社員旅行から帰ってきました。いろんなことを学び、たくさんの海の幸と山の幸を味わい、すばらしい温泉宿に巡り合えた2泊3日でした。さて山と高原地図、仕事柄ほぼ全巻そろった環境に囲まれているスナフキんから補足を。
[46383]みやこ♂さん
今から30年ほど前には,むしろ後発組で,マイナーな印象だったような印象です。
そうですね、昔は日地出版が相当のシェアを占めていたはずですが、業界におけるデジタル化の波に乗り遅れたことで行き詰まりを見せ、会社ごとゼンリンに吸収されて現在に至っているのは周知の通りです。だからと言ってゼンリンにはデジタルネタが引き継がれたわけでもなく、デジタルに関する小縮尺のノウハウはもともと皆無に等しかったわけですから、今改まってゼンリンとして登山地図を出してメンテし続ける、ということはしていませんけれど(出すだけ出したことはあります)。いっときヤマケイが登山地図を手がけたこともありましたが、その後改訂される様子がないところを見るとこれも花火を一発打ち上げただけで終わってしまいそうです。
もともと登山地図は、市街図や道路図などと比較しても経年変化の量が圧倒的に少なく、毎年改訂するには需要とにらめっこしてもあまりに割に合わないという側面があるため、いきおいある程度の規模を有し資金をつぎ込める会社だけができる分野になりがちで、結果現在のような半ば寡占状態になっています。でも、どの出版社もそれに関して動こうとはしないのですよ、経営が苦しくて(苦笑)。
わたくしが「山と高原地図」に惹かれるのは様々な理由がありますが,その一つには絵柄の美しさ,があげられるでしょうか。むろんヨーロッパ諸国の地図や北海道地図の秀逸さには及ばないとも思います
北海道地図のものは確かに見ごたえがあります。現在は子会社に分割されたジオ発行ということになっていますが、その緻密な表現方法は変わるところがなく感心しています。ただですね、実際山登りをした経験もある私に言わせれば、実用的にはちょっと「凝り過ぎ」な感も否めません。ハッキリ言って山を歩くのに影付けはそれほど重要でなく、むしろ正確な等高線が見えないと意味がない。登山する人はそれなりに地形図を読む訓練もされるはずですから、付帯情報、例えば正確に山小屋や水場の位置が落とせているか、沢や岩の様子がどれほどよく描き込まれているかが登山地図には求められているはずなのですが、その点北海道地図のものは山歩き用と言うよりはむしろ「観賞用」に近いのではと思って見ています。
さすがに「日本アルプス総図」はねぇ・・・迷いますねぇ,実際。何か特典ないのかな?
ないです(汗)。そもそも縮尺的に広範囲をカバーし過ぎていて、とても実用に耐えるとは思えません。1/15万地図で山登りできる人は、ハッキリ言ってすごいです(笑)。当然注記類も相当に編集・整理されているはずで、仮にコレクションのネタにするのであれば明らかに向いていないということができます。強いて特典を挙げよと言われれば、ガイド冊子が同じ体裁でまるまる写真集ぽくなっていること、くらいでしょうか。登山ガイドはこの地図には掲載されていないです。
[46412]EMMさん
山と高原地図は巻数はずっと変わっていないのでしょうか?
2002年→2003年の改訂で、総冊数は大きく整理されましたね。この時に南北に分かれていたアルプス総図が統合されています。この時は特に西日本の各図が相当に統合されたため実質総冊数は減少しています。
「この辺は出ないのかなぁ」と思う場所は何か所かあるのですが、かぽっと開いているエリアは登山用、と言う観点からは需要が低い、と考えて良いのでしょうか。
同業他社の視点からですが、多分図取りは「日本百名山」やそれに準ずる名数山名に大きく左右されているものと思われます。それはやはり知名度の点、需要の点からもうなずける話で、また致し方ないことなのかなと思います。