[104078]白桃さん
「村」が「町」になるというのは、法的には、「町制」ではなく単なる「名称変更」であったのではないか、これが私の推測です。
しかし、そうなると、三本松村→三本松町のような「一日限りの『町』」ではない場合もすべて「名称変更」になりますね。
それはそれでいろいろ問題が出て来るとは思いますが、少なくとも、地方自治法施行前の「町制/改称」の表示は「改称&(村→町)」あるいは「改称&(町制)」にすべきではないかと考えます。
市制町村制の時代の法律書では
〇〇村→〇〇町・・・町村変更
〇〇村→●●村・・・改称(名称変更)
〇〇町→●●町・・・改称(名称変更)
とする事例が多いようです。
[104079]グリグリさん
あまり詳しくなく検証も不十分ですが、単純に考えると、1947年の地方自治法施行以前の「町制」「村制」をすべて「町村制」に変更し、「◯◯村 → ◯◯町」は「改称」と整理すると分かりやすいのかなと思いました。
以前の編集長であった88さんは
[78998] にて
「法律」が「市制」「町村制」の2つの法律、「制度」が「市」「町」「村」の3制度、です。
「町村制」は、「『町』という制度」及び「『村』という制度」を規定した法律の名称です。
このため、「町村制」という制度ではありません。
とされました。そのため「◯◯村 → ◯◯町」の変更種別を町制という表現をされました。
現在の「地方自治制」も「『市』という制度」及び「『町』という制度」及び「『村』という制度」を規定した法律の名称ですので、現在も「市制」、「町制」、「村制」という表現をされています。
しかしながら「町制」と「村制」とをあえて区別して記載しない立場
[79006]hmtさん
普通のケースでは、町村制施行時に成立した○○町は 単に変更種別“町村制”と記せば十分であると思われます。
もあると考えられます。今回のグリグリさんではこちらの立場を採られたということと推察します。
こちらの立場では例えば秋田県の
160 1964(S39).10.1 村制 南秋田郡大潟村 八郎潟干拓地
は
160 1964(S39).10.1 地方自治法 南秋田郡大潟村 八郎潟干拓地
と書くことになりますし、沖縄県の
21 1946(S21).6.12 村制 島尻郡南大東村 南大東島
は
21 1946(S21).6.12 地方行政緊急措置要綱準用の村政の組織 島尻郡南大東村 南大東島
と書くことになります。
#地方行政緊急措置要綱は米軍政府回状第208号(1945.9.12)、村政の組織は米海軍政府指令第58号(1945.12.4)です。
そして市制町村制の時代の「◯◯村 → ◯◯町」の変更種別は「町に変更」(
[79006]hmtさん)もしくは「町村変更」にするのが妥当だと考えます。
又、市制施行に関しましては、例えば滋賀県の
44 1937(S12).2.11 新設/市制 彦根市 犬上郡 彦根町, 松原村, 青波村, 北青柳村, 福満村, 千本村
は
44 1937(S12).2.11 新設/市制 彦根市 犬上郡 彦根町, 松原村, 青波村, 北青柳村, 福満村, 千本村
のままです。
ただ、問題となるのが、地方自治法施行以降の記述です。地方自治法下では「市制」、「町制」、「村制」という制度はありません(市となる手続き、町となる手続き、村となる手続きがあるに過ぎない)ので、「市制」、「町制」、「村制」という表現を使えないことになります。
例えば、岩手県の
109 1972(S47).4.1 新設/市制 二戸市 二戸郡 福岡町, 金田一村
は
109 1972(S47).4.1 新設/市に変更 二戸市 二戸郡 福岡町, 金田一村
となり、沖縄県の
35 1953(S28).10.1 市制 真和志市 島尻郡 真和志村
は
35 1953(S28).10.1 市に変更 真和志市 島尻郡 真和志村
とした上で琉球政府市町村自治法によるという脚注を入れることになるのでしょうか。
【追記】
地方自治法施行以降のみならず市制町村制の時代でも「町制」という表現を使えないため、例えば茨城県の
47 1940(S15).4.29 新設/町制 那珂郡勝田町 那珂郡 中野村, 勝田村, 川田村
では
47 1940(S15).4.29 新設/町に変更 那珂郡勝田町 那珂郡 中野村, 勝田村, 川田村
と書くことになります。