[30785]BerryBlossomさん
暑い、暑すぎる…。十万石まんじゅう(笑)
安寿姫ならぬ「まんじゅう姫」が『うまい、うますぎる』と行田の十万石饅頭を頬ばっている図は、棟方志功画伯の筆です。
http://www.kodaihasu.com/jumangoku/
それはさておき、今日の東京は観測史上の最高気温だけでなく、7月としては最低湿度も記録したそうです。高温だけでなく乾燥もフェーン現象の特徴であることを実証しています。「風炎」
[30789]とはよく名付けたものですが、同じフェーン現象でも冬の「からっ風」
[30793]には当てはまらない言葉です。
都の西北、熱都熊谷
[30764]の方から吹いてきた今日の風と違って、本家「フェーン」は、南風です。
アルプス山脈周辺は局地風のメッカで、インスブルック(オーストリア)やルッツェルン湖(スイス)に起こるフェーンは最も有名ですが、風上にある峠(ブレンナー、サン・ゴタード)に風が集まって吹きおりてくるそうです。
春の3月~5月に現れるフェーン(秋もある)は、アルプスの北側の谷に温暖をもたらしてブドウ栽培などの恵みを与える一方で、急激に雪を溶かし、雪崩・鉄砲水・火災などをもたらす危険な面もあります。
いずれにせよ、日本で「フェーン現象」の言葉から連想される猛暑ではなく、春先の強風という感じです。
「フェーン」の同類で世界的に有名な局地風は米国ロッキー山脈東側に吹き下りる「チヌーク」。
局地風由来の「〇〇現象」には、ボラ現象というのもあるそうです。「ボラ」は、冬季、ヨーロッパ大陸北部に発生した寒気がアルプス東縁を回ってクロアチアに入り、ディナルアルプス山脈を越えて吹き抜ける冷たい北東の風です。
アルプス山脈からローヌ河谷を通って地中海に吹く「ミストラル」は「ボラ」と同様に寒冷で乾いた風ですね。日本でも「からっ風」や「〇〇颪(おろし)」など冷たい北風があります。「だし」「やまじ」などの付く局地風も含めて、固有名のある風は「強い風」であることが最大の特徴でしょう。「ブリザード」も強い風ですね。
熱風で有名なのは、フェーンと逆に湿った熱風の「シロッコ」。これは地中海北岸に吹く南風で、サハラ砂漠の熱帯気団が海を渡り北上するうちに高温多湿、40℃以上になることもあり、霧や雨、ときにはサハラから連れてきた砂塵を伴って吹くそうです。
「シロッコ」送風機、風力発電機の「ゼファー」などは風に直接関係する機械ですが、クルマや列車のネーミングにも風の名前はいろいろ使われています。hmtは「ミストラル」も「ゼファー」も列車名の方を先に知りました。
風の名称辞典
http://plaza15.mbn.or.jp/~gaido/kaze/na3.htm に出ていないゼファー(西風の神)は、これまで話題にしてきた局地風とは少し性格を異にするようですが。