[16314]special-weekさん
新市名で話題になった四国中央市が、またまた議論再燃しておりますね。
「四国地方の中心都市を議論する」
http://uub.jp/arc/arc99.html
「四国中央市と宇摩郡の今後」
http://uub.jp/arc/arc132.html
という2つの関連アーカイブを読んでみましたが、「センスがない」「名前負けしそう」等、報道により伝えられている諸々の内容もさることながら、個人的にこれらとはまた違った観点から感じている違和感は、主に
・「中央」という言葉を含む「市名」(
[9353]でstartさんが指摘)
・瀬戸内海に面している(
[9328]でuttさんが類似の内容を指摘)
の2つです。
まず「中央」という言葉のもつ自治体名(特に市名)としての違和感は、元々の使われ方自体が
・普遍性の無い固有の市区町村名(もしくはそれらよりも狭い地区名)における一部地域(中枢管理機能を有する地域or地理的にほぼ中央に位置する地域)
・広域ブロックにおける一部地域(概ね市町村よりも広い地域)
のうちのいずれかとして用いられてきたことと無関係ではないのでは?と感じます。また、
・「東、西、南、北、上、中、下、新、浜」等の接頭辞+普遍性の無い固有地名
・普遍性の無い固有地名+「山、川、島、浦」等の接尾辞
のような合成地名は、接辞がカナ表記でも3文字以下と短く、語感的に(意味的にではなく)さほど違和感がないのも「中央」という接辞と異なる所かもしれません。それこそ、
これなら「中四国市」のほうがまだいい
というのは接辞の短さからくる語感的には頷けるところです(ただ「中四国」という呼称自体はあまり一般的なものとして広まっていないような気も致しますが)。
また、「市名」ともなれば、その市名だけで以って所属都道府県に関しての一意性が求められるのではないか?とも考えられ得るでしょう(法律的な根拠等はよく解りませんが、市制施行時に既存他市との同表記を避け、同音異表記についてもできるだけ避けるようにするのが望ましいとされてきたこれまでの全国的な流れからの類推です)。
地理的な面については、高速道路が交差する自動車交通の要衝であるという事実は確かであるとはいえ、四国全体の地勢を見ると東西は勿論、南北方向についてもある程度の距離が存在することを考えると、
・高知県土佐町~大豊町周辺(
[9328]uttさんの書き込みにある面積重心的な位置に近く嶺北地域の拠点としての人口の集積もそこそこあるか?)
・徳島県池田町周辺(JR土讃線・徳島線が交差する内陸部の交通の要衝)
のいずれかの「内陸部の」拠点こそが「地理的には」中央を名乗るには相応しいのではないか?と考える次第です(様々な意見があり容易に収束しないでしょうが)。
なお、「宇摩」については両毛人さんが
[9295]で
宇摩も、地図からは消えてしまいますが、住民に定着しているならば、そう簡単にはなくならない
と書いていますが、実は「宇摩」の地名自体は北海道に「深川市多度志町宇摩」として現在も残っています(かつては深名線の駅もありました)。これは明治期に農業開拓のため北海道内一円に集団で移住した人々が入植地に出身地名をつけたものの一つで、愛媛県からは宇摩郡を中心とした東予地方出身者が多かったとされています(実際、深川市宇摩地区と雨竜川を挟んだ対岸には「雨竜郡沼田町東予」という地名も現存します)。
確かに、「本家」の方でも何らかの形で残すことを考えて欲しいとは思いますね。