このたび,むじながいり さんに「国立公園の変遷」についてのパラパラ地図を押しつけましたところ,あな嬉しや,さっそく
掲載して頂きました。ありがとうございます。何気に,以前ちょっと話題になった「尾瀬国立公園」の想像図も入れてあります。
(それにしても,「既存の国立公園からの分立」,「国立公園同士が接する」など,今までの国立公園行政では想像しにくい現象です。これも別途レポートにまとめてみましょう。
アーカイブスに取り上げてもらえるかもしれませんしね・・・)
そこで今回は,山と自然公園との関係を・・・。
「自然公園」と書きました。かつて国立公園は「国立公園法」という法律によって規定されていましたが,現在は「自然公園法」が,その根拠法です。同法により「国立公園」「国定公園」「都道府県立自然公園」の3種類の自然公園が定められているのです。
さて一方,かの深田久弥の「日本百名山」には,全国の主立った100の山々がリストアップされています。「みんな名だたる名山揃いだから,きっと多くの山が国立公園区域内であろう」と想像されます。そこで実際に調べてみますと,国立公園内が73座,国定公園内が17座,都道府県立公園内が7座で,その他が3座となりました(むろん重複指定はありません)。すなわち「その他」に属する3座は,自然公園区域外にあるわけです。
その3座とは,会津駒ヶ岳,上州武尊山,赤城山です。
かつての「尾瀬国立公園」の報道で,「会津駒ヶ岳,田代山,帝釈山を区域に編入し,単独国立公園としての面積を確保する」という記事をご記憶されている方もいらっしゃるでしょう(それとも「私だけでしょうか,私だけ?」)。そうなると,上記3座では,群馬県の2座だけが残されることになります。
「群馬県だけ残る」これは偶然でしょうか。かつて
[25064]で,わたくし「群馬県は名山の県」であることを検証いたしましたが(^o^),それにしても,いかに名山が偏在するとはいえ,網羅しきれないというお話なのでしょうか・・・。
地理系博覧強記の皆様なら既にご承知でしょうが,実は全47都道府県中,唯一群馬県だけ,都道府県立自然公園を有していないのです。
上州武尊岳,赤城山は独立性の強い山です。それゆえ,周辺の国立・国定公園区域に含まれづらく,孤高の存在になってしまうのですね。両者が残ってしまうのは,そんな理由もあるのでしょう。
そこで,新編「尾瀬国立公園」には,会津駒ヶ岳はもちろん,上州武尊岳も含めてみました。赤城山はちょっと離れているので,今回の図面には反映させていません。もし含めるのなら,飛び地扱いになるでしょうか・・・。
環境省の新たな取り組みの行く末を見守りたいと思います。