[17430] 雑魚 さん
JR博多駅周辺もかなりの商業集積性が見て取れますが、繁華街という点では、やはり天神の方が格が上なのでしょうか。
そうですね,現状をみる限りで,天神と博多では,繁華街としての集積性は天神の方が,圧倒的に優れているといわざるをえないでしょうね.
「博多(特に駅周囲)=ホテルやビジネス街」,「天神=買い物の街」のイメージがあります.
東京でいえば,「博多=東京」で「天神=渋谷,新宿」ってとこですかね...もちろん,そこまで大規模ではないけど.
天神には,三越・大丸・ビブレ・岩田屋(地元の老舗です),ビックカメラなどなど、、ほとんど東京と変わらない布陣ですね.
一方,博多駅周囲は,地下街も一応ありますが,井筒屋ぐらいですね.
下の表は1998年の福岡市の主な大型商業施設をとりあげたものですが,差は歴然としていました.
ー | オープン | 時期規模(平方m) | 98年年商(百万円) | (前年比)% |
天神地区 |
岩田屋 | 1754年 | 66,534 | 91,278 | (-1.5) |
博多大丸 | 1953年6月 | 48,163 | 71,191 | (-1.7) |
福岡三越 | 1997年10月 | 38,470 | 38,897 | (183.7) |
天神コア | 1976年6月 | 10,605 | 14.758 | (-5.3) |
天神ビブレ | 1976年11月 | 12,825 | 14.902 | (-10.2) |
ソラリアプラザ | 1989年3月 | 11,043 | 11,460 | (-7.4) |
ソラリアステージ | 1999年4月 | 13,000 | 14,000(目標) |
イズム | 1989年4月 | 17,959 | 10,789 | (0.1) |
天神地下街 | 1976年9月 | 7,238 | 14,500 | (-8.2) |
マツヤレディス | 1973年4月 | 6,173 | 6,750 | (-12.4) |
福岡ショッパーズプラザ | 1971年6月 | 32,556 | 11,420 | (-6.5) |
ジークス天神 | 1994年9月 | 5,634 | - |
地区合計 | - | 270,200 | 301,703 |
中州川端地区 |
福岡玉屋 | 1806年 *99年7月15日閉店 | 23,086 | 14,841 | (-17.1) |
キャナルシティ | 1996年4月 | 59,487 | 49,000 | (-2.0) |
アクロス | 1995年4月 | 5,514 | - |
地区合計 | - | 88,087 | 63,841 |
博多駅地区 |
博多井筒屋 | 1966年5月 | 17,900 | 17,966 | (-5.8) |
交通センター | 1999年5月 | 21,000 | - |
地区合計 | - | 38,900 | 17,966 |
合計 | - | 397,187 | 383,510 |
注)「-」は不明、もしくは未公開地区合計は、公表数字だけを合計.
天神の商業集積の影響を最もうけたのは,かつての中心街であった下川端エリアです.
いまや,下川端商店街が賑わうのは,祇園山笠の時期だけという状況です.
この天神への人の流れを博多部まで拡大しようという計画で,1996年に博多川のほとり(博多区住吉)に劇場・ホテル・大型専門店・オフィスビルなどの施設が複合する“キャナルシティ博多”ができました.
さらに,ソラリアステージ,福岡交通センター,博多リバレイン(表にはありませんが,中州川端地区にあります)など大型商業施設のオープンが相次ぎ,ますます天神,中州川端,博多駅の各地区は,派手に火花を散らしています.
一方で,閉店するところもあり,老舗の一つだった,福岡玉屋が百貨転業の廃業を決め,生き残りも相当厳しいです.表の通り,年商が前年を下回る施設が目立つのは,既に過当競争となっている証拠でしょう.
このように,天神への一極集中も言われていますが,このモータリゼーションの世の中,各自動車道も整備された結果,北九州市などの福岡県内のみならず,九州全域,山口県の大部分を含めた集客力は非常に強く,福岡市の一極集中への懸念も,他県の関係者からも指摘されています.