「市制町村制施行時の情報」に北海道も加わりまして、これで他の都府県と肩を並べることが出来ました。おめでとうございます。
と言いつつ不可解な点はあるもので、北方領土の6村が現存しているのは納得出来ますが、“本編”である「市区町村変遷履歴情報」では設置や廃止の情報はないものの支庁の区域に含まれている千島3郡(「得撫郡, 新知郡, 占守郡 」)が、その後どうなったのかは特に触れられていません。
ここで北海道ならでは、というか特有の問題が発生します。実際に「施行時の情報」を見て分かるとおり、町村制は1900年~1923年まで段階的に施行され、実に20年以上も未施行の町村と混在しています。その中で、
[78865] むっくんさん
73 1918(T7).2.1 新設/区制 室蘭区 室蘭郡 室蘭町(, 輪西村, 千舞鼈村, 元室蘭村)
このような例があります。( )は紅葉橋が勝手に付けたものですが、町村制での室蘭「町」と未施行の“村”との合併(?)は、単純に区制を施行したのみならず「北海道区制」という近代制度が旧室蘭町周辺に広がったことを示します。
前述の千島3郡を含め、「市区町村変遷履歴情報」の区制や町村制施行以前の支庁の改廃情報では、支庁の設置では区・郡名が、その後の管轄区域変更では村名(倶知安村、富良野村)が見えますが、郡はともかく村名は町村制未施行の村々です。「市制町村制施行時の情報」よりも前の“村”が登場していることで、ではこの2村はいつ設置されたの? という疑問が湧いて来ないとも限りません。
「北海道町村制」が全道に亘って施行されるまで、未施行の村々にもやはり異動はあったのでしょう(すぐには具体例を示せませんが)。町村制施行後の変遷を載せるのがここでの目的なわけですが、気になるところではあります。
もっとも大事なことは、未施行の村々は町村制を施行した町村と並存しており、決して施行時に誕生したわけでも無人の荒野だったわけでもないということです。
ちなみに、わたしが道民だからかも知れませんが、88さんとの認識の違いが出て来ました。hmtさんの意見に近いものがあります。
[78854]88さん
例えば、「二級村」から「一級村」への変更や、「一級町」から「町村制の町」への切り換え、「二級村」から「指定村」への切り換えは、「市制町村制施行後の情報」に相当するものと考え、廃置分合等を伴わないものは、何も表示していません。
[78867]hmtさん
開拓時代の変則的な制度である 北海道二級町村制から、府県における町村制に準じた制度である 北海道一級町村制への「昇格」も、実質的な「自治体の誕生」に近いもので、変遷情報に記録する価値があるのではないでしょうか。
「一級町村」から「町村制の町村」への切り換え、「二級町村」から「内務省指定町村」への切り換えは、まあ「市制町村制」から「地方自治法」に切り替わったように、実態としてはあまり変わりがないと思われます。
一方で「二級町村」から「一級町村」へは「昇格」であり、中身が変わっていると言えます。
この時代の道内の町村は、道外での「町」「村」の2種類ではなく、「一級町」「一級村」「二級町」「二級村」(それと「未施行の村」)の4~5種類あったと認識しています(「二級町」から「一級村」の“昇格”はあり得ませんが…)。
「内地」に編入された樺太の処遇も気になるところですが、まずは北海道の扱いを…。