現在では地名の呼称が違う話はいっぱいあるのですが。
人名でも新字の「渡辺」と書くのはNGで「渡邉」や「渡邊」と書いてくれといわれたり、同じように「国府田」や「沢村」でなく「國府田」や「澤村」で書くようにと言われますので、人名表記もつくづく難しいと思います。こちらは戸籍上の字を尊重した場合ですが旧字は現在使用することはないですから。