一応,念のため。
本来,「信州」というのは旧国名の「信濃」の別称です。
信濃国はほぼ現在の長野県と同じ。木曽最南端の旧・神坂(みさか)村の大部分が岐阜県中津川市に編入されていますが,ここだけが「信濃国」と「長野県」の違いです(旧神坂村のうちの馬篭地区ほかは西筑摩郡(現・木曽郡)山口村に編入されました。現在,山口村は中津川市への編入をめざしていますから,これが実現すれば両者のズレは少しだけ大きくなります)。
「信州」は,この「信濃国」の言い換えです。
だから,「信州」と「長野県」は基本的に“ほぼ同じ”。もちろん,木曽も「信州」です(ただし,現在の木曽郡(旧西筑摩郡)のうち,西半の木曽川流域は戦国末期くらいまでは美濃・恵那郡の一部だったと考えられています。ということは,「信濃」ではなかった)。
[3095]
>ガイドブックに「信州」というのが書かれてあれば、長野県だけではなく新潟や山梨の方も掲載されています。
>...これが「長野」と「信州」の違いだそうです。
少なくとも,地元の「信州」にはこういう解釈はありません。
もともと「谷」ごとの地域割拠性が強く,“県都”の長野が大きく北東部に偏っている上に,「長野県」の形成過程で元は「筑摩県」の県庁所在地であった松本の地位を奪ったことによる対立感情から,「長野県」内では「長野」よりも「信濃」「信州」という呼称の方が好まれる傾向にあります。
だから「長野新聞」ではなく「信濃毎日新聞」。「国立長野大学」でも「国立松本大学」でもなく「国立信州大学」。“県歌”として,ほかのどの都道府県よりも広く県民に定着している愛唱歌は「信濃の国」。
ただし,明治・大正期には「信濃」の方が普通で,「信州」がわりと広く用いられるようになったは比較的最近との地元研究者の指摘もあります。
一般に旧国のいずれについても「…州」という別称が定着しています。
[3105]
>「信州=信濃」 「上州=上野」 「長州=長門」 という単純なものではないのかな。
基本的にこういう解釈で結構。
他に「甲州=甲斐=山梨県」「紀州=紀伊=和歌山県+三重県南部」というあたりが現在でも盛んに使われていますね。
[3112]
“ブロック紙”(いくつかの地域をエリアとする)に位置付けられる「中日新聞」は時々キラリとした特集をするのに定評がありますね。東京でもドラゴンズには関係なく「東京新聞」のファンは多いようです。
もっとも,ウチは購読していませんが。