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落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

六甲おろしに赤城おろし −各地の“局地風”−

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記事数=10件/更新日:2004年12月13日/編集者:YSK

「局地風」とは、季節風とか貿易風など、地球規模で吹く風に対して、その地方だけに吹く、典型的な風のことで、各地でさまざまな名前で呼ばれる風があります。そんな風についてまとめてみました。

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[17053]2003年6月20日
白桃
[17054]2003年6月20日
YSK
[17069]2003年6月20日
般若堂そんぴん
[17077]2003年6月20日
だんな
[30803]2004年7月20日
hmt
[35644]2004年12月10日
みやこ♂
[35653]2004年12月10日
NTJ会長
[35665]2004年12月11日
今川焼
[35666]2004年12月11日
futsunoおじ
[35697]2004年12月12日
作々

[17053] 2003年 6月 20日(金)09:19:14白桃 さん
地方風、局地風など
ボラ、シロッコ、ミストレ(ラ)ル、などが外国では有名ですね。日本では、赤城おろし、伊吹おろし、六甲おろし、大根おろし?、やませ、まみ?などがそうですね。南風原、東風平など風のついた地名もあります。浦安では埋め立て地の高層マンションの間を強い風が吹き抜けていきます。強風で京葉線がストップすることも。長浜から大洲盆地にかけて肱川にそって強烈な風が吹くようですね。(向きは反対でしたか?)逆に風が一時的に止まる凪も瀬戸内では風物詩になっております。
皆様、お住まいのところにはどんな風が吹いていて、なんという名前がついているか、お教えください。(明日は明日の風が吹く、風まかせの白桃です。)
[17054] 2003年 6月 20日(金)09:51:25YSK[両毛人] さん
清川ダシ
[17053]白桃さん
長浜から大洲盆地にかけて肱川にそって強烈な風が吹くようですね。(向きは反対でしたか?)
反対ですね・・・。「肱川あらし」とか、「あらせ」とかと呼称されるこの局地風は、大洲盆地から長浜の河口の方向、海に向かって吹き出す風です。

愛媛県ホームページ内「肱川流域の暮らし」
http://www.pref.ehime.jp/rekimin/tokubetu1.htm
より引用します。

肱川流域では、秋から冬にかけて霧がよく発生し、季節の風物詩となっている。大洲盆地の朝霧は最もよく知られ、発生頻度も高い。霧の深い朝、標高300mの冨士山展望台に立つと、大洲盆地をすっぽりと包んだ白銀の霧を見ることができる。大洲盆地の北西部は、河口に向けて両岸が300~400mの高さをもつV字谷をつくっている。約10㎞も続くこのような地形のもとで、河口付近では霧をまじえた低温の強風が吹く。「あらせ」とも呼ばれるこの肱川あらしは、秋から冬にかけての日没後に吹きだし、翌日の正午近くまで海に吹き出す。

私たちが馴染んでいる風の名前としては、ご指摘の赤城颪(あかぎおろし)のほか、上州関連では榛名颪など、宮城関係では蔵王颪などが想起されます。

その他、有名な強風として、山形県庄内地域の「清川ダシ」が思いつきます。

庄内地域にあります山形県立川町は全国でも有数の強風地帯として知られていまして、特に春から秋にかけて吹く東南東の強風は「清川ダシと呼ばれまして、農作物へ被害を与えたり、大火の原因となったりして、恐れられているようです。

岡山県那岐山麓で吹く「広戸風」、四国山地を越えて吹き下ろす愛媛県伊予三島市付近の「やまじ風」と並び日本三大悪風といわれているとの情報もゲットしました。

参照ホームページ:
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/9611/html/etopic3.htm

局地風に限らず、日本では「春一番」「木枯らし」「薫風」など、季節感と結びついた風の名前もありますね。地域性と季節感に富んだわが国ならではの、個性豊かな風の名前を、今後とも大切にしていきたいですね。
[17069] 2003年 6月 20日(金)14:12:25【1】般若堂そんぴん さん
斜平颪,など
[17053]白桃さん
米沢市南西郊の斜平山(なでらやま:羽山,愛宕山,笹野山,栃窪山から成る)から冬季吹き下ろす風を斜平颪(なでらおろし)といいます.が,日常はほとんど使わない言葉です.市の南部ではよく使われるのかも知れません.
斜平颪を利用して,傾斜の少ない屋根の上の積雪をほとんど無くすという話を聞いたことがあります.確かに最近建てられた住宅は自然に雪が落ちていく急傾斜のものか緩い傾斜のものが多いようです.後者は雪下ろしの際の安全性も考慮されているのかも知れません.
【蛇足】なお,サンマを食べるときには大根おろしが欠かせませんし,納豆に入れても美味しく頂けます.

[17054]両毛人さん
庄内地域にあります山形県立川町は全国でも有数の強風地帯として知られていまして
風力発電の風車が並ぶ様は壮観です.ただ,風車の製造コストとその過程での環境への負荷を考慮すると,現時点に於いて「環境に配慮した」と言えるかどうか疑問が残ります.
[17077] 2003年 6月 20日(金)17:25:33だんな さん
風とともに去りぬ
台風6号は九州を中心に大変だったみたいですね。こちらは夜中に温帯低気圧にかわったものの、風が強くて目が覚めました。それでもとくに何事も無かったように朝は静かでした。と思いきや、夕刊を読んだところケヤキの木が倒れた写真が載っておりまして、どこかでみたような場所だと思ったら私の住むマンションの前に植えてあった木でした。

さて風といえば[17053]白桃さんの
皆様、お住まいのところにはどんな風が吹いていて、なんという名前がついているか、お教えください。
ですが、能登や富山の方では海の幸を運ぶといわれる東風のことを能登ではあえの風、富山ではあいの風と呼んでおります。由来は大伴家持が詠んだ「東風(あゆのかぜ) いたく吹くらし 奈呉の海人の 釣する小舟 漕ぎ隠る見ゆ」の歌だそうです。
参考ホームページ  http://www.i-kaze.net/mokuji/

そういえば去年の忘年会は和倉温泉の「あえの風」でやりました。あの加賀屋グループだけに豪勢だったような気がします。というのも酔っぱらって途中で記憶がなくなっているので推測で書いております。
[30803] 2004年 7月 20日(火)22:56:39hmt さん
落書き帳で最も有名な風は作々さんの「南風」
[30785]BerryBlossomさん
暑い、暑すぎる…。十万石まんじゅう(笑)
安寿姫ならぬ「まんじゅう姫」が『うまい、うますぎる』と行田の十万石饅頭を頬ばっている図は、棟方志功画伯の筆です。 http://www.kodaihasu.com/jumangoku/

それはさておき、今日の東京は観測史上の最高気温だけでなく、7月としては最低湿度も記録したそうです。高温だけでなく乾燥もフェーン現象の特徴であることを実証しています。「風炎」[30789]とはよく名付けたものですが、同じフェーン現象でも冬の「からっ風」[30793]には当てはまらない言葉です。

都の西北、熱都熊谷[30764]の方から吹いてきた今日の風と違って、本家「フェーン」は、南風です。
アルプス山脈周辺は局地風のメッカで、インスブルック(オーストリア)やルッツェルン湖(スイス)に起こるフェーンは最も有名ですが、風上にある峠(ブレンナー、サン・ゴタード)に風が集まって吹きおりてくるそうです。
春の3月~5月に現れるフェーン(秋もある)は、アルプスの北側の谷に温暖をもたらしてブドウ栽培などの恵みを与える一方で、急激に雪を溶かし、雪崩・鉄砲水・火災などをもたらす危険な面もあります。
いずれにせよ、日本で「フェーン現象」の言葉から連想される猛暑ではなく、春先の強風という感じです。
「フェーン」の同類で世界的に有名な局地風は米国ロッキー山脈東側に吹き下りる「チヌーク」。

局地風由来の「〇〇現象」には、ボラ現象というのもあるそうです。「ボラ」は、冬季、ヨーロッパ大陸北部に発生した寒気がアルプス東縁を回ってクロアチアに入り、ディナルアルプス山脈を越えて吹き抜ける冷たい北東の風です。
アルプス山脈からローヌ河谷を通って地中海に吹く「ミストラル」は「ボラ」と同様に寒冷で乾いた風ですね。日本でも「からっ風」や「〇〇颪(おろし)」など冷たい北風があります。「だし」「やまじ」などの付く局地風も含めて、固有名のある風は「強い風」であることが最大の特徴でしょう。「ブリザード」も強い風ですね。

熱風で有名なのは、フェーンと逆に湿った熱風の「シロッコ」。これは地中海北岸に吹く南風で、サハラ砂漠の熱帯気団が海を渡り北上するうちに高温多湿、40℃以上になることもあり、霧や雨、ときにはサハラから連れてきた砂塵を伴って吹くそうです。

「シロッコ」送風機、風力発電機の「ゼファー」などは風に直接関係する機械ですが、クルマや列車のネーミングにも風の名前はいろいろ使われています。hmtは「ミストラル」も「ゼファー」も列車名の方を先に知りました。
風の名称辞典 http://plaza15.mbn.or.jp/~gaido/kaze/na3.htm に出ていないゼファー(西風の神)は、これまで話題にしてきた局地風とは少し性格を異にするようですが。
[35644] 2004年 12月 10日(金)00:46:18みやこ♂[みやこ] さん
栃木県の颪
いよいよ颪(おろし)の季節がやって参りますネ!!颪といえば落書き帳アーカイブスで六甲おろしに赤城おろし -各地の“局地風”-がまとめられていますが,まだまだ出そうですよね。といいますわけで,栃木県の颪話をご披露します。
例えば我が栃木県には,一般的に3つの颪があって,北から那須颪,男体颪,赤城颪,です。(高原山からの風を“高原颪”とは,ちょいと聞きませんです.)ワタクシは生活の中で,これら3つとも体験しておりますので,以下にその特徴を書いてみましょう!

風の強さは何といっても赤城颪です。風の冷たさは,那須颪。男体颪はその中間,という感じですね(えっ?それだけ?)。
県央,県北で「いやぁ,今日の風は強いなぁ」といわれても,佐野で赤城颪を知る我が身には「そよ風」です。なんといっても「空っ風」,強いことはもちろんのこと,舞い上がる砂塵の凄さと顔面にぶち当たる砂粒の痛さは,そうそう凌駕できるものではござんせん。確かに那須颪は骨に凍みるほど冷たいですけどね。

子供の頃のお話しです。当時ワタクシは,いまどきのような「ダウンの防寒着」など持っているハズもなく,室内,屋外ともに「綿入り半天」がメインの防寒着でした。これって身ごろのヒモを結んだところで,胸に吹き込む冷気を遮断できるわけがなく,非常に効率の悪い「防寒着」だったのでありまするが,ま,みんなそうだったですからね・・・。袖のあたりをハナでテカテカにして・・・。
で,西風を背に受けて,鼻水垂らしながら,川の土手についた坂道を自転車で登ったんですよ。その時ふと思って,片手で半天の裾をつかんで広げてみたんですね,ヨットの帆のように。そうしましたらあ~ら不思議,ペダルを漕がないのに,勝手に坂道を上がって行くじゃ,あ~りませんか。子供心にも「空っ風」の強さを実感したのでした(カカア天下を実感するのは,ずっと後のことになります.)。
いくら体重の軽い子供とはいえ,坂道をのぼらせるほどの強風など,そうは吹かないでしょう!(そういや真西の友人宅に遊びに行くときは,「方違え」宜しく,一回,南西や西北に向かってから目指したものです。ソレぐらい強かった.)それにしても佐野でさえこんなに強いのだから,本場上州では一体どんなことになるのでせうね。

で,前橋市出身・在住の友人に聞くと,前橋でも冬の季節風を「赤城颪」というのだそうですね。「えっ?それって国境稜線の谷川岳の方から吹くから,“谷川颪”ってゆうんぢゃねんけ?」とカマかけても,「いやあ,赤城颪っていうなぁ」と,彼はいいます。もっとも,そのまた友人は「谷川颪って使うよ」と言っていますが。実際のところはどうなのでしょうね。それにソモソモ「浅間颪」や「榛名颪」(既出:[9175][17054]両毛人 さん)だってあるし・・・。はてさてハテナ?
[35653] 2004年 12月 10日(金)19:31:02NTJ会長 さん
局地風名・・・
[35644] みやこ さん
颪といえば落書き帳アーカイブスで六甲おろしに赤城おろし -各地の“局地風”-がまとめられていますが,まだまだ出そうですよね。
あ、こんなアーカイブも有ったんですね。気付かなかった・・・。

で、あたしの地元では冬の季節風を、「筑波おろし」と呼んでました。
推測ですが、おそらく、北総エリア~茨城県南部あたりに分布する呼び名ではないでしょうか。
とくに北総台地あたりでは、北方に目立った山は、筑波山くらいしか見えないんです。
あとは西南西に、富士が見える程度ですね。

ちなみに宅地開発が活発化する前は、ほとんど台地上は乾燥した畑地でしたので、
この季節になると筑波おろしで砂塵が舞い上がって、空が薄黄色になったものでした。
特に冬の麦作が不信になり輪作作物が無くなった落花生畑が広がっていた頃は、一番ひどかったですねぇ。
天気記号「砂塵嵐」が適用されても良いんじゃないかと、子供の頃思ったものでした。
[35665] 2004年 12月 11日(土)00:32:44今川焼 さん
各地の局地風
[35644] みやこ さん、[35653] NTJ会長 さん

そういえば、東京での最初の冬、慣れない空っ風に吹かれて一発で風邪を引いたことがありました。京都には「比叡おろし」というのがありますが、こちらは風が特に強いというより冷気が山からじわりと降りてくる感じで、それはそれで底冷えがします。局地風にも各地それぞれ特徴があるのでしょうね。
ところで、日本風力発電協会の中の風の羅針盤に、日本各地に吹く風が25種類紹介されています。
[35666] 2004年 12月 11日(土)02:04:04futsunoおじ[sutekinaおじ] さん
おろし,荏原
[35665] 今川焼 さん  ほかのみなさん

 「風の羅針盤」、参考になりました。
 この中で「おろし」は、関東から西日本に分布(8箇所)しているようですね。
 先週、テレビ(NHKだったかな?)で 「八ヶ岳おろし」という言葉を聞きました。 聞き慣れない言葉だったので、昔から言われているものではないと思いましたが、どうなんでしょう。

 「六甲おろし」が関東に吹き荒れるのは20年に1度と言われてますが ・ ・ ・。 (ちょっと話題が違いましたね。)

 「だし」が、北日本で多いようです。 新潟にいた頃、母が「今日はダシの風だから洗濯物は外に干せない」みたいな事をよく言ってました。 埃っぽい印象があります。


 「荏原」関連ですが、10日の夕刊に(医療ミス関係ニュースで)「東京都立 荏原病院(大田区)」が出ていました。 ベット数500の総合病院とのことで、わりと知られた病院です。
[35697] 2004年 12月 12日(日)17:07:53【1】作々 さん
霧島おろし
鹿児島で「おろし」といえば、後に大河ドラマにもなった司馬遼太郎の「翔ぶが如く」の冒頭にも登場する「霧島おろし」でしょうか。知人に吉野へ来ることを勧められた作者は、ただ「大崎ノ鼻に立つと潮風と霧島おろしで体が吹っ飛ばされそうだ」ということのみを聞かされて吉野へ出かけます。
久しぶりに読み返したら出てきたので…。

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