少し前に勿来丸さんがTwitterに、
千葉県の市町村の一筆書きについての画像をあげていました。これについての話題です。
過去に一度だけ都道府県の一筆書きが可能か? という話題が出たことがありました。(
[18371]、
[18372]参照)その市区町村版です。
ここから数学的な話になります。辺を境界線、頂点を市町村に置き換えて考えてください。
一般的に一筆書きといえば、「与えられた辺を全て1回だけ通る経路は存在するか?」という問題を指します。これをオイラー路と言い、辺が奇数個の頂点(ここでは、同一県内の隣接市区町村の数)が0個または2個の時一筆書きが可能です。これを満たす都道府県は日本には存在しません。
一方で今回は、「与えられた頂点を全て1回だけ通る経路は存在するか?」という問題です。これをハミルトン路と言います。こちらは一般的な解を得るのは非常に難しい問題です。しかし、市区町村の数は限られているので何とか解く方法はないでしょうか。
とりあえず離島は除くとして、分かりやすい例としては、
・隣接市区町村が1個の場合→その市区町村がスタート/ゴールになる
これにより同一都道府県内に隣接市区町村が1個の市町村が3つ以上存在する、青森県、鳥取県、広島県(架橋隣接の江田島市を除いても不可能)、山口県(架橋隣接の周防大島を除けば一筆書き可能)、愛媛県、佐賀県については不可能と分かります。
・隣接市区町村が2個の場合→その市区町村でスタート/ゴールする場合を除き、隣接する市区町村が前後に来なくてはならない。
例として岩手県を挙げると、平泉町と金ヶ崎町は隣接市区町村数がともに2なので、一関市→平泉町→奥州市→金ヶ崎町→北上市(あるいはその逆)で回らないといけない。
応用的なパターンでは、田野畑村についても普代村→田野畑村→岩泉町(あるいはその逆)で回らないといけないが、これにより普代村の前は野田村しかあり得ない。こうして順番に見ていくと軽米町→洋野町→久慈市→野田村→普代村→田野畑村→久慈市まで決まります。(ただし、これらの市町村がスタート/ゴールにならない限りにおいて)
・1つの市区町村で都道府県を分断する場合、分断された地域ごとに考えて良い。ただし、スタートまたはゴールは分断している市区町村に隣接すること。
これにより宮城県(不可能と判明)や富山県(可能と判明)についてはかなり簡略化できます。
・2つの市区町村で都道府県を分断する場合も、いくつかに場合分けをしたら簡略化できる?
しかし福島県や長野県、さらには北海道になってくるとなかなかこれだけではうまくいきそうにないです。誰か解く方法があったら教えていただきたいです。
[102128]ピーくんさん
広島大学法学部の移転、驚きました。次回は大学の移転について取り上げようかと思います。