すみません。
[49550]からちょっと間が空いてしまいました。燃え尽きたと言っても過言ではありません(笑)。
[49550]は、みなさんから概ね好評を頂いたようでほっとしています。もし、あれだけ力んで書いたものを、あっさりと「違うよ」と否定されたとしたら、きっと1週間は立ち直れません(笑)。
何人かの方からは、さらなる検証を試みていただいています。せっかくですから、ひとつひとつ細かくお答えしたいところですが、もう少ししたら某所へ向けて旅立たなくてはならないため、「さらっと」で勘弁願うことにします。
[49555]YSKさん
たくさんの事例を挙げていただきましたが、その中で僕が特に注目したのが(5)の角地にあるガソリンスタンドの例です。車相手の商売であることからしても、通行量が多い今出川沿いにあることを強調するほうが、商売上きっと得策だろうと思うのですが、そこを敢えて、細道の室町通りを先にしているのは、やはり、町名に引っ張られているのでしょうか。
なお、(1)の中で、
南「下ル」ではなく「入」としている点が原則から外れますが、これも商売上「下」を使うのが縁起が悪いとするところからのものなのでしょうか?
と書かれていますが、拙稿
[49550]の最後のほうで触れた京都ホテルオークラと同様の例が他にもあったんですね。YSKさんのおっしゃる「縁起」説、十分あり得ると思います。同様に「下る」を避けるために、基準となる通りをひとつ南の通りにして、そこから「上る」ことにする例があると聞いたことがありますが、「南入る」だと、基準となる通りは変えなくてもいいというメリットがありますね。
かと思うと、
烏丸錦北西角にある福井銀行京都支店が、わざわざ「京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町678」という表示をしている例があったりします(
参考)。
[49569]今川焼さん
つまり、一軒一軒の家や商店が個々の判断で西入ルだ上ルだと決めているわけでなく、まわりの同じご町内のみなさんに合わせて表記しているということなのかもしれませんね。
かつての京都の町衆は、非常に高い自治意識を共有し、町内の結束も固かったということなので、自然とそのようになっていたのかもしれません。その後、時代が進むに連れて、土地の所有権移転や、分筆、合筆などがあった際に、従前の表示を継承することもあれば、「この際だから変えてしまえ」となることもあるのかもしれません。
[49584]88さん
この「不動産登記簿」は、「○○町の通り名の書き方は、『・・・・通・・・・上る(下る)』と書くルールとする」ということを示しているのではないでしょうか。
きちんと検証してないので確実なことは言えませんが、直感的に言うことを許していただくならば、それらはおそらく「ルール」というものではないと思います。現に各町の土地として登記されているものの表示例を列挙しているのではないでしょうか。その中にないような新たな表示をする例が出て来たら、リストに追加される可能性もあるのかもしれません。ただ、繰り返しますが、たもっちの直感で書いたに過ぎませんので、真偽の程は全く不明です。真実を知るには法務局に確認するしかないでしょうね。
例をもう少し書いておきます。京都市の地名に詳しい方、できれば検証をお願いします。数が多いので中京区の「あ」で始まる町名だけとします。
全部は見れていませんが、概ね「原則」に合致している中で、外れるものもいくつかありますね。
「姉大宮町西側」は基本は大宮通沿いですが、「三条通大宮西入」等があるのは、
地図を見れば何となく納得できます。リンク先地図中心の三条大宮北西角から西にかけて、三条通りに面して並ぶ家の辺りがそういう表示になると思われますが、きっとかつては、それら全部まとめてひとつの大きな土地であって、大宮通のほうに表玄関があったのだろうな、という推測が可能です。
>たもっちさんへ 話の続きは土曜日に広島で(笑)
そりゃあもう、楽しみにしていますよ(笑)。
ところで、今のところ、特に目立った反例は見つかっていないようですが、それってちょっとずるいところもあるよなぁ、と思っております。というのは、
[49550]の中で、「現実には、原則と違う表示方法がとられていることもある」と、予防線を張っていることで、反例を挙げられたとしても、「いや、それは原則から外れた例であって、仮説を覆すものではない」と言い張ることが可能だからです。実際に、いろんな例が混在している場合に、どれが原則でどれが例外なのかを見極めるのは非常に難しいことが多いと思われます。
ただ、例えば、市役所や、
[49550]のきっかけとなった府立の施設など、お役所関係のもので「原則」に当てはまるものが見つかっているということは、結構強力な援軍であると思います。同じ場所に対していろいろな表し方がある時に、公的なもののほうが「原則」に従おうとする傾向が強いことは、実感にも合うと思います。そういう意味で象徴的な例を見つけましたので、紹介しておきます。
場所は
市役所の南向かいの寺町御池南東角です。
ここには、「中信御池ビル」という建物があり、その1階は京都中央信用金庫御池支店の店舗がありますが、その表示はこうなっています。
京都市中京区御池通河原町西入下本能寺前町500-1(参考)
寺町通りに面した角にもかかわらず、河原町通りから西に入ったところだという表示になっています。一方、この同じビルには、京都市の一部の部署が入居していますが、こちらはこうなっています。
京都市中京区寺町通御池下る下本能寺前町500-1(参考)
同じ建物ですから、町名地番はもちろん一致しているのですが、こちらは、「原則」通りの表示です。
断言はできませんが、「原則に従おうとする役所」と「わかりやすさを重視する民間」という構図が見えてくるような気がしますがいかがでしょうか(もちろん、どちらが良いとか悪いとかという比較ではありません。)。
ちょっとだけ仮説に自信が出て来ました(笑)。
むむ、「さらっと」のはずが・・・(苦笑)。